電子工作のコーナー

適当なケースを作ってみましたので、追加しました Sep.28.2005 append


パチンコ液晶をカーナビTVに応用 Dec.05.2004

最近LQ080T3AG01というパチンコ液晶のジャンクを入手しました。サイズが8インチワイド仕様で非常に大型のものです。これをカーナビのTVか簡易Videoモニタとして使えないかいろいろ調べてみました。メーカのサイトからデータシートを入手し早速調べたところ、簡単に通常NTSCRGBモニタディスプレイとして使えることがわかりました。信号はアナログRGB入力で、外付けのVideo-RGBコンバータ(秋月電子のキットや完成品があります)を繋ぐだけでVideoモニタにもなります。以下SONYCDカーナビ用RGBモニタやVideoモニタとして利用する改造手順などを紹介したいと思います。

入手したパチンコ液晶ユニット 左:表側  右:裏側

本液晶は、透明のアクリルケースにパチンコの制御基板などが一緒に搭載されたユニットとして入手しました。

裏蓋と制御基板を外したところ

早速蓋を開けて、モニタとして使うには必要ないパチンコ制御ボードを外します。液晶部とそのドライバ基板(液晶の背面に搭載されている)のみにしてしまいます。

液晶ユニットの入出力端子(○で囲んだところ)

液晶表示するための信号は、まるで囲んだ部分のコネクタから加えます。私はコネクタの基板部分のランド(プリント基板のハンダ付けできるところ)に直接、リード線をハンダ付けしました。

信号を結線したところ

現所有(といっても最近ジャンクとして入手したもの)のSONYのカーナビおよびTVチューナ(NVX-S1およびNVX-W1TVチューナ XT-60V)は、調べたところモニタ接続端子からアナログRGB信号が出ており、直接、本液晶ユニットに簡単に接続できることがわかりました。

モニタ接続端子の仕様をこのに示します。この仕様は、直接カーナビからの信号をオシロスコープを使って解析した結果わかったもので、メーカから得た情報ではありませんのでご注意ください。カーナビ本体(NVX-S1)の後ろ側かTVチューナユニット(NVX-W1用ハイダウェイTVチューナ)の側面から16ピン角型コネクタ(オス側)を見たところです(NVX-W1後ろ側の20ピン角型コネクタは、現在調査中です。判ったところまでをこのに示します)。この端子番号は、私が便宜上付けた番号です。また、ケーブルの線の色は、SONY純正モニタを繋ぐ専用ケーブルをばらしてみて、その信号に使われているケーブル色を示しました。これも私の手持ちのケーブルでの仕様ですが、他の仕様もあるかもしれませんのでご注意ください。?で示した部分は使われていない端子か、不明な信号です。今回の改造には特に必要ないのでそれ以上詳しく調べておりません。

簡単に各信号の説明を加えます。

Video-R,G,BはそれぞれアナログのRGB信号が出力されています。
Sync
は複合同期信号(水平、垂直同期信号)が出力されています。
Remocon
は、純正モニタ(赤外線受光ユニット)からのリモコン受信信号が入力されます。
Power Switch
には、モーメンタリスイッチがつながります。一瞬、GNDにつながるとパワーon、もう一度、GNDにつながるとパワーoff、その繰り返しです。
+12Vはパワーon時に+12V(カーナビ、TVチューナユニットには、電源12V供給されている時)が出力されます。
Audio-L,Rは左右音声信号が出力されます。
GNDはアースです。

これらの信号を使って、液晶と繋ぎます。

液晶側の配線図を次に示します。液晶ユニットに赤外線受光器をつけてリモコンでカーナビが操作できるようにしています。パワースイッチにはモーメンタリのプッシュスイッチをつけました。パワー表示に
LED
をつけています。


配線したアナログRGBモニタの裏側

液晶ドライブ基板の端子は、のように配線することで、アナログRGBモニタとして動作します。+5Vプルアップは、余っている74HC14のゲートを使いました。

これらの信号の設定と意味については、メーカのデータシートに詳しく記載されておりますのでそちらを参照してください。電源としての+12Vは、カーナビやTVチューナユニットからの+12Vをもらって液晶ユニットに供給します。

