TRPG Baton!

〜 TRPG バトン 〜

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 Musical Baton や ビデオゲームBaton 、コミックBaton などと並んでTRPG系サイトに急激に広がって消えていったTRPG Baton。僕の所にも西方のさる皇子や細胞レベルのオリジンの御方などなどから回ってきたので、今までのTRPG歴を振り返りつつ答えてみることにいたしまする。
 

■所有しているTRPGの数
Total Number of Table-top Role Playing Games that I own
Total Number: だいたい 120 ぐらい?

 改めて確認するのが面倒なのでTRPG.NET様のルール別情報倉庫の一覧から抽出させてもらいました。(おい) 現物を確認していないので記憶違い、正式名称の間違いなどがあるかと思いまする。

国産RPG:
「アリアンロッド」「アルシャード」「アルシャードff」「RPG福袋」「アルビオン」(RPG幻想事典とゆー本の付録)「アニムンサクシス」「異能使い」「ウィザードリィRPG」「アドバンスド・ウィザードリィRPG」(だっけ?)「Aの魔法陣」「エルジェネシス」「エンゼルギア」「央華封神」
「ガープス・ドラゴンマーク」「ガープス・妖魔夜行」「ガープス・百鬼夜翔」「ガープス・ルナル」「(ほかガープス各種)」「カイゼル・レギオン」「学園ぱらだいす」「ガンドッグ」「ギア・アンティーク」「クリスタニアRPG」「ゲヘナ」「幻奏戦記Ru/Li/Lu/Ra」「ゴーストハンターRPG」「ゴーストハンターRPG02」
「サヴェッジ・サイエンス」「聖珠伝説パールシード」「上海退魔行」「深淵」「新星界スター=ロード」「真・女神転生TRPG」(アスキーのやつと最近のと2つ?)「スターレジェンド」「スペオペヒーローズ」「ゼノスケープ」「セブン=フォートレス」(版は全部じゃないけど大体)「ソード・ワールドRPG」「ソード・ワールドRPG完全版」「ソード・ワールド・カードRPG」
「ダブルクロス」「ダブルクロス2nd Edition」「TRPG大饗宴」「墜落世界」「テラ・ザ・ガンスリンガー」「天羅万象」「天羅万象・零」「トーキョーN◎VA」(ツクダ版)「トーキョーN◎VA The 2nd Edition」「トーキョーN◎VA The Revolution」「「トーキョーN◎VA The Detonation」「特命転攻生」「ドラゴンアームズ」「トレイダーズ!」
「ナイト・ウィザード」「ニルヴァーナ」「熱血専用!」
「バトルテック」「パラダイス・フリートRPG」「パワープレイ」(ホビージャパン版とFEAR版でもうひとつ)」「番長学園!!」「BEAST BIND 魔獣の絆」「BEAST BIND NEW TESTAMENT」「秘神大作戦」「ファー・ローズ・トゥ・ロード」「ブルーフォレスト物語」(と各シリーズ。コピーかも。)「ブルーローズ」「ブレイド・オブ・アルカナ」「ブレイド・オブ・アルカナ 2nd Edition」「ベルファール魔法学園」
「無限のファンタジア」「迷宮キングダム」「メタルヘッド」「メタルヘッド・マキシマム」「モンスターメーカーRPG ホリィアックス」「モンスターメーカーリザレクションRPG」
「レジェンド・オブ・フェアリーアース」「ローズ・トゥ・ロード」(今の復活版)「ロードス島戦記コンパニオン」
「(ほか、書籍付録のRPGなどいろいろ)

