電子工作のコーナー


アンティークな陶器ラジオ Jan.15.2002

面白いラジオを紹介させていただきます。
以前、子供たちがお世話になっています美術教室の先生とそのご主人の依頼で、真空管アンプを製作しました。その後、真空管アンプを非常に気に入っていただき、真空管にも興味をもたれましたので、手持ちの部品でMT管を用いた真空管式の並3ラジオを作ってプレゼントしました。裸シャーシのままで差し上げたので何か良いケースを作ろうということになりました。いろいろお話しているうちに、ラジオのケースを陶器で作ったら面白いのではないかということになりました
先生は、さっそく粘土などいろいろ細かな所まで調査され、試作してみられることになりました。当方が所有のアンティークラジオの写真集などをお見せしました。それをご覧になり、いろいろデザインなども工夫されて、ようやく試作品が完成しました。表面は、花が模られておりまし、茎は唐草模様を呈しております。スピーカー用の小ホールも、十分な数が開けられております。非常に手の要った作品です。陶器ですので、当然、焼き上げると縮小します。その辺もテストピースで事前に、縮小率を求めての大作です。最初の試作品は、差し上げたラジオの大きさからは、若干小さかったようです。

試作された、陶器製ラジオケース

これらの結果をもとに、再製作されました。今度は大きさもぴったりで、うまくラジオが収まりました。陶器のラジオはそうはありません。オリジナルということで大変満足されておられます。そんなわけで、最初の試作品を、当方にいただける事になりました。さらに、ラジオのツマミまで陶器で作られ、それもいただけました。

窯で焼く前(再製作品)                   完成した陶器ラジオ

いい物を頂いたので、すばらしいインテリア・ラジオを私も作ってみることにしました。ラジオの大きさに陶器をあわすより、陶器の大きさにラジオの大きさをあわせる方が簡単ですので、早速、製作を開始しました。陶器のラジオケースがそんなに大きいわけではないので、MT管を使った並3ラジオにしました。ただし、整流はシリコンダイオードを用い、真空管の数を1本減らし出来るだけ小さく製作できるようにしました。回路はごく一般的な並3ラジオの回路(回路図)を採用しました。コイルはミズホ通信の復刻版並4コイルを用いました。それに同調バリコン、再生用バリコンは手持ちのものを用いました。コンデンサ、抵抗なども手持ち品です。大きさに合うアルミシャーシもぴったりの物がないので、アルミ板と木製の板で適当な大きさのシャーシを作ることにしました。

2球式並3ラジオ                 シャフトを取り付けた陶器製ツマミ

ツマミは、陶器のツマミに延長シャフトを適当な長さに切って、瞬間接着剤でとめました。
スピーカーは、陶器とスピーカーエッジの間は、固めのスポンジをくり貫きクッション材として、挟んで固定しました。陶器が音で振動する(ビビル)のを防止するためです。
以上で、出来上がりです。

スピーカーを取り付けたところ       並3ラジオのシャーシ裏

外部アンテナをつなぎ同調をとります。最初はNHK第一放送が入りました。再生バリコンを回してちょうど良い大きさでなるところを探します。密閉されたケース、また陶器というがっちりした材質ですから、非常にしまった歯切れのよい音でなってくれます。これで深夜ラジオを聞く楽しみが出来ました。

完成したアンティークな陶器ラジオ

PS.
この陶器のラジオケースは、日頃、子供たちがお世話になっております、松木先生の著作物です。拙作のホームページへの掲載については、ご本人の許可を得ております。
なお、本作品は、入間市市民陶器展(2001年1月9日〜13日入間市博物館市民ギャラリにて開催)に出展されております。

      入間市民陶芸展で出品


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