伊豆旅行日記 | ||
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普段からあまり、というか全く帰省とかもしないでよく頑張ってくれている妻に、感謝の意をこめてというわけではないのですが、彼女の家族の皆さんが、東京までは遠いだろうから伊豆の辺りで会おう、と言うてくださったので(彼女は東京の出身)、そのご好意を受けて、夫婦2人、家族の皆さんに会いに伊豆まで出かけてきました。思えば、2人で旅行するのも久しぶりのことです。昨年の夏に予定していた、淡路島への旅行は台風のせいで中止になってしまったから、更にその半年以上前の、年末年始のニューヨーク旅行以来、でしょうか。たまには旅もしないと、ですね。で、春分の日を入れた飛び石連休を利用して、行ってきました。
- ●3月21日(祝・木)
- 8:30前 出発。昨日の晩は、いろいろと伊豆でどこへ行こうかとネットで調べたりしていて、寝るのが遅くなってしまったので、結構、眠いです。新しく買ったキャリーバッグに荷物を詰め込んで(って、実際にやってくれたのは妻なのですが)、出かけます。
- 新神戸の駅で、いかなごのくぎ煮など、家族への土産を買います。関東の人のお口にあうかしらん。
- 9:18 ひかり148号で、熱海へ向かいます。新幹線に乗るのも久しぶりです。車内では、昨晩の睡眠不足を補うべく、ひたすら爆睡。
- 11:59 熱海着。ここで乗り換えです。
- 12:20 踊り子号に乗り込みます。席には、既に東京からやってきた妻の家族達が座って盛り上がっています。久しぶりの再会を果たした後、列車は伊豆半島へと乗り入れていくのでした。
- 途中、車窓から外を見ていると、何と、桜が満開じゃないですか。え? 今日ってお彼岸の中日でしょう? なのにもう桜が満開なの?って驚いてしまいます。やっぱり、今年って春が早いのですねぇ。
伊豆高原駅前の桜の花… むっちゃ綺麗でした
- 13:05 伊豆高原着。ここが目的地であります。まずはコインロッカーに荷物を入れて身軽になり、昼食をとることにします。お店は駅から歩いて4分のとこの「伊豆高原ビール うまいもん処」さん。ちょうどお昼時だったので、むっちゃ混んでましたけど、待つことしばし、何とか席に着けました。ここの名物というのが「石焼き漁師めし」。漁れたてのマグロやイカなどの海鮮と伊豆の山菜とを、ご飯の上にのせて石焼きにしているというもの。要は石焼きビビンバの海鮮版といったところでしょうか。これがまたとっても美味しいんですね。じゅっと石の熱でご飯はもちろん、マグロとかにも程よく火が通って、非常に食べやすくなるんです。わたりガニの味噌汁なんかもつけて、海の幸の味を堪能するのでした。そして、そうそう、伊豆高原ビールですから、ビールもしっかり飲まないと。5種類のビールのお試しセットというものがあったので、それを頼みました。”大室”とか”天城”、”さくら咲く”等の名前のついた、色とりどり(?)のビールが小さいグラスに注がれて出てきます。”天城”が一番、美味しかったかな。なかなかしっかりした味で、いいですねぇ。
- 昼食を堪能した後、更にちょっと歩いて、「伊豆オルゴール館」に行きます。何か、旅行に行く先々でオルゴール館という名前の施設を訪れているような気もしますが(^^;、今回もオルゴールであります。ここでも、他のオルゴール館と同様、オルゴールを使ってのコンサートがあります。もちろん、聴きました。シリンダー・オルゴールやディスク・オルゴール、ストリート・オルガンや蓄音機、巨大な自動オルガン等々の音色をいろいろと聴かせてくれて、楽しいものでした。でも、ここでの一番のお楽しみは、各種の体験コーナーです。自分達の手でオルゴールを作るとか、手回しオルガンを自分の手で実際に鳴らしてみるとかいうもの。そして、私達の目をひいたのは1台のピアノ。”大統領のピアノ”と題されたもので、1897年産のスタインウェイなのです。かのトルーマンやアイゼンハワー、ケネディといった歴代の大統領が弾き、又はこれの伴奏で歌ったという、実に由緒あるピアノなのですね、これが。これを自分の手で弾けると言われたら、弾かないわけにはいきません。スタッフの方にお願いして、弾かせてもらいました。看板には、資格として、”上手に弾ける人”というのがあげられているのですが、この際だから、上手でなくてもええやろ、ということで。(^^; で、指を鍵盤の上に置いてみると、確かに違うのがはっきりと分かります。響きがとても豊かで、自分で弾いた感覚と違って、ふわぁっと音が広がっていくのです。一部だけですが、ベートーヴェンの「月光」ソナタ第1楽章や、ショパンのノクターン2番などを弾かせてもらいましたが、その豊潤な響きの中、こんな下手くそで申訳ないという気持ちと、でも弾かせてくれてありがとうという気持ちとで、いっぱいになってしまいます。素敵な体験でした。
これが大統領のピアノだ!