翻訳ルール:
「アースドーン」「アドヴァンスド・ファイティング・ファンタジー」「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」「ウォーハンマーRPG」「アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ」「エルリック!」
「クトゥルフの呼び声」(ケイオシアム版のボックスセット)
「サイバーパンク2.0.2.0.」「シャドウラン」「ストームブリンガー」
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(新和版、メディアワークス版、今の3e)「トーグ」「トラベラー」(今の復活版)「トンネルズ&トロールズ」
「メックウォーリアーRPG」
「ハイパー・トンネルズ&トロールズ」「ファイティング・ファンタジー」「メイジ:ジ・アセンション」
「指輪物語RPG」(コピーだったかも)「ルーンクエスト」(コピー?)
「ワーウルフ:ジ・アポカリプス」

洋物ゲーム:
AEON, Conspiracy X, Shadourun 3rd Edition, Mage: the Ascention 2nd Edition/Revised, Vampire: the Masquerade 2nd Edition/Revised, Vampire: the Requiem, Werewolf: the Apocalypse 2nd Edition/Revised, + other WoD series


 たぶんまだ抜けがありそうですが、100ちょっととなりました。こっちはぶっちゃけTRPG歴約20年に届く蝶☆ロートルです。数が多くなるのは自然でしょうか。
 いちおうTRPG系ウェブサイトを運営し、オピニオンその他もろもろを発信している手前、たとえプレイはしなくても新作システム、サプリメント、雑誌や関連書籍には常に一通り目を通しているのですが。そのせいもあって増えてしまいました。
しかし改めて見ると。ここ数年買ったけどやってないゲームが多いなぁ‥‥ (゚ー゚)

TRPG Baton

■最近お気に入りのTRPG
Favorite TRPG titles of recent
Title: トーキョーN◎VAシリーズ

 当サイトのコンテンツ、プレイレポートやリプレイのメインの題材となっている手前、N◎VAの名を挙げないわけには参りませぬ。地軸の傾いたもうひとつの未来、光と影の躍る超新星の街に想いを馳せ、幾人もの人物に命を吹き込み、物語の幕を開けたことはもう幾たびになるのか。
 ただ、純粋にN◎VAが好きな人には申し訳ないんですが、僕がN◎VAをプレイする理由には楽しいからという他にもウェブサイト運営者としての商業的立場上的なものもあります。
 初めてのネットやパソコンやHTML及びWeb技術と格闘しながら財団が1998年にオープンした当時は、幾つかのTRPGシステムのリプレイをメインコンテンツとしていました。予想外に多数の反応を頂き、とても嬉しかったのですが‥‥ゲームタイトルが複数あるにも関わらず、N◎VAのお客さんが圧倒的に一番多かったのです。(当時ネット環境にあった人にも、「一緒に遊ぶ人がいなかったりやる機会が少なかったりするけど、実は密かにお気に入りのシステムなんです」という人が多かったような印象があります。) もしもあの時例えばソードワールドのお客さんが一番多かったら、僕はその後SWに集中していたでしょう。
 その後、限られた時間的リソースを特定システムに集中せざるを得ないこと、知り合いが一番多いことからも、N◎VAがコンテンツのメインとなるのでした。このへん、他のシステム(特にシャドウラン)が好きな方には申し訳なくも思っています。

 リプレイ『カウンターグロウ』の後書きで稲葉氏がオフィシャルサイドながら 2nd の難解で荒削りなルールを理解していなかったことを独白していますが、実はあれを読んで僕も安心しました。僕も似たようなもので、2nd のルールはアクション/リアクションの関係回りが当時も今でもよく理解しきれていません。ツクダ版の 1st を初めて遊んだときも、「変わってて面白そうだけど、ほんとにちゃんと遊べるのかなぁ。ルーラーはやれそうにないなぁ」と、否定派というか懐疑派だったことを覚えています。
 時は流れ、そんな僕が第4版の今になっても遊び続けているし、1st の時に頭を捻りながら作った最初のカブトのキャストは今でもMyキャストの代表なのですから、運命とは不思議なものです。

