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#569/600 本会議場 市民の討論広場 メイン会場
★タイトル (********) 03/ 2/22(Sat.) 21: 3 (113)
議員予算制度 一久
★内容
議員予算制度の再考
議員予算制度(仮称)とは、議員ひとりひとりに
自由裁量できる国家予算を配当するというもの。
その財源は、地方交付金を使う。十五兆円もあ
るこの財源から、六兆円もの減額を行なったとし
ても、なお小選挙区選出議員三百人に対して、
一人当たり年間三百億円の交付が可能である。
この自由裁量できる国家予算は、比例代表議員
には交付されない。比例代表という制度とは相
いれないものだからである。
簡単に言えば、一％の支持で議員を生みだせる
制度によって得た議席に対して、百億円単位の金
を与えることは危険きわまりないということだ。
早い話が、オーム真理教のような団体にも、大金
を与えることになってしまうのである。
話は変わって、なぜ議員個人に予算を与えるこ
とが有益であるのかについて論じる。
そもそも、現在の選挙制度において現職や政権
党の候補がなにゆえに有利なのか。
それは、「偉いセンセイ」を選ばないと、おらが地
域に国家予算をぶんどってきてもらえなくなる
という危惧があるからである。
どんな高邁な理想も、清潔な候補も、この実益
と比べれば、つねに霞んだ存在となる。
だからといって、世間の識者なる人々のいうように、
地域エゴを廃して「でたい人よりだしたい人を」な
どと叫ぶことは、まったく世情を無視したもので
あるとしか思えない。
自分達のすむ地域の為に金を取ってくる人間を
選びたいというのは、人間の自然な欲望なのであ
るから。
ではどうすればよいのか。
欲望だけに溺れてはならない。しかし、欲望を否
定して現実場馴れした聖人君子論はもっと罪が
深い。管仲流にいえば「衣食足りて礼節を知る」
べきなのである。
欲望を活かしつつ、その在り方を洗練させ、もっ
理想に近づくように仕向けること、これこそが政
治のあるべき姿なのである。
では、具体的にどういうことをやってはいけないの
か。
まずは、よその地域の犠牲の上に自分達の繁栄
を築こうとしてはならない、ということである。
田中角栄の問題点はまさにここにある。
新潟の為につくすことには問題はない。しかしそ
れが他の地域が得るべき予算をも過剰にぶんどっ
てきてのものであったことに問題があった。
ならば、全国一律に、国家予算を配分してしま
えばよいのである。
それでもなお、この配分以外の国家予算をめぐっ
て田中角栄的なぶんどり合戦は続くだろう。だ
が、最低限度のラインを引く効果は期待できる
ようになる。
次に、獲得した予算を効率的に使う努力をする
ということである。
自由裁量できる予算を一律に分配されない現在
の制度のもとでは、このような努力は期待できな
い。
効率的に使うことよりも、どうやって予算を自
分の地域にもってくるかを考えることを優先さ
せざるを得ないからである。
有権者のほうから言えば、「いいこと」をいう新人
候補には、予算を獲得してくることを期待できな
いということであり、やはり「おらがセンセイ」に
きばってもらわねば、ということになるのである。
だがもし、誰がなっても三百億円の予算が配布
されるということになれば、この構図はくずれる。
ぽっと出の新人でも、芸能人でも、その予算の使
い道が優れたものだと評価されれば、現職議員
を淘汰することも難しくないのである。
誰でも、三百億円もらえるのだから、あとはその
使い道で勝負が決まるのである。
もちろん、不正な使い道を選ぶ議員と地域民も
いるだろう。
しかし、そうではない地域も現れる。そうなれば、
数年後には両者の違いが明らかになる。
低俗な使い道を選んだ議員と地域は、現実によっ
てその責任を問われることになるだろう。
ここにおいて初めて、政治における市場競争が成
立するのである。
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