〜ゴースト〜
亡霊の如く災厄の街に潜むブラックオプ・チーム。
ニューロエイジの街に流れる真偽不明の都市伝説は枚挙にいとまがない。大都会の影で姿を見せず、静かに獲物を殺めていく亡霊がいるという噂もその一つだった。
だが、噂の真相を知った人間たちは驚いた。亡霊は星幽界から抜け出した死者の怨念でもマヤカシの連れた秘幽体でもアヤカシでもなく、企業のヤミ仕事チームの名だったのだ。
メガコーポの例に漏れず、イワサキ・グループも数多くの裏のビジネスを抱えている。G.H.O.S.T.部隊もそうした汚れ仕事を請け負う実行部隊のひとつである。
暗殺、機密奪取、証拠隠滅など、隠密行動が必要とされる任務をすみやかにこなし、作戦はあくまで密やかに行われる。武装は様々だが単分子鞭や高分子ナイフ、レーザーブレードなどの技術の粋を尽くした接近戦用武器を好む傾向にあり、総合軍事メーカーであるイワサキの新型武器の実地試験を兼ねることもあるという。完璧な隠密行動の為に熱光学迷彩が使用されることも多いということだ。
正式所属は不明、軌道本社か麾下の岩崎製薬なのか、どの勢力の指揮下にあるのかも分からない。存在自体が秘匿されているはずだが、こうして既に情報が漏れているのもイワサキ側の作戦なのかもしれない――同社が千早グループに比べ、自らの評判が悪いのを逆に利用しているのと同じように。
非合法要員の集められる専門の部署の人間で全てが構成されているのか、それとも社内の各方面から集められているのかも分からないが、人員は軍事訓練を受けた者や隠密行動に長けた者で構成されている。どうやら、名前だけのダミー部署に所属していることが多いようだ。
隊員の中には、恐怖に引き攣る犠牲者の表情やサイバーウェポンが目標の体を貫く感覚に、仕事以上の快感を覚えている異常な神経の持ち主もいるということだ――隠密部隊のはずだが、目標の前でわざわざ姿を現わしてから処理に取り掛かる者もいるという。
噂によれば、かの部隊は第一次ミトラス戦争でイワサキ製兵器の実地テストを行い、未発展諸国に流していたとも言う。これも、情報撹乱だろうか? それとも、かの部隊は新たな指揮官の元で、メガ・プレックスに蠢く影のひとつとして生まれ変わったのだろうか?
ある作戦でとあるメガプレックスに派遣されたチームが全滅し、イワサキ・グループ人事部の迅速な援助の元で同部隊には人員補充が行われた。しかしその後は目立った動きが見られていない。
人知れず闇の中に消え去っていったのだろうか、それとも、新たな会長の下、ヨコハマLU$Tで戦力再編を計っている同グループの見えざる尖兵として、秘せられた陰謀を実行すべく暗躍しているのだろうか?
第二総務部社内システム調整課 事業推進部臨時プロジェクト対応班 関係会社部資源活用1課主任 関係会社部資源活用1課 N◎VA支社営業部販売促進部門(推定) ※G.H.O.S.T.一般隊員 |
RI-Foundation > Delirium(NOVA) > Luna+shinE > G.H.O.S.T. |