 お気に入りの理由を改めて挙げるのも今更なのですが。FEARゲーに多いシーン制をいち早く備え、神業などのブレークスルーにより映画的でドラマチックな演出がしやすいこと。ガジェットや相当品、特技ルールで自分の好む雰囲気や世界法則、人物などが再現しやすいこと。背景世界にも空きが多く、自分好みに味付けができること。などなどなど。
 あとはゲームそのものからは離れますが‥‥N◎VAを通じて出会った人々に、影響を受けた人、面白い人、貴重な人、などなど出会いが多かったからという理由があります。
 今までの交流や観察を振り返ってみると、他のシステムで見知った人に比べてN◎VAを遊ぶ人にはお洒落な人、センスのある人が多い気がしています。お洒落というのは意味がいろいろあって、実際にその人がお洒落、服装がお洒落、趣味がお洒落、使っているキャストやゲスト、シナリオがお洒落、同人誌やウェブサイトなど創作活動でクリエイトしたものがお洒落‥‥などなどの包括的な意味です。N◎VAシリーズが目指しているものと通じていますし、これはこれでよいことではないでしょうか。

TRPG Baton

■思い入れのあるTRPG5タイトル
5 TRPG titles that The I have contemplation much

 真面目に考えていくと沢山出てきそうな上に、昔話が山ほど出てきそうですが。列挙してみました。

Title: ダンジョンズ&ドラゴンズ (昔の新和版)

 ロードス世代やソードワールド世代のさらに前としては、全てのオリジンであるD&Dの名を挙げぬわけにはいきませぬ。もう擦り切れた赤箱青箱に、プレイしなかったけど緑と黒まで揃えたものでした。10フィートの棒と一緒に地下迷宮を何度巡ったことでしょうか。どちらかいうと実際のプレイ回数より、手探りと試行錯誤の中でルールブックを読んだり悩んだり考えをめぐらした回数の方が多かった気がします。
 Larry Elmore の描く恐ろしげな竜のイラストに子供心に興奮したり。女性のクレリックのイラストに格好いいなあと思ったり。 Sword を「ソード」と読むのか「スォード」と読むのか論争になったり英語の辞書を調べたり。ヒットポイントの 1d4 で 1 が出たらどうするんだろうと真剣に悩んだり。付属シナリオで古城の入り口に潜んでいる1ラウンドに8回麻痺攻撃してくるサムシングに、パーティが全員麻痺したらDMはどうすればいいんだろうと真剣に悩んだり。友人を相手にセッションをしたらDMが全然予想しないところでPLが勘ぐりだしたり、今から考えたら稚拙極まりないセッションですが、ワイワイ言い合いながらなんだかんだ言って楽しかった気がします。
 その頃、少年の常としてパソコンが欲しかったのでオトナ向けのパソコン雑誌を立ち読みしていたら。折りしも、その後名を馳せることになる、かの『ロードス島戦記』の初代の紙上連載が始まった頃でした。出渕裕イラストの扉絵やパーンたちの活躍をまだ覚えています。
 当時のプレイメンバーには影響をモロに受けてロードスのキャラの真似をしたがる人はよくいましたね。僕はそうでもなかったので、人真似を好まなかったのはあの頃から同じなんだなあと思います。

 そして時は過ぎ、角川分裂騒動の後に電撃から文庫版で一時期復活という暴挙いや勇断もありましたがその後。生まれ変わった現在の DD3e や 3.5e は豪華なハードカバー装丁で手に入るようになりました。謎の存在でしかなかった AD&D もひとつになり、ミスタラ世界もグレイホークも、小説で馴染み深かったフォーゴトン・レルムも、それどころかゲームブックのシナリオも一緒に遊べるようになりました。
 最近の『RPGamer』誌の特集やネット上のリソースでも、D&D の情報は数多く見ることができます。思い入れのあるシステムだけにもちろん興味はあるのですが、今は時間的リソースの制限から手を出さずにいます。それに‥‥今の自分は流石にFEARゲーに染まってしまっていますしね。
 とはいえ、今まで読んだTRPG小説の中で一番感動した作品を挙げろと言われたら、僕は今でも『ドラゴンランス』や『アイスウィンド・サーガ』の名が真っ先に浮かぶのです。
 

