コンテストステーション K8CC 訪問記 (Oct. 25th, 1997)
By Jun'ichi Ohgo, JJ1BMB, re-edited version of the article excerpted from "59" magazine 1998 February.
JR1HAA and JJ1BMB visited K8CC, located at the city of Ypsilanti, Michigan.'97CQ WW Phone contest に合わせて訪問したミシガン州デトロイトの郊外、西へ車で約30分の Ypsilante市にあるコンテストステーションK8CCを紹介します。
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K8CC, Mr. David Pruett, he is a member of contesting club,
called “Mad River Radio club”.オーナーは、
Dave Pruett氏。地元の自動車メーカー、クライスラー社のダッシュボード周りの電装関係のエンジニアです。もちろん無線が趣味で、コンテストを主体とするローカル局、とは言っても氏の家を中心に半径約175マイル以内の地域に住むアマ局、50~60数名からなる Mad River Contest Club を主宰しています。彼は無線を楽しむために、約
140米四方(約6000坪)のトウモロコシ畑を購入して宅地に変え、3ベッドルームの住まいとアンテナファームを父親と二人で作りあげたとのことです。観客席のある野球場がすっぽり入ってしまうほどの大きさのある、いわゆる”アメリカンサイズ”の設備群に私は溜息の連続でした。
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K8CC's antenna farm, itself is as large enough as to put a baseball field.住まいは平屋建てであるものの平屋と同じサイズの地下室が備わっており、地上部を生活するための十分すぎるスペースとして使い、地下室を無線関係の活動場所にあてています。パーティッションを地下室内に配置することで、12畳程度のオペレーションルーム、となりに縦長の4畳程度のリニアアンプ室、残りは工作室とそれに部品倉庫という間取りです。オペレーションルーム内は、横長のテーブルが2台ずつ二組が左右の壁に沿って配置され、その上にHF帯5バンドをカバーする2台のリグ(FT-1000)、電装技術者として得たノウハウを活かして自作したアンテナコントローラ、さらには自分でコーディングしたコンテスト・ロギングソフト(NA)、そして、PC をリグにリンクさせたコンテスト専用シャックは、壮観そのものといった有り様でした。
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CQ world wide phone contest at the farm of K8CC
with the members of Mad River Radio club.リニアアンプ室には、
19インチ・ラックに実装された自作の2台のモノバンドリニアアンプ、もう一台の自作マルチバンド・リニアアンプ、そして、ヘンリー製2K-3 リニアアンプが合計4台配備され、これを見るだけの価値は十分でした。アンテナファームは、まず、タワーが4本、この広い敷地内に整然と配置されているのもさらなる驚きでした。しかも、タワー自体、廃局した民間
FM放送局の払い下げで、クラブメンバーと一緒にトラックを駆ってただ同様で入手したとのことです。ともに30m高のタワーで、それぞれに40mのフルサイズ3エレ八木、20m、15mの5エレスタック等がのっています。スタックアンテナは、シャックからシングル/スタックの切替えが出来ます。75mのワイヤーアンテナは、位相給電でビーム方向を南北/東西と、瞬時に変えられます。うさぎ小屋シャックで寝起きしている筆者にとっては、何とも羨ましい光景です。
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In the linear amplifier room next to the operating room.私が訪れたのは、金曜日夜のデトロイト入りの翌日の早朝、コンテスト2日目の日の出前で、前夜よりクラブのメンバー5名が既に活動中でした。
シャックに入り、さらに驚いた点は、すべてが自動化されていることです。前述のロギングソフト
(NA)とパケットクラスタのノードはリンクしており、取り込んだDXスポット情報から、自動的にバンド別にニューマルチの情報を抜き出してPCのモニターに表示します。未交信の表示が出たら、カーソル/ファンクションキーの操作のみで、リグの周波数セットが実に簡単に出来てしまいます。ボイスメモリも付いており、マイクへの発声がハードディスクにストアできるので、疲労もほとんど無くオペレートできます。
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Sub-operating desk, Packet cluster node, Workroom.「キロ・エイト・・」と大声で叫ぶ必要はありません。実に静かな雰囲気の中で徹夜組のオペレータが、
20m/75mでヨーロッパを稼いでいるところでした。米国中央部での欧州からの信号は、まるで21MHz 帯の国内QSOという感覚です。7時過ぎに空が白み始め、JAが聞こえ始めてから私にもオペレーションの順番がまわってきました。欧州からの信号と異なり、東海岸寄りの地域ではアジアとの伝搬が弱く、JAからの信号のキャッチするのに西海岸のコンテスト局のパイルに阻まれて、大変苦労しました。JAのビッグガンの信号が入感するものの、実際のナンバー交換には順番待ちをせざるを得ませんでした。1.5KW、30m、フルサイズ八木ですら、パイルには勝てないのです。草野編集長もパケットクラスターで、75mに出ていることを容易に見つけたものの、ナンバー交換するまでに私は十数局待ちました。(極東は難しい!)
Daveは今年、初めて日本に仕事で来るそうなので、彼が楽しみとする秋葉原でのショッピングにつき合いたいと思います。
URL of K8CC Dave Pruett: http://www.contesting.com/
K8CC Dave PruettActually, he came to Japan and has enjoyed a shopping in Akihabara in April '98.