こんなものも見つけました 左=自動アコーディオン 右=どこかで見たような…
- 16:00 朝も早かったし、ちょっと疲れてきましたので、宿へ向かうことにします。駅で荷物をロッカーから出して、タクシーに分乗して、いざ、高原の方へ。途中、道が桜並木になっているのですが、この桜がまた奇麗。まさに今が一番の見頃よん、と咲き誇っているようです。提灯もぶら下がっていたりして、ほんと、早くも春本番という感じでした。
- 今回のお宿は、「花彩亭」さん。大室山の麓にある、いわゆるプチ・ホテルです。客室が全部で6室だけという、実に小じんまりとしたところ。お洒落な雰囲気がとてもいい感じです。チェックインの後、食事までの間、ちょっとだけお風呂に入ります。このお風呂がここの自慢。何と、”バラ風呂”です。浴槽の中に色とりどりのバラの花が浮いているんです。引っ越しのサカイみたいに”何か浮いてるぅ〜”なんて言うてる場合じゃありません(^^;(←古ぅ〜)。ローズの香りがアロマテラピーに効果的であることは知られていることですが、実際に、こうしてバラ風呂に入るなんて、初めてのことです。とりあえずは、妻と2人で、香りを楽しみながら、ざっと湯につかるのでした。
色とりどりの薔薇の花の浮かぶお風呂
- 18:00 夕食。このホテルのもう1つの自慢が、このディナーなんですね。”和食膳付洋食創作ディナー”というもので、前菜のサラダに始まって、マグロのソテー・バジル風にビーフ・シチューと、普通の洋食のコースで進んで、最後にハマチの刺し身やサザエの壺焼き、ホタルイカにご飯の乗った大皿が出てきます。そう、これが”和食膳付”の部分なのですね。その粋な趣向の食事に、十分、満足なのでした。いやぁ、美味しかったぁ。
- そして、今度はもう1つのお風呂、露天風呂の方へ行きます。屋外へ出て、建物の脇にちょこんと小屋が建っていて、そこが風呂場になっているのですね。ちょうど屋根の部分が一部、開けていて、夜空を見渡せるようになっています。あいにく、ちょっと曇っていたので、星をたくさん見るというわけにはいきませんでしたが、ゆったりと湯につかりながら、日頃の疲れを癒すことができました。いい湯でした。その後、もう1回、バラ風呂の方にも入って、さらに体を温めるのでした。
- こうして、夜は更けていくのでした…
- ●3月22日(金)
- 8:00 起床して、ちょっとお散歩に出かけます。ウグイスが鳴いていたりして、空気がとってもさわやかです。桜やその他の花もたくさん咲いていて、ほんま、春なんだなと実感します。ふと振り返って見ると、大室山がとても奇麗にそびえています。ぽっかりとお椀を伏せたような格好になっているのが、どこか愛らしい感じもしますね。奇麗な山です。
お散歩の途中、大室山を眺める
- 8:30 朝食。サラダにスクランブルエッグ、ソーセージにパンという、ごく普通のメニューですが、高原のさわやかな朝ですから、ひときわ美味しく感じます。
ホテルの周りは色とりどりのお花でいっぱい
- 9:45 宿を出発。今日はいろいろと美術館などを見て回るぞ!と意気込んで、まず最初に行ったのは、「ねこの博物館」。名前のとおり、いろんなねこが集まったところです。1Fは”野生ネコの世界”ということで、トラやライオンをはじめ、世界各地に生息する野生のネコ科の動物達の剥製や標本が展示されています。それらの迫力に、おぉ、と圧倒されながら、今度は2Fにあがると、ここが”ねこの美術館”。いろんなねこのグッズが集められています。とにかく”ねこ”なら何でもいいわけで、”魔女の宅急便”のジジや、キティちゃん、ドラえもん等々、いろんなねこが集まっています。あ、阪神タイガースのトラッキーもいました。(^^; ここの博物館のオリジナルというタビクロ君も可愛いな。そして、このフロアに、実際に生きている、いろんなねこちゃん達が集まっています。かごの扉も開けられていて、ねこちゃん達は自由の出入りできるようになっています。もちろん、首輪はつけられていますけど、外に出てきてくれると、実際に手で触れることができるんですね。私も思わず嬉しくなってしまって、もう、触れるねこちゃん達には全部、しっかり、なでなでしてきました。(^^)v(←実はむっちゃ、ねこ好き。)詳しい種類とかは忘れましたが、とにかく可愛いものです。餌を食べている様も可愛いし、きょとんとした表情でこっちを見ているのもたまらないです。それに、触ってみると、どれも毛並みがとってもいいんですね。ふわぁっとしていて、よく手入れされているのが、分かります。抱きしめたいくらい、可愛いものでした。ちなみに、一番のお気に入りは、ダックスフントのように足の短いねこちゃんです。ちょこちょことした動きが、とにかく可愛いのでした。