Title: ソード・ワールドRPG

 こちらも昔話ですが、遊んだセッション回数でいうと恐らくトップな気がするのでSWを。完全版が出て、へっぽこーずや新シリーズのぺらぺらーずのリプレイで話題になっている最近ではなく、富士見ドラゴンブックから出た最初の版の方です。
 折りしもゲームブックのブームの後に D&D など当時のシステムが徐々に脚光を浴び、コンピューターゲームでもRPGがヒットし、日本のTRPG界がD&Dより子供にも優しい値段で遊びやすい新たなスタンダードを求めていた時代でした。某ドラゴンマガジンの表紙が現在のようなラノベチックなイラストでなくアイドルだった最初の頃ですが、清松みゆき氏の記事を見ながら発売を心待ちにしていた記憶があります。

 公式シナリオ集からオリジナルまで回数的にもかなり遊びました。キャンペーン毎にパーティを組んだので、富士見のリプレイ集の如く初代パーティ、2代目、3代目‥‥とキャラの数も増え、自分が各代パーティで使用したPCを集めるとそれだけでパーティが組めるほどに。ジツは、当サイトのソードワールドセクションにある小説は、自分のPCだけでパーティを組んだもうひとつの冒険があったら‥‥というアイデアから作ったものです。(恥ずっ)

 また、創作活動のきっかけという点でもソード・ワールドは思い出のある作品となっています。あれは高校3年の頃。推薦で大学進学が取れて進路が早めに決まった僕は遊びたい面子と一緒にキャンペーンのGMをやっていたのですが。(確か、きっかけは文庫版公式シナリオ集の『虹の水晶宮』だったような気がする)
 セッションを録音したカセットテープ(当時はMDは高価、メモリオーディオは存在しないですYO!)から、リプレイ小説のようなものを書くと、当時家にあって興味のあったワープロで形にして仲間内で回したりしていました。互いにPCの設定を考えて渡しあったりして。ワープロはその後かなり速くブラインドタッチで打てるようになって、資格も取ったりしましたね。
 後で思い返すと『コクーン・ワールド』のような形でした。今から思えば稚拙極まりないものですが、このリプレイ小説が仲間内ではけっこう好評で、その後の本格的な創作活動のきっかけとなるのでした。いやー若気の至りのハズカシイ思い出ですね。こんなことになるなら学校で国語と古典の勉強をもっと真面目にやっとくべきでした。はっはっは〜 (ノ∀`)
 

Title: シャドウラン (英語版2nd Edition、SNEの日本語版双方)

 かくしてTRPGの旅路に関してファンタジー畑から標準的な出発を果たした僕は、しばらくすると近未来ものやメカもののかっこよさに憧れてそちらにも手を出していました。メカメカしい士郎正宗ワールドの再現なら最適な『メタルヘッド』では確か運び屋のランドブラスターを遊んだし、名作『サイバーパンク2.0.2.0』は発表イベントの時からもう買ってエッジの効きまくったテキストに痺れていました。
 しかし、N◎VAシリーズの偉大な先輩とも言えるサイバーパンク物RPGの中でひとつというと、やはりシャドウランが上がるでしょうか。
 TRPG Baton の回答を見て回っていると、SNEの日本語版からしか知らないという人も多く、時代の変遷を感じます。
 僕は両方で、キャンペーンのGMをした際に参考にするために洋書のサプリもかなり揃えましたし、日本帝国を始めとするWeb上のリソースやSNEの悪口吐きまくりのネット上の意見も見、そしてもちろんフィジカル・アデプトの殺たんハァハァ(注:棒読みで)なSNE版のリプレイも全部読んでいました。その上で英語版日本語版どっちでもいいじゃん、自分たちのゲームを遊べばいいじゃないか‥‥と思っていました。(今でも、その姿勢で正しかったと思っています。)

