Here Komez

T.N.Revolution!

世界を‥‥革命する力を!
(↑かなり間違っている)

1998年7月末、アスキーよりかねてから噂のトーキョーN◎VA3版が発売されました。その名も“The Revolution”! ここでは、ちょっと紹介をしていこうと思います。

The World goez on...
背景世界

 時はカムイST☆Rから5年後。白き狼によるテロをきっかけに日本軍がN◎VAに進駐し、司政官がこの街を支配する時代。
 千早重工の新社長にはあのめるめるが就任し、音羽組も今や経済ヤクザ。時が止まっていたかの如きだったニューロエイジの情勢が一挙に急変しています。(この辺は、ちょっと違和感を覚える方もいるでしょう。)
 DAKやアーコロジー関連の説明ページがなくなったのは痛いかもしれませんが、背景世界の説明は非常に充実しました。LogicSYSTEMの手によるロゴも映える各企業・団体データには詳しい解説や有名人物が揃い、プレイの参考になることでしょう。(シルバー・レスキューなんて今まで何の情報もなかったもんなぁ(笑))。
 有名ゲスト陣も5年が経ち、かなり変わっています。めるめるを始めあの“銀の守護者”ブロッカーや“夢見る翼”カッコウも新会社を設立しました。(しかしカッコウの『フェニックス・ソフトウェア』ってやっぱりス○ク・ゲームズのパロディなんかいな‥‥PCカードの売り上げとかで儲かってそうですね(爆)。)
 弾王は赤の“弟子”から“臥龍”に出世。レンズは人が変わったように新生ブラックハウンドの隊長。そしてオメガの親父さんはAIに大出世?(爆笑)
 相変わらずF.E.A.R.内輪キャストネタ爆裂という感じもするのですが、昔からN◎VAをやってきた人たちにはかなり新鮮に映るでしょう。
 ちなみにイラストは『深淵』でもお馴染みの田口順子さんでとてもきれいです。シンマイだったりうじくんも“正義官”と呼ばれるいいオトコ(笑)になってしまいました。
 また、全て読めば分かるのですが、今やマリオネットから独立した粕川うらら率いる市民団体V.F.E.も、メディアで言われている善意の団体という訳ではない、実はもう音羽の姉さんは死んでいて(いやホントは生きてますが)影武者が日本の手先になっている、など、ルールブックのあちこちで明らかに矛盾している事項が述べられています。このニューロエイジにおいては、確かなことなど一つもないということでしょうか。

Game Systemz
システム

 クルード&テクニカルが一体となり、今までのN◎VAシステムを継承しつつも、かなり変わりました。制御値は技能判定の目標値となり、同一技能の複数修得は廃止されました。(ただ、判定が「有利」の時などに達成値が上がるため、技能レベルを5以上に上げる価値はあります)
 戦闘のカット進行も大幅に改善されました。2版のあの極めてわかりにくい(というか全然分からない(笑))アクション/リアクションがらみはなくなり、各自の1カットでの行動は予め出した手札から行うことになります。一部の特殊技能でのみ可能な「攻撃を避けつつ攻撃」などもはっきり定義されました。この辺はかなりよくなりましたね。
 またアクトの中に「オープニングフェイズ」や「リサーチフェイズ」などが導入され、登場判定という概念が導入されました。やや面倒くさいかもしれませんが、パーティの概念がなくキャストがいつもバラバラになるN◎VAアクトに悩むルーラーには助けになることでしょう。

 N◎VAファンの皆さんが一番驚きを感じているのは恐らく特殊技能の変更でしょう‥‥この辺には、賛否両論いろいろあります。
特技と組み合わせるべき一般技能、目標値などがはっきり定義され、また「達成値に+」など具体的に数値的に意味がある特技が増えたため、イメージや個性化は図りやすくなっています。
 ただし、なくなった特技や効果が大幅に変わってしまった特技がけっこうあるため、2ndのキャストをコンバートする時には(場合によっては)ちょっと困ることになるかもしれません。
 また、1stにはあったもののその後なくなってしまったチェイスのルールも復活し、カゼの特技もそれに即したものになりました。

 また、巻末にはサイバーパンクに欠かせないガジェット類も更に充実し、今回は2.0.2.0.並みにフルボディ・リプレイスメント(肉体の完全サイバー化)も加わりました。
「マヤカシの存在は確認されていないはずなのにパケモンとはなんぞや」といった意見もごもっともですが、ここは相変わらず遊び心満載のアイテムを楽しむべきではないでしょうか。

Major Problermz
問題点

 熱心なファンたちの間で論じられている問題点を幾つか‥‥
 まず、背景世界の大幅な変更に違和感を覚える人もいることと思います(特に昔からのファンに)。日本軍が進駐し、市民ランクが導入されて税金も納める必要がでてきた今のN◎VAは、今までの楽園都市で踊ってきたキャストたちには少々息苦しいかもしれません。そして、和泉大佐率いるN◎VA治安維持軍は敵に回すにはあまりに強大です。
 また、細かい点を上げればきりがないのですが、特殊技能の変更によって、ずいぶんと弱くなってしまった/今までのイメージと変わってしまったキャストも多いことと思います。柔軟な組み合わせ判定もできなくなってしまいましたしね。ウェブやアストラル関係のルールがずいぶんと簡略されたことも起因し、特にニューロやマヤカシなどに多いようです。
 ニューロデッキはK◎UJI画伯の書き下ろしがついてさらに綺麗になりました。が、一回り大きくなったため、MTG用のシールドには入らなくなってしまいましたね(笑)。
 また2ndの時は充実していた袋とじの付録がなくなっています。チャート類のコピーがかなりしにくいですね。新版プロファイルシートはデザインはよくなったのですがB5の1ページに押し込んだため、かなり書き込みにくくなっています。(というか1キャストの情報量を考えると全然足りません。)

Afterwordz
最後に

 発売以降、あちこちで熱心なファンから「Rになってこれができなくなった」という類の議論が巻き起こっています。とはいえ、2ndやM○●N、ST☆Rが出た時も同じような議論はありました。“革命”が起これば世も変わりましょう。「何ができなくなったか」も大事ですが、「何ができるようになったか」はさらに大事ではないでしょうか。
 筆者としては、かつては絶版で伝説となっていたゲームが今なお新しく生まれ変わり、多くの人に迎えられていることを嬉しく思います。

 そして、“R”には重要な特徴があります。
  GFコンで行われたアクトから生まれた司政官暗殺未遂事件。司政官暗殺に失敗したイコトム(あれ、でもこの前会ったぞ(笑))やアジームを始め、ナイト・ワーデンの“女侯爵”ラウドミアやV.F.E.の久遠寺光流など、ルールブックのあちこちに登場するファンサイドのキャスト(もっとたくさんいるそうです。誰か僕に教えてください(笑))。各企業や団体の解説を美しく飾るのは、LogicSYSTEMの同人誌から生まれたロゴの数々。
 “R”にはファンサイドの設定が多く取り入れられ、ユーザー側と共にこれからのN◎VAを創っていく姿勢が現れているのです。
 そしてもうひとつ‥‥今年になって、インターネット上でのTRPGの、そしてN◎VAの盛り上がりはより一層熱くなっています。自分もその一翼を担っているのは、WebMasterとしてもTRPGファンとしても嬉しい限りです。

 かつては絶版となり伝説と化していた世界最初のタロットを使ったRPG。月の妖しく照る西へ、星々の宿る北へ。そして、三度の転生を経て、今また我々が思いを馳せた超新星の街は、“革命”の声高らかに蘇りました。
  そして、運命の天輪を回すのは‥‥我々自身なのです!


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