ごあいさつ

from iwasiman:

　西暦2001年5月30日午前零時半頃。オープンから3年と5ヶ月を持って、当サイトは、個人ベースのTRPG系ウェブサイトではあまり例を見ない夢の10万Hitを達成することができました。皆さん、ありがとうございます。

　当サイトがオープンしたのは1998年1月1日。前年末に出た4.0ブラウザが世に広まり出した頃。まだIEとNetscapeが半々だった頃。スタイルシートを用いたページ構築はこれから世に広まっていこうとしていた頃。HP作成ソフトの吐き出すソースはまだまだ汚く、プロの方々はタグ手打ち、ようやくプロ向けのDreamweaverが出ようとしていた頃。FLASHの呼称もまだShockwaveでVer.2だった頃。近年のIT革命の前触れとなった、インターネットの普及の速度が一層速まろうとしていた頃でした。
　TRPG関係では今ほどの数はなかったものの、ファンサイトもそれぞれあちこちで活動していました。現存するポータルサイトや登録型サーチエンジンの幾つかはあの頃から続いています。Niftyはあまり元気がありませんでしたが、TRPG.NETはその前身となったsfのホームページからサーバー移転を行いながらあの頃オープンしています。『シャドウラン』はNiftyからの古株の方を中心に盛り上がっていました。『トーキョーN◎VA』は‥‥開設時点で確認していたサイトは、片手の指で数えられる数です。(マジ)　『ソード・ワールド』や『GURPS』は定番だけあって幾つもあったような気がしますね。
　そんな中でこのサイトはマシン購入後の2ヶ月程の準備の後にスタート。PCの知識もWindowsの知識もWebの知識もゼロから出発した僕は、当初ファイルのLZH圧縮の方法も知らないぐらいでした。
　人は社会に出たらもう趣味の活動なんてもうやらないもんなのだろうな、せっかくだから昔作ったリプレイぐらい記念に載せておこう‥‥という程度の気持ちで当時はいました。ところが思いのほか好評を博し、そして気がついてみればこうして今に至っている訳ですから、世の中分からないものです。

　昔の僕も漠然とクリエイティヴなことに憧れていました。その方面の知り合いに恵まれなかった為に同人誌等はやっていませんでしたが、多少の創作活動はしており、その幾らかは現在の土台や、このサイトのコンテンツの原料にもなっています。
　夢には手の届かないところにあるからこそ夢たりえるものもあります。僕も紆余曲折経て普通の大人になりました。その後、インターネットにおける新たな創造の形と可能性との新鮮な出会いを経た後も、それは仕事とは若干離れた位置にあるままです。
　それでもこうしてウェブサイトは形になり、自分の為したことに幾らかの価値がある証しは成されました。昔の自分の果たせなかった創造への渇望は、こうして形を変えてささやかに実現できたのかもしれません。運命というのは不思議なものです。


　サイトの趣旨と離れるためほとんど触れませんでしたが、現実世界での僕自身の道のりは大きな困難を伴うものでした。
　時間を無駄にしているような気がしてさんざん悔しい思いをした学生時代。苦労してようやく卒業した理工学部。そこへ来ての家族の大病。専攻を捨てた就職、社会人一年目で決行した転職。新たな職場での苦労。その中でこのサイトはオープンし、僕と共に力を蓄え、歩んできました。厳しい過去の中での唯一の支えは自分の自尊心、そして、大きな救いとなったのがこのサイトの存在でした。自分と自分の為したことには何らかの価値があり、人々に、何かを与えることができたという事実でした。

　今に至るまでに様々な悩みもあります。果たして自分の言っていることは正しいのだろうか。感謝されてしまったが、果たして手本になんかなっているのだろうか。活動と苦労の代償に自分が得たものは何なのだろうか、割に合っているのだろうか。人と知り合っても立場が足枷になっていないだろうか。立場上人を助けることはよくあっても、人に弱みは見せず助けは請わない自分の性格は損なのではないか。など、など‥‥


　そんなこんなで振り返るとたくさんのことがありながら、ここまで経ちました。
　僕が漠然と目指しているものには、開設当時から目指し、形になっていたものも、なっていなかったものもあります。
　偉そうな論説ではなく、別の形でTRPGの楽しさを伝えるサイトにしたい。批評家気取りの議論ではなく憩いの場でありたい。凍りつくようにクールで、それでいてぴよっと可笑しく暖かなサイトでありたい。ビジターがまた遊びたくような、夢や喜び、興奮と感動、プラスのイメージを伝えたい。そのゲームの“正しい”形とは若干違っても、自分なりの世界、自分なりの空気を表現したい。人としての強さと弱さの両方を併せ持ち、そして心を持って、前に進んでいく人物たちの冒険の物語を描きたい‥‥

　そんな気持ちを、思いのほか多くの方と分かち合うことができました。開設以来、沢山の方から様々な形で応援や反響をいただきました。そして今もまだいただいています。TRPGにもう一度ハマるきっかけがこのコンテンツだった。自分がHPを作ろうと思い立ったきっかけがこのサイトを見たことだった。第六世界の英語版と日本語語版の差に悩む自分に勇気を与えてくれたのがここのリプレイだった。Web上にここまで広がることになったニューロエイジへの扉がここにあった。など、など‥‥何十通、もしかしたらそれ以上の応援が、僕の勇気となり、前に進んでいく力となりました。このサイトの20MB余りのコンテンツに記された願いと、どこにも記されていない無言の願いを、沢山の人に伝えることができました。


　サイト開設以来、Webを通じて様々な形で出会うことのできた皆さん、本当にありがとう。そしてその中のごく一部の不愉快な皆さん、さようなら。

『人の心に夢を。彼方の世界に翼を。』
　半分冗談で半分本気のスローガンを掲げた、ふざけた名前とおかしなひよこくんのいるサイト。その奥にあるのは、ただ一人の人間が一人分のイマジネーションで創った、一人分の創造の産物です。


　現在ものを学ぶ立場にいる方にはどうやっても分からず、そして既に自分の責任で生きている方には頭の痛い話でしょうが――人間としての責任と義務を果たし、その上で何かを成し遂げようとするには、少々の努力がいります。そんな訳で、このサイトも永遠に続く訳ではありません。僕自身も、まだ得られていないものがいくつもあります。しかし、まだしばらくは、前に向かって進むつもりです。どうか温かい目で、これからも御覧ください。

　さてドリー夢の10万まで来たしたまにはよかべえと珍しく管理者が語ったところで、10万Hit記念ページです。そんなに量はないですがしばらくごゆるりとお楽しみください。4.0ブラウザ必須です。FLASH Playerプラグインもご用意ください。
　せっかくですので今後の参考の為に、「これからこんなコンテンツが欲しい！」という要望をついでに募集しようと思います。BBSかメールでお寄せください。
「オレがチョー燃えなあのシステムを扱ってくれ！」とか「いわっしークンの赤裸々な自己紹介が見ターイ」とか「総帥のおヒゲの写真はドコ？(てへ)」とか「藁えるアングラコンテンツをマターリとキボーン」とか「プレイレポートにもっと萌え萌えなキャラを！」とか「シナリオにもっとオトナな展開はないのかなー」とかなんでもいいです。場合によってはご期待に添えられるかもしれません。添えられない要望もあるけどナー(笑)

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