CW


作成日:1998年11月 8日
最終更新日


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JARL A1 CLUB
#25

はじめに

プロの世界では使用されなくなったモールス通信はアマチュア無線だけの通信モードになってしまった。。。

CW符号表

欧文編
和文編

JARL A1 Club

電信の通信速度

電信の通信速度について考えてみました。
まず、WPMについてですが、5文字を1単語(1ワード)にして
1分間に何単語送信するかというものです。
例えば、10WPMといえば、1分間に10単語送るというものです。
どうやら基はタイプライタから来ているようですが、
タイプライタはどの文字を表す場合も同じ時間ですから分かりやすいです。
しかし、モールス符号の場合は文字によって長さが異なりますので、具合が悪いです。
そこで、電信の速度を表すのにPARIS速度というものがあります。
PARISをモールス符号にするとちょうど50短点分の長さになります。
例えば「P(・−−・)」を考えてみます。
長点は短点の3倍、短点と長点の間は1短点分です。
また、文字間は3短点分、単語間は7短点分と決まっています。
従って、14短点分となります。
同様に「A(・−)」は8短点分、「R(・−・)」は10短点分、
「I(・・)」は6短点分、「S(・・・)」は8短点分です。
これらを合計すると14+8+10+6+8=46短点分です。
さらに、単語間は7短点分ですから4短点分を加えて50短点分となります。
なかなか文章ですと判りづらいので、図で示します。
図で見ると良く分かりますね。
見づらいですが、モールス符号の下のスケールを数えて下さい。

従って、10WPMの場合1分間に500短点分送信するということになります。
次に、ローマ字を短点に換算します。
例えば「A」は8短点分、「B」は12短点分、「C」は14短点分...です。
26文字の平均は11.15短点分でした。
これから、PARIS速度10WPMは約45文字/分となりました。
これは1単語ごとという区切りをせずに乱文(ランダム文字)を送信する場合です。
ですから、普通の文章ではもっと多くの文字が送れると思います。
というのは、E、A、I、Tなど短い文字が多くなると考えられるからです。
今度は、日本語のかなを短点分に換算し、平均すると14短点分でした。
ローマ字と同様に計算するとPARIS速度10WPMは約37文字/分となりました。
欧文と和文の比較は欧文1に対して0.8の速度という結果になりました。
ところで、欧文のモールス符号はよく使用される文字は短く、
使用頻度の少ない文字は長くと考えられています。
しかし、和文の場合は「ABCDEFG...」を「いろはにほへと...」に
順番に割り当てるという使用頻度を考えた符号になっていません。
従って、日本語でよく使用する文字は非常に長くなっています。
以上のことを考えるとPARIS速度で欧文を受信すると計算結果より速く、
和文を受信すると計算結果より遅くなるのかもしれません。
モールス符号の通信速度についてちょっと検討してみましたが、
参考程度に思ってください。
参考文献「モールス通信(CQ出版社)」