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#272/300 本会議場 市民の討論広場 メイン会場
★タイトル (********) 02/ 2/28(Thu.) 20:27 ( 55)
決戦投票制度について 一久
★内容
決戦投票制度について
決選投票制度というものは、小選挙区制において、一回目の投票で
第一位になった者と、第二位になったものとで、第二回目の選挙で
一対一の決戦投票を行い、どちらにするかを選ぶという制度である。
こうすることによって、死票を減らす効果がある、と言われている。
「死票を減らす」病、ここに極まれり、か。
そろそろ、「死票を減らす=善」という幻想に、疑いを持つべきで
あると私は思うのだが。
肝心なのは、よりよき選良を得ることなのであって、もしも死票を
減らすことがその目的から遠ざかるものになる場合には、死票を減
らせば善、という概念は修正されねばならないのである。
決選投票制度の場合、40%の有権者から積極的な支持を得た第一
回投票の第一位の候補が、「20%の積極的な支持」+「反第一候
補の票40%」を得た第二位の候補に敗れる可能性があるのである。
これが果たしてよいことであろうか。
第二位の候補は、20%の積極的な支持しか持っていない。あとの
40%は、彼を積極的に支持しない。
これでは、この当選者の政治的な立場もまた軟弱なものにならざる
を得まい。なにかする度に、非積極的な40%から物言いがつくで
あろう。ましてや、組織票がそこに入り込んでいた場合には、露骨
な干渉が行われることを防げない。
それ以前に、20%しか積極的な支持を集められない人間と、40
%の積極的な支持を集めることのできる人間と、はたしてどちらが
選良としてふさわしいだろうか。 考えるまでもないことであろう。
いや、候補者個人の能力云々よりも、もっと重大な問題がある。
それは、この種の選挙制度は、野合をうながし、その結果、急進的
な少数政党に力を持たせる危険がある、ということである。
ナチスが40%の得票を集めることは困難であるが、20%ならば
なんとかするかもしれない。
そして、20%を獲得して決選投票に残りさえすれば、他の政党に
条件闘争を仕掛けて支持を得、決選投票に勝つことも困難ではない。
比例代表制度ほどではないが、同じ種類の危険が決選投票制度にも
あるのである。
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ここに述べたことは、前回の投票心理の分析でいえば、小選挙区制
度には、「3」の条件が入り込む危険があり、特に、決選投票製を
とるときには、その危険が最大となる、ということを意味する。
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