 科学と魔法、ファンタジー世界の産物たちが混在し、そして不思議に説得力のある深い背景世界。名作『ニューロマンサー』や『ブレードランナー』に敬意を表した設定や、現実世界の対比構造のメタファーを上手く織り込んだ鏡像の第六世界。非登録市民のランナーたちを略すとSINless(罪なき個人)になるあのかっこよさ。読めば読むほど味が出てくる、混迷の未来世界の夜を駆け抜ける“シャドウラン”の意味‥‥
 ルールの方もかなり凝っていて、当時も全部は使わなかったのですが今から考えるとやはり重かったなあと思います。
 大学時代に苦労してやっと卒業見込みとなり、卒業研究をしていた頃。サークルでのTRPG活動の最後に何か記念をやろうとキャンペーンを張っていたのですが、その時に英語版のサプリもかなり揃えました。
 イラストはアメリカンでしたが格好いいバーンドアウト・メイジやエルフやトロールのサムライ。新日本帝国を本拠に北米を睥睨するおかしな名前の日本人たちが統べる大企業、CEOや大統領に立候補するグレート・ドラゴン。医学の知識のある人が書いたサイバーウェアのサプリ(おかげで英単語が辞書に載ってなかった)、サムライ・カタログを見ればアレス・プレデターの改良型に、現実同様優秀なH&Kの最新武器の数々‥‥
 日本語版など及びも付かない第六世界のさらなる広がりに、向こうのゲームはなんて奥が深いんだろう、凄いんだろう、そしてクレイジーなんだろうと感動を覚えました。
 当時は社会人になったらもうTRPGやれないんだろうなあと思いキャンペーン最終回にも気合いを入れながら、今でもこうしてTRPGを遊び続けているのだから笑ってしまいますが。そうして無事終了した最終回のセッションは、『While The Earth Sleeps 〜大地の眠る間に〜』として、当サイトのリプレイになって残っています。

 また、世界観の幅をファンがどれぐらい許容するかという点でも興味深いものでした。当サイトで初期に掲載したN◎VA 2ndのリプレイ『Revival Rozez 〜よみがえる薔薇〜』を「N◎VAと違う」と文句をつけてきたビジターさんは皆無だったのですが、シャドウラのリプレイに関しては英語版ユーザーのつもりでいるビジターさんが何人か文句をつけてきたのです。そのうちの何人かは本当に失礼で、本当にブチ殺したくなるようなレベルの人間でした。(←酷いことを敢えて書いてますが、全て本当です。今は改心してハンドルを変え、貴方がきっと知っているであろう名前もありますよ。)
 同じサイバーパンク物でもこんなに違うものなのか、と思ったものでした。
 

Title: ワールド・オブ・ダークネス シリーズ (2nd Edition & Revised、英語版/日本語版双方)

 学生時代の頃ですが、国産のTRPGはたいてい既に押さえていた僕は雑誌や噂で、ある洋ゲーの話を聞いていました。今、進んでるTRPGゲーマーが注目しているアメリカのTRPGがある。ビジュアルが凄く綺麗なストーリー指向のゲームで、暗黒の世界で吸血鬼を演じる変わったTRPGだ‥‥と。苔むす墓石に一輪の薔薇が添えられた美しいルールブックを手に取った時、噂が真実であることを知りました。

