電子工作のコーナー


AMラジオ用ワイヤレスCDプレーヤの製作 Jun.06.2004

最近、米国Philco社のかわいらしいベークライトラジオをジャンクとして購入しました。ジャンクとして購入したくらいですからケースが欠けていたり、相当汚れていたりしていました。欠けたところはパテで修復するとしても、汚れの方はちょっと洗っただけでは、とてもきれいになりそうもありませんでした。そこで、いっそのこと、派手な色で塗装しなおすことにしました。その結果が、これです。どうです!よみがえったでしょう。

欠けをパテで修復して、塗装し直したPHILCOのベークライトラジオ

じつは、ここの話題はこのラジオのことでは、ありません。このラジオでAM放送を聞いていたんですが、なんかしっくりしないんです。つまり番組の内容が面白くないんです。やはり、こういうラジオには、50年代、60年代のアメちゃんの音楽が合うと思うんですが。そこで、このような古いラジオで、オールデイを聞くために、AMのワイヤレスプレーヤを造ることにしました。

CDプレーヤの出力をこのAMワイヤレスプレーヤに繋いで電波で飛ばします。そしてそれを、古いラジオで受信しようというものです。どうせ造るなら、真空管でと言うことで早速、配線図を描いてみることにしました。もう30数年たちますか、当時、周波数変換管6BE6ST管では6WC5)を使ったワイヤレスマイクがはやった時期がありました。当時の“初歩のラジオ”や“ラジオの製作”などによく製作記事が載っていたものです。本棚にある当時の雑誌から、探し出すことが出来ました。これを若干修正追加して、CDの出力を繋げるようにしたものが、この回路です。

使った部品も発信コイルを除き、今でも手に入る部品です。コイルは、手持ちにあったNo88コイルというトランジスタラジオの局発に使われるものを使いました。

回路が出来上がると、部品を集めて、製作です。今回は、出来るだけ簡単なようにユニバーサル基板に配線しそれを板に配置することとしました。真空管式だと電源にヒータ用も必要になります。あれこれ探し回って、秋葉原の東映無線で売られている5VAの絶縁トランスを見つけました。2次側が、0−85−100Vとなっているので100−85V間の15V6AV66BE6のヒータを直列接続してこれに充て、0−85V間をB電圧に充てることにしました。6.3V管を2本直列に繋ぐと12.6Vですが、5VA程度の容量ですと多少負荷オーバで電圧降下があるのでOKとしました。

出来上がった結果がこれです。

板の上に搭載したワイヤレスCDプレーヤ本体

次に調整です。まずアンテナ線を繋ぎます。1〜2mのコードをアンテナ端子につなぎ、ラジオの周辺に這わせればOKです。その次にあらかじめ放送のない1500KHz付近にラジオのダイアルをあわせておきます。そしてワイヤレスプレーヤの電源をいれて、適当な音楽ソースを入力します。その際ワイヤレスプレーヤのボリウムは中ぐらいにしておきます。そして周波数調整トリマをドライバで回して、ラジオのから音楽が聞こえる位置を探します。トリマを回すドライバは、金物でないほうが望ましいです。ある程度受信できるところが見つかったら、ラジオのチューニングツマミで同調を追い込んだ方が簡単です。ワイヤレスプレーヤは自励発信ですので、電源オンから周波数がドリフトしますので、しばらくしてから周波数の再調整をしてください。最後に音量の調整を行います。ボリウムをまわして音が歪まない手前に設定します。調整はこれだけです。

私はジャンクのCD-ROMドライブを活用したCDプレーヤを使っています。

ワイヤレスCDプレーヤと古いベークライトラジオ

音楽ソースとして、100円ショップで買った、オールディのJAZZナンバ(100円ショップなのになぜか200円でした。これって違反じゃないの!? 100円単位ショップというべきじゃないですか。こんなことにこだわるのは私だけ?)をかけてみました。いいですね。ソースがソースですので中音中心の音質ですが、またそれが、古いラジオにぴったり似合います。また最近のCDソースもかけて見ましたが、こちらは結構HiFiでなってくれます。しばらく、古いラジオから聞く音楽にはまりそうです。

注意:電波法に触れないようにしてください。アンテナ線は絶対に長くはらないこと


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