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第5回中山競馬8日目   9 R  競走成績    天候  晴    芝   良
第044回有馬記念
サラ4歳上 混合 指定 オープン・馬齢 2500芝 15頭 ★☆★  G1  ★☆★

妻本 着順 番  馬     名   性齢 斤量  馬体重 騎  手 タイム 着 差 単オッズ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ◎  1着  7 グラスワンダー    牡5  57.0  512+12 的場 均 2:37:2         2.8
◎   2着  3 スペシャルウィーク  牡5  57.0  464 -4 武  豊 2:37:2    ハナ   3.0
    3着 11 テイエムオペラオー  牡4  55.0  474 -2 和田 竜 2:37:2   クビ  12.0
△△  4着 10 ツルマルツヨシ    牡5  57.0  504 +6 藤田 伸 2:37:3   1/2  12.1
 ○  5着 13 メジロブライト    牡6  56.0  470 +8 河内 洋 2:37:5     1   6.5
    6着 14 ゴーイングスズカ   牡7  56.0  460 +2 芹沢 純 2:37:5   クビ 163.6
○   7着  1 ナリタトップロード  牡4  55.0  492 +6 渡辺 薫 2:37:8 1.3/4   6.8
    8着 12 ファレノプシス    牝5  55.0  442  0 蛯名 正 2:38:1 1.3/4  68.8
    9着  9 フサイチエアデール  牝4  53.0  434 -4 福永 祐 2:38:1   アタマ  79.0
 ▲ 10着  5 ステイゴールド    牡6  56.0  428 +8 熊沢 重 2:38:2   1/2  31.6
   11着  2 スエヒロコマンダー  牡5  57.0  434 +4 後藤 浩 2:38:2   クビ 128.2
   12着 15 ダイワオーシュウ   牡6  56.0  472 +2 柴田 善 2:38:3   1/2  95.1
   13着  4 ユーセイトップラン  牡7  56.0  490+18 松永 幹 2:38:9 3.1/2 139.9
▲× 14着  6 シンボリインディ   牡4  55.0  468+20 横山 典 2:39:2     2  26.1
     ★★  8 インターフラッグ   牡7  56.0  発走除外

 単 勝 式         複 勝 式
       7       280円  1. 7     140円
  枠番連勝式                  2. 3     140円
    2−4       450円  3.11     260円
  馬番連勝式                                          
  03−07    470円                          