可愛らしいにゃんこを撮影 右はタビクロ
- そして、このフロアの隣に、ショップがあります。ねこのいろんなグッズが集められていて、見ているだけで、あれもこれもと買いたくなってしまいます。迷った末に買ったのは、ねこのストラップとタビクロのボールペン。妻もタビクロのマグネットとハンドタオルをGET。ねこグッズも可愛いものです。お土産を買った後、一番のお楽しみが、”ふれあいハウス”。一つの部屋の中にねこ達が放し飼いにされていて、自由に触れ合うことができるんです。寝ているねこや走り回っているねこなど、ねこのほんまの生き生きとした表情に触れることができます。私もかつて、実家にいる頃にねこを飼っていたことがあっただけに、余計に可愛らしさが増してきます。ねこが敷き物の下にもぐってごそごそしているのを、上から抑え込んでじゃれてみたりして(おいおい…)、思いっきり楽しむことができました。本来ならば、屋外に”世界のねこちゃん”ということで、ねこ達がいるのですが、あいにく、雨が降っていたので、今日は屋内だけしか見られませんでした。でも、やっぱり、ねこって可愛いものです。十分に堪能できました。
- ねこの次は、「ペンギン博物館」に向かいます。またそんなんかい、と言われそうですが、ペンギンです。(これも好きなので…^^;)ペンギンの生態を説明した展示などもあり、ペンギンについて詳しく知ることができるようになっています。でも、一番いいのは、”ペンギン・アイランドの1日”と題された展示。ペンギンのぬいぐるみを使って、さながらアニメの世界を見るかのような光景が展開しているのです。ウェディング・ドレスを着て結婚式を上げているペンギン、それをお祝いしているペンギン達や、自動車の乗り回しているペンギン、路上で談笑しているペンギン、ブラスバンドのペンギン、釣りをしているペンギン、とにかくいろんなペンギンがいて、それら全部がとっても可愛らしいのです。それに、自動でちょっとは動くようになっているから、そんな動作がまた妙におかしかったりして、もうたまりません。子供のようにはしゃいでしまうのでした。(^^; もちろん、ここにも生きたペンギンはいます。飼育部屋を見に行くと、イワトビペンギンが1羽だけ、表に出ていましたが、じっとしているだけで、ちょっと面白くなかったかな。他のペンギン達も奥の方でじっとしているだけで、う〜む… 別にショーがあるとかいうわけでもなく、今ひとつ、という感じはしてしまいます。でも、部屋の隅に、ここのペンギン達の羽毛の小さな切れ端がたくさん、小箱の中に入れられていて、自由に取っていいようになっているのですね。もちろん、記念にとしっかりと持ち返ってきました。
可愛らしいペンギンがいっぱいのペンギン・アイランド
- そして、お楽しみのお土産。ここのショップも小じんまりとしたもので、先のねこグッズほどではないのですが、可愛らしいペンギンのぬいぐるみ等が所狭しと並んでいます。じぃっと見ていて、ふと気がついた時には小さな赤ちゃんペンギンのぬいぐるみが手の中に。(^^; オリジナルって書いてあるし、可愛らしいから、買わずにいられなかったのですね。大事にすることにしましょう。(^^)
- 12:00 タクシーで一路北へ、「伊豆一碧湖美術館」へ向かいます。ここは、現代フランス画家のジャン・ピエール・カシニョールの絵画を集めた美術館です。展示室へ降りていくと、そこには油絵や水彩画、リトグラフ等々がずらりと並んでいます。それらは、いずれも独特の気品にあふれているようで、とても美しいものばかりです。館内にはBGMとしてフランスのミュゼット音楽なんかが小音量で流れていますが、ほんと、まさにそういう音楽がぴったりとあてはまるような、お洒落な感じの絵が多いですね。パリジェンヌなど女性の姿を描いたものが多いような気もしますが、写実的にリアルに描くというのではなく、どこかぼかしながら、けれど気品は保ったまま、美しさを前面に出してくるというような感じの絵です。何か、シャンソンでも口ずさみたくなるような、そんな気分でぐるりと見てまわるのでした。
