〜*〜  本会議場 市民の討論広場 メイン会場  〜*〜

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#273/300 本会議場  市民の討論広場 メイン会場
★タイトル (********)  02/ 3/ 1(Fri.)  15: 8  ( 64)
分業と非分業     一久
★内容
分業について


 比較優位に基づく分業によって、万民は豊かになりうる。

 ここでいう豊かさとは、労働の効率がいい、ということと、数多く
 の製品・サービスを手に入れることができるということである。

 つまり、先進国においては、一日八時間の労働で、それなりの家に
 住み、車を持つこともできるし、世界中の珍味を賞味することもで
 きるということである。

 これに対して、世の中には、一日に12時間以上働いても、人間ら
 しい生活のできない国もある。飢え死にの心配のある国さえある。

 しかしながら、この豊かな先進国の社会は、言い換えるならば金が
 なければ生きられない社会だということでもある。

 すべての財貨・サービスは貨幣を通じてつながっており、そうであ
 ればこそ、分業体制が成立するものだからである。

 そして、その金を得る手段は、自分が分業を担当している職の競争
 力が持続するかどうかにかかっている。

 このような状況においては、新たな参入者にたいして攻撃的になら
 ざるをえないのも当然である。

 ましてや、それが圧倒的に安い労働力を背景にした外国製品であっ
 た場合には。

 
 分業と協調は、確かに生産性を高めることができる。しかしそれは、
 人間に対して、貨幣への服従を強制するものでもある。

 ゆえに、分業の進んだ社会においては、全員が失業の恐怖に怯える
 ようになるのである。

 少しの労働で多くの商品を購入できる金を手に入れることはできて
 も、肝心の仕事がなければその「少しの金」が入ってこない。

 それが、分業の進んだ社会というものである。

 逆に、分業のほとんどない社会においては、そのような不安はない。

 腹が減れば漁をして、酒が欲しけりゃドブロクを作る。雨漏りがす
 れば屋根にのぼり、茶碗がなければ土をコネ、歌いたければ竹を叩
 く。

 このような生活には、失業の恐怖はない。 そのかわり、ぜいたく
 はできないし、時には生命の危険さえあろう。

 しかし、我々がこのような原始的な暮らしをみて、ときにその豊か
 さに感動するのは、なぜであろうか。

 それこそ、分業のもたらす「豊かさ」の対極にある「豊かさ」であ
 る。

 ひとことでいえば、金に支配されない、ということである。

 金に支配されないということは、他人に支配されないということで
 もある。

 市場という名の、他人に支配されない、ということである。



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