競技の成績は必ず主催者発行のものと照合し確認してください
−−後藤の分析−−
恐るべしグラスワンダー。驚異の底力を発揮
  • 恐るべしグラスワンダー。まさに驚異の底力を発揮して激戦を制しました。
    直線早めに抜け出そうとしたグラスワンダーは、いつものような爆発力がなく、 先にスパートしたツルマルツヨシに置いて行かれ、 さらには、グラスの内からテイエムオペラオー、外からスペシャルウィークに迫られます。 しかしそこでようやくグラスに火がつくと、並ばれたら絶対に抜かせないとばかりに、 二の足を発揮。そしてスペシャルがグラスを差しきったところで、 さらにグイッとまた前へ。
    そこでゴール。
    ゴールした瞬間、誰もがどとらが勝ったか判別できないほどの激戦。 鞍上の的場騎手も負けたと思ったのかさっさと引き上げ、 武豊騎手はスペシャルとともにウイニングランとガッツポーズを披露したほど。 しかし結末はグラスワンダーの劇的ハナ差勝利。 判定写真を見る限りでは、わずか2センチほどの差だったでしょうか。 90年代の最後を飾るに相応しい見応えのあるレースとなりました。
  • さて、いつものようにパドック分析です。
    パドックで一番よく見えたのは、文句なくツルマルツヨシで、 必ずや好勝負可能と断言できるような素晴らしい状態でした。 次いで良く見えたのはテイエムオペラオー。 相変わらずの好馬体で、心配されたデキ落ちもなく申し分のない状態だったと言えましょう。 あとはフサイチエアデールの状態の良さが目につきました。
    注目のグラスワンダーは懸念された太めが残ったままで、今一つ精彩を欠く印象。 おとなしかったのはいつものことでも、いい時はもう少しあばらがうっすらと見えるはずで、 明らかに危ない人気馬でした。ただ能力は絶対的に上位だけに見限れぬものがありました。
    また、スペシャルウィークは今秋の中で最もいい状態だったように思います。 毛ヅヤもまずまず、馬体もまずまずで、これは走られても不思議ないかなという感じでした。
  • レース分析に移ります。
    パドック直前、インターフラッグが鼻出血で出走除外となり、14頭のゲートイン。
    ナリタトップロードとステイゴールドが出負けした以外、各馬思い思いのスタート。 前に行ったのは8枠の両頭、ゴーイングスズカとダイワオーシュウ。 そして出遅れをカバーしたナリタが続き、シンボリインディがかかり気味に前へ、 そして好発したテイエムオペラオーがいつもより前のポジションをキープ。 有力馬は何れも後方に控え、ステイゴールドとツルマルツヨシは中団、 少し開いてメジロブライトとグラスワンダーが後方3/4番手、 そして最後方にスペシャルが陣取るという隊列に落ち着きます。
  • 1周目の4角、1角、2角と過ぎても隊列はほぼ変わらず、展開は超スローの流れ。 道中12秒台後半から13秒台のラップを刻んでいき、明らかに瞬発力勝負 及び 前残りの展開に。 しかし、依然として有力馬は後方のまま。 各馬一団となって3角へ。
  • 3角手前でペースが上がると、800を切ったところで、 まずグラスワンダーが徐々に前へと動きます。 それをトリガーに急激にレースは動き、グラスと一緒にツルマルツヨシも上がっていき、 スペシャルも歩調を併せるが如くピタッとグラスマークで上がっていきます。 そして4角でグラスは大外を周り先頭に迫る勢いとなったところで、レースは直線へ。
  • 直線に入って、まずツルマルツヨシがスパートをかけます。 そしてグラスもスパート。 内で粘るナリタを後目にツルマルが先頭に立ち、グラスはいつものような伸びがありません。 後続からはグラスの内からテイエム、外からスペシャルが、それぞれ一呼吸遅らせてスパートをかけると、 見る見るうちにグラスに追いつき、グラスは万事休す状態に陥ります。
    しかし、そこからがグラスの本領発揮。
    他馬に並ばれるとさらに伸び始め、ここでツルマルが脱落。テイエムも途中で力尽き、 グラスとスペシャルの一騎打ちとなります。 脚勢は明らかに外のスペシャルが有利。 今度こそ万事休すかと思ったところで、またグラスが伸び、 両馬鼻面を揃えたところでゴールイン。
    そして結果はグラスの2センチ差勝ち。見事G14勝目で、グランプリ3連覇の偉業を成し遂げました。
  • それにしてもグラスワンダーは強かったです。 これぞ名馬の底力というやつです。
    的場騎手もインタビューで言っていたように、必ずしも状態は万全ではなかった筈(最も的場さんはいつも大袈裟ですが(笑))。 それでいて、それなりにレースを進め、最後は驚異的な粘り。 まさしく現役最強馬の称号に相応しい馬です。これぞ最強馬です。エルコンドルパサーとの闘いが見たかった...。
    なお、調教師の尾形師によると、今後は凱旋門賞を目指すとかで、エルコンドルパサーの借りを返して欲しいものです。 期待します。
  • あとわずかの差で敗れたスペシャルウィークは残念でしたね。そして強かったです。 ゴールでは誰もが勝ったと思ったほどの僅差。 超スローにも関わらず、大胆にも悠然と最後方を進み、最後は注文通りキッチリ差しきった筈...だったんですが、 惜しかったですね。これで秋のチャンピオンシリーズ3連勝及び年間G14勝の偉業も夢と消えてしまいました。 そして年度代表馬の座も怪しくなってきました。ここを勝てば文句なしだったんですが...。 ちょっとかわいそうですね。 下手したら、ここまで頑張ったのに、JRA賞を1つも得ることができないかもしれません。
  • 3着のテイエムオペラオーは頑張りましたね。 グラスもスペシャルも状態が万全ではなかったとは言え、僅差の3着は立派です。 やはり坂のあるコースはその末脚が活きるようです。また和田騎手の乗り方もGOODでした。 来年の新3強時代に向かって、幸先のいい滑り出しを行うことができました。
  • 4着のツルマルツヨシも大健闘です。 ただ、直線で内に切れ込んでしまわなければ、もう少し際どい勝負になった筈です。 一瞬の切れ味が持ち味の同馬なだけに、内の馬場の悪いところを走ってしまったのは残念です。 しかし、これで来年の宝塚が楽しみになりました。
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PS.
なんか故大川慶次郎さんの執念がグラスを手助けしたような結末となりましたね。 ツルマルツヨシも好勝負してるし、ほぼ大川さんの遺言通りになりました。 この予想が大川さんの最後の予想となってしまったわけですが、 今後は大川さんだったらこんな感じかなと予想しながら、故人を忍ぶことにします。


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