これは2Fの喫茶コーナーに飾られている絵画
- 絵を鑑賞した後は、ミュージアムショップへ。ここでは、カシニョールの絵も売られていたりします。ま、そんな高価なものは買えませんが、でも、絵のポスターくらいなら買えます。妻はどうも、この画家が気に入ったらしく、じっくりと販売されているものを見てまわっています。そして、さんざん悩んだ挙句に、選んできたのは、青い海をバックにテラスにたたずむ女性を描いた絵。ちょっと小ぶりのサイズの絵ですが、これにオリジナルの額がついて、なかなかいい感じです。これ、ええやん、ということで、購入に踏み切ったのでした。でも、どこに飾るんだろう…(今のところ、トイレの壁が有力候補。^^;)
- お買い物が済むと、この美術館の2Fに、一碧湖を見渡せる展望台があるので、ちょっと寄ってみます。あいにく、今日は雨が降ったりやんだりという天気で、ちょっと冷んやりともするので、あまり長い時間、景色を眺めていたいという気分ではないのですが、でも、記念にと写真を撮ったりします。小じんまりとした湖なのですね、一碧湖って。何か可愛らしい雰囲気の漂う湖です。
一碧湖を眺める
- 絵画を十分に鑑賞した後、湖沿いにちょっと歩いて、昼食をとることにします。行ったのは「手打庵」というお店。名前のとおり、手打ちのそばを食べさせてくれるというお店。ガイドブックにも載っていたので、美味しいだろうということで、寄ってみたのです。席に着いて、注文をして、待つことしばし。…お昼どきということもあってか、ちょっと時間がかかるようです。店の亭主が、自分で作りはったという水琴窟が外の階段を上ったところにあるとか、自分のコレクションの箸置きやカメラも見ていって、などと話して回ってはりますが、んなことより、早く食いもんを出せ!と言いたくもなってきます。やがて、時計の針は30分を越え、40分を越え、おいおい1時間になるやんか、という時になって、ようやくに注文のそばが出てきます。…ちょっと時間がかかりすぎなんじゃない? そりゃ確かに私達の頼んだのは「三色そば」という、ここの名物で、ちょっと手のこんだものだから、ある程度は仕方ないのかもしれません。でも、私達の後に入ってきた人達なんか、ごく普通のきつねうどんとかを頼んでいるのですよ。それが、私達よりも後になって、1時間も待たされて出てくるというのって、何か、納得がいかないじゃないですか。私達よりも前に入っていたご夫婦も、なかなか出てこないのに立腹されて、もうええわ、と商品が出てくる前に席を立って、出て行かれてしまいましたし、ちょっと問題なんじゃない、このお店って。と、文句を言うのはこれくらいにして、その1時間も待たされて出てきたおそばです。確かに手打ちだなとはっきり分かるくらいに、しっかりとしたコシがあります。また、名前のとおり、3種のそばつゆがあるのですね。これがまた、美味しいんです。それに、そばを揚げたものもついてくるのですね。かりっとした中にそばの味がしっかりついていて、これがまた美味しいんです。更に、そばのかりんとうも。ちょっと味わえないようなものも一緒に楽しむことができて、なるほど、確かに本などで紹介されるだけのことはあると思います。あとは、早く出してきてくれれば、文句なし、ですな。
これが問題の(?)三色そば
- 14:30 一碧湖から再び、南下してきて、「伊豆ガラスと工芸美術館」へ行きます。ガラス工芸などを鑑賞しようというわけです。入り口を入ると、1Fでは”溶け合う和と洋の美”という企画展が開かれています。 ほぉ、と思い、中へ入ってみると、暗い展示室の中には、魯山人とピカソなど、日本とヨーロッパの芸術家達の作品が並べられています。日本の工芸が、どのように欧米の文化に影響を与えたか、というのが、この企画展の趣旨なのですね。ぱっと見た感じでは、実に渾然とした感じで和洋の作品が並んでいるようなのですが、実はそれらの間には、とても深いつながりがあるのですね。ピカソの絵の中に日本の影響が及んでいようとは、思いもしなかったので、これはちょっとした驚きであります。個人的には、ピカソってどうも着いていけないものを感じてしまうので、ちょっと…という感じではありましたけど。(--;