 ありがちですが、知って読んで、世界に浸り語り合い、実際のプレイ自体はそれほどは遊ばずに終わってしまっているのですが。上のシャドウランと並び、もっとも英語版サプリを揃えた洋ゲーでもあります。
 ものにもよるのですが、美しいビジュアルやレイアウト、雰囲気たっぷりの紙面から伝わってくる闇の深奥の香り。不死者の定めを背負いながら夜を生きるヴァンパイア、絶望的な戦いに身を投じるワーウルフ、世界の理を動かすメイジ‥‥数々の独創的な設定。そして、暗黒に支配されたもうひとつの世界、もうひとつの歴史に関する気の狂いそうに細かい設定。元から夜や闇やダークっぽい雰囲気が好きだったので、かなりお気に入りでした。今まで本格的に触れたTRPGの中では、設定の凄さではNo.1だったと思います。
 悪評通りアレだった翻訳元やWoDを通して会った人間に濃い人間もいましたが痛い人間もいたこと、そして何よりリソースの問題(洋書を買う金には別に困らないのですが、読み解く時間を国産TRPGに使えばその何倍もセッションできるのですから)から、実際のセッション回数はあまり至りませんでしたが。ゲーム内世界に想いを馳せたという点では思い入れのある作品です。また、登場する氏族や部族の独特のマークやフォントもかなり集めたのですが、今でもWebページデザインに時々使っています。(笑)

 時は流れ、日本ではあまり売れず某黄色い潜水艦で半額セールに並んでいたりしたこのシリーズですが。海の向こうでは審判の時の一連シリーズで暗黒の世界は終焉を迎えてしまいました。ゼロに戻って再出発した新シリーズ、『Vampire: the Requiem』は原書版も持っていますが、氏族もほとんど総入れ替え、設定もだいぶ変わっていますね。2005年の翻訳が待たれます。
 当サイトに載っているV:tMのオンセリプレイ『霧笛に煙る炎』は、シナリオ作成:小太刀右京 ST:同志Xノフ PL:緋&ぼく という今考えても濃い面子(笑)で行われていますが。そういえばこれに使ったシメオンはトレメール一族だったなぁ‥‥。V:tR だとトレメールは影も形もなくなってるし、う〜んもったいないからニューロエイジにでも移住させるか(おい)
 

Title: 深淵

 Revolution以前から遊んでいた古参のノバラーなら知っているログアウト誌も休刊、ホビージャパンのRPGマガジンも先行きが怪しくなってきたTRPG冬の時代。もしかしたら今世紀最後のファンタジーRPGになるのでは‥‥と悲壮な噂の中、前々から発売予告があり延びた後にようやく登場したのがこの『深淵』でした。
 デザインの朱鷺田裕介氏はRPGマガジン誌の記事や書籍で多数の執筆があり、地雷を踏んでいるゲームもあるものの個人的にはかなりリスペクトしているデザイナーでした。現在の僕がTRPGに関して所有している技術なり考え方にも、同氏の著作物に影響を受けているところも多くあります。(財団トップページのひよこくんの横に書いてある"粋な貴方を応援します”という冗談も、かつての名著『粋なゲーマー養成講座』から取っていますしね。)
 そんな氏の世界の集大成となるストーリー志向の幻想的なファンタジーRPGが出る‥‥と聞き、連載記事の『槍の白馬』も毎回読みながら待っていた記憶があります。
 今はもう見なくなってしまったボックスセット入りのルールブック。12とひとつの星座の支配する世界。三百余騎の魔族たちの哀しい歴史。運命カードに刻まれた謎めいた言葉。『エルリック!』のイラストレーターによる悪魔的なイラストや、ブレカナでもお馴染みの田口順子イラストによる美麗なテンプレート。そしてルールブックの行間から吹いてくる、世界の風‥‥。ファンタジーRPGというジャンルでここまでのものが出たか‥‥と感動しました。
仲間内のプレイグループで何回か遊んだり、コンベンションでGMをしたこともあります。確かにプレイが難しいのは真実なのですけれどね。(もしも他のシステムだけでなく深淵のGMも巧いという人がいたら、かなり腕の立つゲーマーと見ていいでしょう。)