オーディオ信号は簡単なアンプに繋げばOKでしょう。私の場合、カーステレオに外部AUX入力端子があるのでそちらに繋げるようにしました。LM386を使ったミニアンプでミニスピーカを内蔵してもいいと思います。ほとんどのTVチューナにはカーラジオのFM周波数帯に音声を送信する機能が備わっているのでわざわざオーディオ信号のためのアンプやスピーカは無くてもいいのかもしれません。

以上でCDカーナビ用のモニタとして使えるようになりました。

パチンコ液晶ユニットのケースをはめたところ

次に、もう一台買っておいた液晶ユニットをコンポジットVideo信号用モニタに改造しましたのでその手順を示します。手順といっても、上述のRGB接続の状態に市販のVideo-RGBコンバータを繋ぐだけです。秋月電子のユニットを使えば簡単です。


秋月のRGBコンバータを搭載

その回路をこのこに示します。液晶ドライブ基板の接続端子に図に示すようにVideo-RGBコンバータを接続をするだけで、Videoモニタになります。液晶ドライバへの+5Vプルアップは、私は同ドライブ基板内の+5Vのところを探して繋ぎました。写真には示してありますがわかりにくいので、RGBコンバータ内の+5Vラインからとる方をお勧めします。3端子レギュレータのOUTから取るのが簡単でしょう。

最後に使った感想です。RGBモニタ、Videoモニタともに8インチワイドであるので非常に見やすく、また迫力もあります。比較のために今まで使っていた7インチのパチンコ液晶を使ったRGBモニタも載せました。1インチ違うだけで随分様子が変わります。

カーナビを表示しているところ 上:8インチワイド 下:7インチ

バックライトも2本搭載されており、日差しの強い日中でも画面がはっきり読み取れます(逆に夜はちょっと明る過ぎますネ。バックライトの明るさを昼、夜用として2段階に切り替えられる改造をしたいと考えているところです)。8インチあたりの純正モニタはむちゃくちゃ高価です。今回使った液晶は、ジャンク品ということで1台8千円程度で入手しました。その他の部品を入れても1万円程度で満足のいくモニタが作れました。みなさんもチャンレンジしてみては如何でしょう。

いま、ケースは、元々のアクリルケースを使っていますが少し貧弱なので、もう少しましなものを検討しているところです。


テレビとして表示しているところ

適当なケースを作ってみましたので、その追加レポートです Sep.28.2005 append




車に付ける方は、アルミのシャーシを買ってきました。一般に売られているものです。液晶とスイッチ、LED,IR受光部などを取り付けました。裏側にはスピーカを取り付けました。

車に取り付けたところ


もうひとつは、オーディオ仲間のSさんにパチンコ液晶ディスプレイの作り方を紹介したところ、大変気にいられて、それを取り付ける額を製作されました。私にもお礼として一個頂きました。せっかく頂いたので早速、液晶に秋月のRGBコンバータを取り付けて額縁ディスプレイを作りました。Sさんはこのディスプレイでデジカメ写真の画像ビューアとしてプレゼンテーション用に使われています。表面は化粧パネルですので、見た目も非常にきれいで、ちょっとしたインテリアにもなりそうです。



PS.
パチンコ液晶をご自身で工作されている方や、拙作の内容で試作された方から、この液晶と秋月の
RGBコンバータの組み合わせでは画面が右によっているとのご指摘を頂きました。よく調べてみると、ご指摘のとおり画面がずれておりました。最初は液晶裏面のH-POSVRで調整できると思っていたんですが、どうもうまくいきませんでした。そこで、頂いた情報等を元に、コンポジットVideo信号をそのまま、SYNC端子に接続してみたところ画面のずれはなくなりました。(情報を頂いた方々に感謝いたします)。この内容を回路図に追記いたしました。



注)SONYのカーナビ、TVチューナのモニタ接続信号は、あくまでも自分で探って調べたものです。決してメーカなどに本件の問い合わせはしないようにお願いします。また、ここに示した信号の端子位置やケーブル仕様などは私が手持ちのものがそうであっただけで別の仕様があるかもしれません。この情報でみなさんがご自身のカーナビやTVチューナを改造され、さらに故障の原因となっても私が責任を負うものではありません


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