- 2Fに上がると、こちらでも、”ジャポネスクとアールヌーヴォー”とかいうような展示がされています。アールヌーヴォーの芸術の中に、日本の美がどのように取り込まれているか、という内容です。ガラス工芸の中に、日本の浮世絵のような絵模様が描かれているのは、何か妙な感じもして、面白いです。跳び跳ねる鯉とか蛙とか、そんなのが、ガラスのツボ(?)とかに描かれているのです。へぇって感じで見入ってしまいます。しかも、それがヨーロッパ一の工芸品、アールヌーヴォーなわけです。和洋折衷というか、その絶妙なバランスには、ほんと、感心してしまいます。そして、とかく日本的なものを忘れてしまいがちな今日この頃の日々の生活の中で、こんな工芸品が家にあると、きっとほっとできるのだろうな、と思うのでした。
他にも美しい工芸品がたくさん並んでいました
- 展示室を出た後は、例によって土産の物色です。ガラス工芸品がずらりと並んでいます。小さな動物の置物とか、可愛らしいものばかり。でも、妻が興味を示したのが、ステンドグラスの小さな室内灯。コンセントに直接差し込んで、スイッチを入れると中の小さな白熱灯がついて、その光がステンドグラスを通じてふわぁっと温かな明かりとなって、周りを照らすというものです。よく、プラスチック製のものは見かけたりするのですが、これはほんまもんのガラスです。それだけに、結構、どっしりとした重みもあって、豪華な感じもします。どう、これ?と言われたものを見て、いいんじゃない、ということで、即、買ったのでした。ちょうど、このお店の中で、実際に自分達でガラス工芸を作ってみるという体験もできるようになっているのですね。同じようなものを作っている人もいて、へぇ、こんなふうにして作るんだぁ、とちょっと感心、なのでした。
- ガラス工芸の美を楽しんだ後は、またタクシーで一気に海岸寄りの方まで降りてきます。「アンティーク・ジュエリー・ミュージアム」がお目当てです。名前のとおり、アンティークなジュエリー等が展示されている美術館です。建物の中に入った瞬間、何やら外とは違うゴージャスな雰囲気が漂っているのに、ちょっとびっくりしながら、中へ。ヨーロッパの古き良き時代を懐かしむように、ちょっと暗めな照明が雰囲気を作り出しています。そして、入り口でもらった虫眼鏡を手に、展示されている貴重な宝石等を覗きこんでみると、そこには、実に繊細で細やかな工芸が施されていて、思わず、おぉっと声をあげてしまいます。小さな宝石、それを少しでも映えて見えるようにしようと、細かな幾何学模様や、動物などを象ったものなど、まさに至高の技をつくしているようで、ただただ感心するばかりです。また、たまたま近くにいた職員の方の説明を聞きながら、数々のカメオも見させてもらいましたが、これもまた素晴らしいものばかりです。女性の顔を掘っていくのに、普通は平らな横顔で作ることが多いのだが、珍しいことに、ここにあるのは、正面からの顔を立体的に掘ったものなのだとか。普段、こういうものを滅多に見ることもないし、あまり興味もない私ですが、それでも、その芸の細かさには驚かされっぱなしです。妻など女性には、たまらないのでしょうね。熱心に説明を聞きながら、じぃっと見入っていました。
ジュエリー・ミュージアムの入り口。館内の展示室は撮影禁止でした。