 深淵で一番残念なのは世界設定に比べてルール部分が剥離していることです。寿命を削るのは特徴的ではありますが同一PCの継続プレイが不可能ですし、手札を使った魔法回りの判定も実際のセッションではあまりしませんし、他のシステムに比べてゲーム的な面白さがいまいち追えない部分があります。
 最初の頃は東京深淵CONなどにも遊びにいっていたのですが、その後、時代の変遷と共にだんだんと人気がなくなってしまいました。
 ただ、このゲームが目指していたものは後発のゲームにも受け継がれたのではとも思っています。というのはFEARゲーで育った世代の方ですと分からないかもしれませんが、かの『ブレイド・オブ・アルカナ』は1stから『深淵』を参考にしている部分があちこちあるからです。その上でブレカナには特技や奇跡などのゲーム的な面白さ、PCを成長させる楽しみ、オフィシャルキャラの人気、シナリオ類のサポート‥‥などなど、楽しめる要素が他にもあります。最近は元気がありませんが、その後遊ばれ続けていったのは当然でしょうか。

 『深淵 第二版』や残りのサプリメント類は前々から静かに話題に上っています。夢歩きの幻視の中ではなく、実際に生まれ変わって堂々復活した姿をいつか見てみたいものです。
 

Title: ファイティング・ファンタジー シリーズ(含むアドバンスド)

 5タイトルと書いてあるのに敢えてここで6つめ! (;゚∀゚)=3
 ロードスよりもソードよりもD&Dよりも前に最初に遊んだこのシリーズの名をどうしても上げさせてください。略すとFFになるこのシリーズは、アメリカでなくイギリスのスティーブ・ジャクソン/イアン・リビングストンらによる、タイタン世界が舞台の一連のゲームブックシリーズ、そしてゲームブックのルールを拡張してふつうのRPGとしても遊べるようにしたものを指します。

 思い起こせば出会ったのは、リアル中坊どころかリアル小坊のがきんちょの頃でした。ある日偶然、本屋で手に取った一冊の文庫本。魔法使いが呼び出す煙の中で竜が牙を剥いている不思議な本でした。さいころの出目が各ページに描かれ、小説と違ってパラグラフに文章が描かれ、“さあページをめくりたまえ”というわくわくする一文の先に、火吹山の地下城砦を巡る冒険の旅が秘せられていました。
 居眠りしている醜悪な怪物や独りでに仕事をするつるはし、妙に味わい深いイラスト、ファリーゴ・デ・マジオの魔法の呪文、カードの中に魔力を隠した妖術使いザゴール‥‥。感受性の強いほんの子供だった僕は、本の中の世界にとりつかれたようにページをめくっていったことを覚えています。
 あれからファングの町の迷宮探検競技を始めとしてアランシアを巡り、旧世界では王たちの冠を取り戻す旅に出発し、ネバーランドやドルアーガの塔を冒険し、T&Tの世界で大量にサイコロを振ったりしながら、TRPGの長い旅が始まるのでした。
 1980年代のTRPG黎明期の先駆けとなったゲームブックの大ブームの火付け役となった作品ですが、FFシリーズはその後も、ブームにあやかった類似模造作の追随を許さない輝きを持っていました。『ウォーハンマー』もそうですが、アメリカ製のゲームとはまたどこか違うイギリスらしい雰囲気があるのもいいんですよね。
 思えば生まれて初めてゲームマスターをしたのもこのシステムになります。しかも相手はうちの弟と妹ですよ! (ノ∀`)

 最近になって復刊されたり、d20のシナリオに生まれ変わったり『RPGamer』誌で特集を組んでいましたが、読んでいると昔の感動が湧き上がってもう正直泣きそうです。

TRPG Baton

■気になる発売予定タイトル
Line-up titles that weigh on my mind.

