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#3367/3369 本会議場  市民の討論広場 メイン会場
★タイトル (********)  24/ 7/19(Fri.)  22:12  ( 73)
超限戦の果てに人民解放軍は人類の敵を生む     拓睦
★内容
以前から気になっていました超限戦という著作を読みまして確信したところです。
本著は日本では2001年に発売された著作です。
そのため作中の背景に湾岸戦争における人民開放軍の動揺と、それゆえの対策という背景があると思えま
した。その上で著作では『いわゆる超限とは、すべての限界と称される、あるいは限界として理解されて
いるものを越えることを指すのである。たとえそれが物質、精神、あるいは技術に属するものであろうと
も、また、それが「限界」「限定」「制限」「境界」「規則」「定律」「極限」さらに「禁忌」などと呼
ばれようともだ。』といい『恐らく軍事行動を主導としないような領域において、当事国のすべての領域
に波及する可能性のある戦争を行うことである』と軍事行動を非軍事領域とされている部分にまで広げま
す。
さて、著作内での著者に思考について重要であるつつも抜け落ちている部分を指摘しますと

・目的設定について考察がない
 作戦行動を行う領域を広げるのはわかったが、目的をどのようにして定めるか、という思考がまったく
ない。著者が軍人であるからこの思考を放棄しているのならば致命的な欠陥思想といえる。唯一、これが
目的かとおもわれるのが『その上で徹底した思想闘争を行わなければならない。徹底した思想がなければ
徹底した革命もありえない。』という部分である。
 この思想というのが毛沢東思想による革命輸出なのか、この超限戦そのものかと考えれば、目的設定に
ついて思索がない以上、毛沢東思想と考えるべきと思われるが、著作中に明示はない。

・外交状況に関する考察がない
 これも著者が軍人だからであろう。力を束ねると言う意味での手段としての外交はあるが、友好的であ
るにしろ敵対的あるにしろ、相手国と自国の関係性の上で語られる外交がまるでない。軍事思想なのだか
ら考えなくてもよい、といわれればそれまでなのだが、軍事行動を非軍事領域に広げることによるデメリ
ットをまるで考えていない。相手に非軍事領域に軍事行動を行った場合、判明したときの外交的な敵対化
をなにひとつ考えていない
また、作戦領域を広げたところで相手も広げてくれば、結局は総力戦ということになり本著の狙いである
「正の偏正」も達成できない。

・手段の目的化
 手段が目的となるのはよくある話である、特にそれが支配的なパラダイムであればあるほどその思想に
潜む論理エラーには目が向けられない。非軍事領域を軍事化して広げるのに際限がないのは上記の引用文
を見てもらえばわかるとおりである。
 結果、2024年の中国においては非軍事領域はさらに広がり「制脳権」を優位にするためにか「智能化戦
争」において認知領域での戦争が議論されている。防衛研究所の『中国が目指す認知領域における戦いの
姿』という論文では『例えば、認知領域を「新興の作戦領域であり、感知、理解、信念、価値観といった
意識が構成するバーチャルな空間」と定義する海軍工程大学の李大鵬は、智能化戦争においては認知領域
の役割と地位がこれまでになく高まると指摘している』という戦争が起こるとしている。当然、その領域
での戦争手段は研究中といったところでしょう。超限戦の中ではこう説かれる。
『限界を超えた運用手段によって、有限の目標を実現するだけである』と。
上記したように目的に関する思索は本著のうちではない、暗黙的に革命輸出が目的だというならば、冷戦
はまだ終わっていないことになる。
人民解放軍なのだから当然といえば、当然なのかもしれない。
だが、本著は『限界を超えた運用手段をもって、有限の目標を実現するだけである』と手段の限界を更新
して、作戦領域を広げていく。
そうなると、これは軍部の暴走なのではと言える。

・智能化戦争の果てに
 智能化戦争において認知領域を戦場にするとあったが、超限戦では作戦領域と手段は無限に広がる。
 そうなると、認識領域の次に見えるのは洗脳戦ということになる。
 生成AIによるVR映像による洗脳になるのだろうか?
 投薬も併用したものになるのだろうか?
 国外の人間には簡単には行えないだろうが、国内の人間には簡単に行える。
 超限戦において禁忌などない。
 AIの兵器利用、監視社会での活用、人間の人格破壊と更新、身体改造いくらでも考えられる
 その上で、それら人間の尊厳を犯す超限戦思想によって教育された強いAIが生まれたのならば、無制
限の戦争を仕掛けてくることになる。
 これは人類の敵というに値する。

・総評
 読後の感想としては、本著の思想は出来の悪いマキャベリの弟子、という感想である。
 マキャベリのキャリアは大国に干渉を受ける小国の外交官であるのに対して、革命思想をサイロとする
軍事大国の軍人による著作、というと著者のキャリアに違いがある。
 人民解放軍が超限戦思想を進めていくならば、あらゆる技術を使って生活領域の全て戦場になる。
 その上で、人類に敵対的なAIを生み出すことになる。
 本著にあるように、この思想には禁忌はないのだから。

追記:この原稿を考案している間に、元大統領の狙撃事件が起き、本人の無事なことをお祝い申し上げ、
   事件に巻き込まれた亡くなれた方、その御家族お悔やみ申し上げます。
   負傷されたかなには、早々の快癒をご祈念いたします。
   さて、今疑いをもっているのが、狙撃犯の認識領域は操作されていたのか、ということです。
   警察とSPの件はそのうち捜査がいくでしょうが、こちらに対して疑念がぬぐえません。
   自体はもっと深刻なのなのか、と疑っております。



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