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#934/1000 ちょっと一息、気楽な話題で楽しんで
★タイトル (iti@msi.) 02/ 4/26(Fri.) 21: 1 ( 27)
奇貨置くべし 一久
★内容
奇貨居くべし 天命篇 読了
この巻で完結。
しかし。。。
宮城谷風に、さわやかな人物にしてしまうと、終わりを全うできな
かった人物の最後には矛盾が生じてしまう。
これはちょっと問題だろう。
むしろ、大きく歴史を変えてでも、生存説を唱えるべきだった。
生き延びて超人的な年齢を重ねた呂不韋こそが、張良に兵法書を
さずけた黄石だった、とかいう風に。
宮城谷氏自身が、こういう「さわやか流」の記述をするのはまだ許せ
るのだが、それに影響されて編集者たちが他の作家にその亜流の
執筆を依頼するようになることが問題である。
「呉氏起つ」や「白起」という小説がそれである。
この二者は、そうとうに複雑な人間であるのに、それを、さわやかな
人間にしたてようとするから無理が出る。
司馬遼太郎なら、けっしてそのような書き方はしないはずだ。
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