N◎VAシナリオ『13mmの死神 -revival-』 / トレーラー＆ハンドアウト for サバト

N◎VA-Dシナリオ『13mmの死神 -revival-』
2007.12.23　第14回大宇宙オフ＋チハヤOFF＝クリスマスサバイバルナイト（サバト）
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DEATH 13 -revival- / 13mmの死神 -revival-

　大歓声の中で、彼女は自らのステージに別れを告げた。

「私にとっても大切な曲、『CD・ラブ』。最後にもう一度、皆さんのために歌います！」

「あやちゃーん、やめないで～！」

「レンズッ！　お前を殺すために、俺はここまで生き長らえてきた！」

「太陽系の未熟な科学力では、反物質はまだ早すぎたのだ……」

　……あれから幾年。『13mmの死神』事件は忘れ去られ、年末のN◎VAはリバイバルコンサートに湧いていた。
　超新星のごとく儚いスーパーアイドルから、煌く銀幕の星へ。その歌声は今も変わらない。
　だが、悪徳の都に堕ちた一筋の光が、死神の再来を予言する。

「彼女の声のスピリチュアルなパワーはむしろ強まっている。今回のテクノリミックスは、よくマッチすると思うよ」

「彼女の演技はエクセレントです。ワタシたちの映画に、ゴキタイ、クダサーイ」

「あやちゅあ～ん！　カムバァーック！」

「記念すべきこの日に、あの歌をもう一度歌います。
　聴いてください。『CD・ラブ Remix』――」

トーキョーN◎VA The Detonation
『13mmの死神 -revival-』

「人類にはまだ、早すぎたのだ」

◆PC1：タタラ　宇宙人からの依頼

“至砲の聖女”リシュア・クリスティ　Player: 月葵さん

シナリオコネ：“レティクル座人”ゾヲン
キャスト間コネ：PC2 銀腕の加護のマリィ
　真教スラム教会の帰りに久々に寄った“ヤロール”の中は、レーザーの光とXYZの微かな香りに満ちていた。そして仲介人のマイケル・グローリーは今夜はいまいちイケてない様子で頭を抱えていた。
　月の裏側から衛星回線を通して大宇宙の力を力説する依頼人は、太陽系監視局局長を自称するあの男だった。地球人類の科学力でも聖母殿の技術力でもまだ早い、反物質テクノロジーを用いた極めて強力な対物ライフル用の弾丸が、あろうことか手違いで地上に渡ってしまったというのだ。
　強力なエネルギー波を発する反物質は誰に嗅ぎ付けられるか分からない。軌道コロニーX-55で監視の下、苦労して方程式から再び作り上げた反物質は、使い方によっては核兵器以上の破壊力を持つという。
　アトリエに並ぶ子供たちの横に反物質ライフルが並んだら、どんなに美しいだろうか――とあなたがこっそり想いを馳せていると、仲介人のマイケルはずっと顔をしかめていた。数年前にも一度、同じようなことがあったそうなのだ。
　13mmの死神を求める為に、あなたは仕事を受けた。救世母よ、至砲の聖女の行く道に加護あらんことを。宇宙人の横では、リトルグレイが両手を合わせて懸命にお願いをしている。

◆PC2：カブト

“銀腕（アガートラム）の加護”マリアンヌ=ダランベール　Player: ＠闘吏さん

シナリオコネ：結城あや
キャスト間コネ：PC3 ファーザー・リチャード
　麗しきブルターニュを離れ、銀の腕のヌァザの加護を受け、あなたが災厄の都で戦うようになってしばし。サングラスを取ったその依頼人の素顔は、意外なものだった。今やヌーヴでも有名になり、動画でもよく見かける本物の結城あや。ステージの上ともスクリーンの中とも違う、仮面を被っていない本物の彼女だったのだ。
　北米での映画撮影から帰って来たという彼女は、言い難そうに語った。事情がありほとんど会っていなかった異母兄の一浩。もう何年も前に過ぎ去った13mmの死神事件で命を落としたはずの兄の亡霊の姿を、白昼の街中で見たのだという。年を取っていない、当時と同じ姿の兄。密かに墓に埋葬したはずの兄。
　だが、自分はもう銀幕の星になってしまった。近付くリバイバルコンサートに期待を高めるファンの前に、こんな顔を見せる訳にはいかないのだと。
　そう語る素顔の彼女に、あなたは力を貸すことにした。今こそ剣を捧げよう。神剣の加護の元、銀の光で闇を照らそう。見えざる死神の姿を確かめるために。

◆PC3：自由　真教教会関係者、アストラル能力者

“炎と鉛弾の聖職者（メタルフレイムファーザー）”リチャード・トンプソン　Player: m&mさん

シナリオコネ：“黒い手の”ガーンズバック
キャスト間コネ：PC4 Xちゃんねる
　東京新星市の破壊を企む恐るべき浄化派の能天使は多くが根絶され、生き残りは地下に潜った。救聖母の加護ありて世界は概ね平穏を保っている……はずだった。
　死した神父の教会を受け継ぎ、クリスマスを控え孤児たちへのプレゼントの金の工面に悩んでいたあなたは、意外な人物の呼び出しを受けた。あなたと同じ、教会の闇に属する司祭に。
　退魔局13課のジョルジョ・ロッソ司祭は語った。死んだはずの能天使の活動が確認されたという。しかも浄化派が活動を開始した最初期の頃の危険なセクトリーダー、その黒い手で炎の浄化を撒き散らしてきたガーンズバックが。
　そして、夜の中で対峙した時、炎をまとった死せる天使はあなたに告げた。導師アムールの導きの元に埋葬の日は近づいているのだと。だが、黒の導師はずいぶん前に死んでいるはずだ。
　あなたは動甲冑を起動した。過去からの死神を焼き尽くすために。さあ、お祈りの時間だ。

◆PC4：トーキー or イヌ

-混沌掲示板-Χ.ch　Player: LEDmanさん

シナリオコネ：アルファ=オメガ
キャスト間コネ：PC1 シスター・リシュア
　超AIの片割れとして生を受け、永遠のベータ版として進化を続けるあなたの掲示板群には強力な動画投稿機能が加わっていた。ユーザーが好きな動画のうｐを続け、神動画やMAD、職人で賑わうXちゃんねるは人間と電子生命体たちに楽しい動画ライフを提供している。
　最近の流行りはやはり結城あやだった。北米での撮影を終え、いよいよ発進する新作映画のトレーラー。迫った木更津メガステージでのリバイバルコンサート。彼女がアイドルとしてデビューした頃の貴重な映像も、あなたのアーカイブには残っている。
「昔の動画は、どのタグで探せばいいの？アルファ、歌が上手くなりたいの」
　いつかのようにやってきたのは、全てのAIが聖母の娘と敬う少女だった。どうやら彼女は結城あやに感化され、電子の歌姫を目指すことにしたようだ。
　現実世界の大衆は忘れ去っているが、数年前の結城あやファイナルコンサートでは司政官らしき人物の暗殺未遂事件、『13mmの死神』事件が起こっている。今回もまったく同じ会場と状況でコンサートが開かれる。何か起こるのではという噂は、X.chのあちこちの板で密かに囁かれていた。
　心配そうな聖母の娘の横で、新たな動画がまたうｐされた。もうすぐ公開の映画のトレーラーだ。結城あや扮する記者の横で、新型ウォーカーが変形しながら発進してゆく。スクリーンの中の死神は悪のエイリアンだった。

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