メキシコ レイク バカラック釣行記2 97.12.29〜98.1.5

 

    メキシコ釣行記2 〜夢の実現、旅の終り

 昨年末同様、私は今年もメキシコに10ポンドオーバーのバスを求めて行ってきました。昨年帰国した段階ではもう行く気は無かったが、ショップのツアーの申込が始まるとリアクションバイト気味に申込んでしまった。あの素晴らしい湖をもう一度味わいたいという思いと、昨年同船者に目の前で12ポンドと10ポンドを同じ日に釣られた悔しさ、そして自分も釣ってみたいという思いで5月の段階でツアーに申込んだ。そして半年後に戦いの時は来た。

 2日間に渡る長い旅の末に辿り着いたレイクバカラックは、昨年とは違い曇の中だった。着いて早々ゲーリー山本氏が2人だけ下見に連れて行ってくれるというので、大ジャンケン大会が行われた。私は決勝まで残ったが、惜しくも敗れてしまった。この時に今年も付いてないのかとやな気持が脳裏をよぎった。3時間後、2人は最高の笑顔で戻ってきた。もう10ポンドを釣ったのかと思ったがそうではなかった。昨年、私もそうだったが2.3匹釣るだけで自己記録が塗り変わるこの湖で2時間も釣りをし、この湖の凄さを実感して来たようだ。興奮した彼等の話を聞きながら、長い夜は過ぎて行った。


 初日の12月31日、やっと私も湖に出る事ができた。まずは今年のバカラックの調子を見ようとゲーリーの10インチグラブから開始した。ほんのなんとも言えない緊張感の中、わずか数投でバイトが有り1年ぶりにバカラックバスと再会できた。昨年とは違い、岸からグラブをスイミングさせると面白いようにバスが釣れるが、5ポンド・50センチを越えるバスがなかなか釣れない。バスはブレークの下かと思いちょっと沖目のボトム付近をスイミングさせてみた。するとボートの真下付近でバイトが有り、渾身のフッキング。その直後、なんとも心地よい重さがロッドを伝って伝わってくる。力強いジャンプと突っ込みを交わしてキャッチしたのは6ポンドのバス。今年が初めての同船者は、6ポンドのバスを見て既におどろいている。例えビデオとかで見ていても、実物の迫力は見てみないと分からない。この1本で私たちのテンションは一気に上がった。そして次から次へとバスを釣っていった。だが、午前中は釣っても釣っても40センチ止り、だが数は昨年とは桁違いでいくらでもバスは釣れた。特に大物が釣れないまま問題の2時を迎えた。太陽に熱せられ水温が上昇したこの時間にスポーニングバスがシャローに上がってきたらしく、いきなり同船者に9ポンドを取られた。この時私は今年もか〜と思ったがものの30分位でこの逆行を跳ね返した。2年かがりでやっと8ポンドを超える9ポンドのバスを釣った。足は震え頭の中は真白になり、今でもこの時の事はあまりはっきりとは覚えていない。この後に続くあれを釣った為になおさらだ。この日はこの1本で終わった。ロッジで夕食の時間に、8ポンド以上を釣ると記帳できるノートに2年ががりでやっと記帳できた。この時のノートをペンで書く感触はいまだに忘れられない。昨年と今年、一緒のツアーになった人が祝福してくれた。それがとっても嬉しく、さらにでかいのを狙う決意となった。食事の際、マルガリータを薦められたが昨年10ポンドオーバーを釣るまで飲まないと誓ったので我慢し、明日こそはと気持ちは明日へと向かっていた。

 

2日目、1月1日元旦の朝、といっても日本ではまだ大晦日だが私はゲーリーにガイドしてもらうことになっていた。昨年も元旦の日にガイドしてもらったので、今回もあえてこの日を選んだ。ゲーリーさんは、朝一で徳永兼三さんが6ポンドラインでの世界記録を釣ったワンドに入った。私も何度もビデオを見たので大体の地形は憶えていたはずなのに、大減水の為全然分からなかった。ゲーリーさんに教えられ、上のほうを見て何となくここかと思った。朝一はまずシャローに上がってきてるかチェックした。私はグラブでゲーリーさんはセンコー6インチをキャストしていた。さすが作った本人だけあって次から次へとバスを釣っていく。そして何本か釣った後、シャローは型が小さいと判断し今度は岸から50メートルほど離れたブレークに掛かった立ち木を中心に釣っていった。ここでもバスのサイズはアベレージの40〜40後半で、なかなか良いサイズが出ない。ある程度つった後、ゲーリーさんはここに見切りを付け再びフルスロットルで移動した。今度はまだどのボートも入ってない上流に行く事になったが、運悪く途中で風と波が出てしまった。帰ることを考え上流は止めまだゲーリーさん自身も入ってないワンドをチェックし始めた。ここで驚いたのが、ワンドに入るなりゲーリーさんがバスの気配がすると言ったことだ。良くアメリカのプロは水を見るとバスが居るエリアかどうか分かると言うが、正にそれだった。そしてその直後からサイズは小さいながらも二人で入れ食いとなった。そんな中でゲーリーさんは「バスはいっぱい釣れた方が面白い」といっており、本当にゲーリーさんはバスフィッシングが好きなんだとおもった。ゲーリーさんにグラブの使い方をはじめいろいろな事を教わり、目立った大型が出ないまま午前の釣りが終わった。