 このページを作っている間に出てしまっているものもありますが、いくつか。

扶桑武侠傅
 今前半部分を読んでいます。日本のRPGでは初となる武侠もの。実在の『扶桑武侠演義』を元に日本の地形を元にした背景世界もよいですし、トランプのスートを花鳥風月に合わせたアジアの風溢れる雰囲気、キャラメイクの武侠の個性化の細部、雰囲気によく合ったイラスト、何より武侠小説への愛がこもった文章‥‥とかなり期待大なのですが。
 ただネットの噂を見るとルール部分がイマイチだという話もちらほら聞くので、後半を読み進めるのが心配です。

アルシャードff
 発売後に僕も何度かは遊んでいたアルシャード。FEARゲーはどれも似たような作品が多くなってしまいましたが、アルシャードは現在のFEARラインナップの中核でしょう。
 確かに薄いサプリメントがどんどん出てしまい収拾がつかなくなってしまった面はあります。人気も高いアルシャがさらに強力になって生まれ変わる。フォルティッシモはどこがどう変わるのか? ビジュアル面はどうなるのか? 興味深いところです。 (ついでにブレカナも3rdになったりしませんかねえ。)
 などと言っている間に出たのでもう買いました。表紙も構図が同じだけど描き下ろし、テンプレートのイラストも全て新しくなっています。
FEAR製ルールブックのいつものレイアウトや書式、シートやチャート類の見た目などはまったく変わっていません。旧版と並べると注意しないで見ると気付かないかも‥‥革新が細部に宿っているのは、なんとなくN◎VAのRとRRの差を思い出させるものがあります。
 ワールドセクションが大幅に増え、ところどころイラストも増えたり変わったりしています。顔つき有名NPCも増えているようです。ゾンバルト将軍は健在、ファンの間では美少女と噂されているペルニラの素顔は相変わらず不明、天狼拳の老師が増えたり魔女グナーデがさらに低年齢化したりしています。
 ゲームマスターセクションには旧版からのコンバートの指針も書いてあったり、また当然ながら2本の付属シナリオは新作。
 一番の違いは、やはり読み込んでから分かるであろう随所でのデータ調整やクラス間のバランス格差是正などでしょう。やはりじっくり読み込み、遊んでからフォルティッシモの強さは実感できそうです。

『World of Darkness』『Vampire: The Requiem』
 後者は原書は持っていますが邦訳も興味深いです。そういえばヴィクトリアン・エイジは翻訳されたけどほとんど話題になりませんでしたね。

『異界戦記カオス・フレア』
 一応作った人が知り合いですしGF大賞入選作ですので。ただ『ダブルクロス』もそうでしたが、製品になるといつもの見たようなFEARゲーになってしまい、原作の良さが失われたりしないかなぁ、と思うところもあります。

 ほか、GURPS の 4th なども勿論気になるのですがあげるほどでも。妖魔はけっこう遊んだんですがもう小説しか読んでいませんしね。
 ほかにも新作ゲームは大抵買ってるので、ここに載ってなくても多分買うでしょう。無限のファンタジア上級ルールとかもきっと一応買うのでせう。そういえば『フロンティアライン』と『フロントライン』ってなんだか紛らわしいですね。くそ!余裕!(;゚∀゚)=3
 

TRPG Baton

■バトンを渡す5人
Five people to whom I'm passing the baton

 バトンブームも爆発的に流行り、消えるのも速かったですね。
 Musical Batonの方にも書きましたが、渡す相手がいなくなるのは必然です。例によってここから先は行き止まりとなりまする。
 例によって「ホントはblog/mixi/日記/サイトとかに書きたいんだけど、まだ誰もバトン渡してくれなくて寂しい! でも渡してなんてハズカシくて言えないYO! (/o\*)」という方はRI財団の名において渡されたことにして書いてくださいませませ。(笑)

 こちらも例によってリンク集を載せておきます。
  誰しも思い入れのあるTRPGのひとつやふたつがあるものです。その人の辿ってきたTRPG歴が分かって面白いですね。
 それではよい冒険を!ヾ(´ー`)ノ

TRPG Baton リンク集
TRPG Baton



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