午後は再びアルのガイトでの釣りとなった。午後に同船者のMさんがゲーリーさんと乗ることになっていたので、午後はバスメイトのスタッフの佐野さんと一緒となった。ここで分かったことだが、ガイドのアルはクランクベイトが好きらしく、やたらと薦めてくる。昨日は断ったが、9ポンドを昨日取っているので少し余裕が有り指示に従ってクランクベイト.メガバスのDEEP−X200をキャストした。これが、実に良く釣れほぼ入れ食い状態となり、そんな中で型の良いバスがヒットした。慎重にファイトするも、あまりのパワーにフックが付いていけずフックを延ばされてバラしてしまった。このバラシでトリプルフックの付いたルアーでは10ポンドオーバーは取れないと確信し、再びワームへと切り替えた。バスがシャローに上がってる2時となり、シャローを攻める為ゲーリーのセンコーをキャストした。その最初の一投目でラインが走り本日の最大の7ポンドオーバーをキャッチした。その後は再びグラブをキャストした。ちょっと遊びで夕べ作った10インチのフラグラブをキャストすると、再び7ポンドが釣れすぐに6ポンドも釣れた。目立った大物はこの2本で、夕方のフィーディングタイムはトップウォーターポイントへガイドが案内してくれた。ここがまた凄く二人で入れ食いで、佐野さんはポッパーで入れ食い、私は練習もかねてセンコーを使ったがこれも入れ食いでワンキャストワンヒットで釣れてくる。とっても楽しい時間を過ごし、2日目が終わった。

 

3日目の午前、再びMさんとの釣りとなった。Mさんは先日9ポンドを釣ったTDミノーのトゥウィッチングで釣っている。私は今日こそ大物と思い、昨年大型しか釣れなかったスピナーベイト・バレーヒルのBカスタムのスローローリングをひたすらキャストした。同船者が快調にアベレージサイズを釣っていく中、私は大型だけを狙いひたすらスピナベをキャストし続ける。そして日が完全に昇った頃、待望のファーストバイトが来た。昨年の結果から、来れば7ポンドオーバーだと分かっていたので渾身の力でフッキング、その瞬間でかいと確信した。慎重にやり取りしネットに収まったのは8ポンドジャストのバス。これで今日もノートに記帳出きると一安心し、震える手で再びキャストを繰り返した。次にバイトがあったのは昼前頃だった。今度はさっきのバイトとは違い、1オンスのスピナーベイトがフォール中に横に走った。力をため渾身の力でフッキングすると、今度は痛恨のフッキングミス。悔やんでも悔やみきれない。なにしろ朝からスピナベをキャストしてバイトはこれで2度目だった。悔しさで震える手でピックアップするとスピナベのブレード側のアームが無い。どうやらバスが丸飲みして、上半分を持っていったようだ。これを見てスピナベでも10ポンドは取れないと思い、午後は5/0の太軸のフックでの8インチグラブしかないと決心した。この時のスピナベの半分は私の宝物になりました。結局午前中は私の8ポンドだけがめぼしく、あとはアベレージサイズだけでおわりました。

そして問題の午後、午前中にグラブと決めて、しかもデストロイヤーで釣りたいと思っていたのでF61本に絞りこのロッドでひたすらグラブをキャストした。午後は他のボートの上流がいいと言う情報からしばらく昨日まで釣れたポイントを釣った後、上流の大きなワンドに入った。そのワンドの入り口に一番近い右側のワンドからキャストを開始した。たいしてバイトも無いままワンドの奥までキャストし終え、ガイドが出るのを待っていたが、同船者がまだキャストしていたので振り返って反対側の岸に静かにピッチングした。その直後に小さなバイトがあり、ラインが沖へ走った。鋭くフッキングをすると、なにか訳の分からない重量感は有るが、ファイトが全然ない。しかしガイドはでかいと直感したらしく、ネットを持って日本語で「あみ」と聞いてきた。引きが大したこと無かったのでNoと断った瞬間、バスが底に向かって一機に走り出した。いままで感じたことの無い引きで、めいいっぱい締めたカルカッタからラインが出された。その突っ込みを耐えると、今度は水面めがけて上昇し、もの凄い巨体が目の前でジャンブした。そのでかさで足が震えたが、必死にやり取りし再びバスが水面に出てきた所でネットに収まった。その瞬間私は腰くだけになった。

バスを船上に上げた時にその巨大さに再び驚いた。スケールをあてると62センチ、胴回りは58センチもあった。そして問題のウエイトを祈りながら計ると、デジタルの数字は13.8を記した。ついに念願の10ポンドオーバー、しかも13ポンドオーバーだ。私の足はもう立てない位震え、頭は真白、そして熱い物がほおをつたった。長かった、とても長かった。考えてみれば2年前のフロリダから始まり昨年の同湖、そして今年と3年の長きに渡る3度目の海外遠征の末、ようやく手にした10ポンドオーバー、やっと夢を叶えることが出来た。

 

 この後はどう釣ったか覚えていない。この1匹がこの旅の全てだった。そして10ポンドを釣るまでは飲まないと昨年誓ったマルガリータで夜、祝杯を挙げた。こうして夢を叶えた今回の旅は終った。返りの飛行機の中で湖にありがとうとお礼を言うと何故か湖が笑ってくれた様に見えた。そして再び長い旅の末、愛する人の待つ日本に返って来た。

THANKS MEXCO
やっと夢が叶ったから
THANKS LAKE BACCARAC
長い旅を終りにしよう
THANKS BLACKBASS
夢をありがとう

bass.gif (3121 バイト)メキシコ写真館2 Get The 13.8lb



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