- この美術館の目玉は、それらジュエリーだけではありません。何と、アンティーク調の豪華なドレスを着て、記念写真を撮ることができるのですね。(もちろん、女性のみですが。)妻達もやってみようということで、早速に撮影所へ。並んでいるドレスはどれもゴージャスなものばかりで、それらの中から好きなものを選んで着ることができるのです。着るというても、服の上からかぶるようにするので、そんなに手間もかからないのがいいですね。妻は紺色のちょっと豪華なドレスを選択。ティアラを頭に乗せ、手には小道具の扇子を持ち、あっという間に、ヨーロッパの豪邸に住んでいるような若奥様のできあがり。その美しさに思わず、見とれてしまいます。(*^^*) 持ってきたカメラで写真を数枚撮った後は、プロのスタッフによる撮影。こんなん撮るなんて、結婚式みたい、なんて言うてましたが、ほんま、そうですな。スタッフの撮影が終わった後はまた自由に写真を撮っていいよということで、今度は、私も着飾った妻と並んで撮ることに。って、私の方は思いっきり普段着じゃないですか。何かアンバランスやんと思いながら、お互い、ちょっとふざけてみた格好で撮ってみます。私が妻のもとにひざまずいて、ははぁっと御台所に仕える家老、いや、姫君に仕える執事といったふうの写真のできあがりです。何やってんだかと言われそうですが、これもいい思い出です。スタッフの方の撮った写真もデジカメ写真なので、すぐにプリントアウトされて、その場で見ることができます。うん、なかなかいいじゃない。額にでも入れて飾っておきましょうかねぇ。(^^)
- 17:00 そろそろ閉館ということで、外へ出て、近くの「ジュピター」というお店で、ちょっとだけお茶をすることにします。さっきのジュエリー・ミュージアムの職員の方から、ここのプリンが美味しいですよ、と言われたので、さっそくプリンを注文してみます。…結構、しっかりしたプリンで、確かに味もなかなかのもの。美術品等の鑑賞ばかりやってきた疲れを癒してくれるのでした。
喫茶店の入り口のところにこのようなものが。
- それにしても、この辺りも桜並木になっているのですね。喫茶店の窓からも満開を迎えた桜の花がしっかりと見えています。桜ってきれいだなぁ、とぼぉっといつまでも眺めていたい気分になります。でも、そろそろ宿に戻らないと、ということで、またタクシーで宿へ向かうのでした。
- 18:00 夕食。今日は昨日とちょっと違います。最初に刺し身の盛り合せ、次が金目鯛のムニエルに、鴨肉のソテー、最後に鯛メシというメニューです。やはり、伊豆というと魚料理が美味しいのですね。刺し身も盛沢山で、その新鮮な味を存分に堪能することができました。鯛メシもちょっと意表をつくようなメニューですが、各自のところで、それぞれの分を、ミニコンロ(?)で炊くようになっているのです。頃合を見計らって、宿のお兄さんが火をつけてくれて、一通りのコースが終わって、ご飯を、という時にまさに炊き立てを味わえるようにしてくれるのです。いやぁ、実に美味しいものでした。
- 食事の後は、またバラ風呂、露天風呂、そして再度バラ風呂、と、温泉三昧をして、夜を過ごすのでした…
- ●3月23日(土)
- 7:00 起床して、朝風呂を浴びに行きます。今日は天気も晴れていて、朝の露天風呂というのも、すがすがしいですね。朝の陽の光を浴びながら風呂につかり、その後、またバラ風呂に行くのでした。(一体、何回、風呂に入ってるんだ?)
- 8:00 朝食。宿での最後の食事です。それにしてもこのプチ・ホテル、とっても静かで上品な感じで、ほんと過ごしやすいところでした。機会があれば、また来たいものですな。
- 9:45 荷物をまとめて、出発。途中、駅のコインロッカーに荷物を預けて、「テディベア・ミュージアム」へ行きます。入り口のところで、大きなテディ・ベアに歓迎されて、中へ入るとそこには、いろんなテディ・ベアがずらりと勢揃いしています。日本の着物を着たベアや、家族で食卓を囲んでいるといったふうのベア達とか、実に様々。豆粒大のベアなんかも虫眼鏡で見るようになっていたりして、その技の細かさはすごいものです。そして、2Fに上がると、そこには、いろんな映画等のシーンをベア達が再現した展示がされています。「クリスマス・キャロル」や「シンデレラ」、「風とともに去りぬ」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「白鳥の湖」等々、その人間味あふれるベア達の表情には、ほんと驚かされます。今まで、テディ・ベアって、正直なところあまり感心がなかったのですが、こうして見てみると、可愛いだけじゃない、何かしらの魅力が確かにありますね。だからこそ、このようなミュージアムもできるのでしょうね。う〜む、何か考え方を改めさせられたような気がします…
左=入り口のところのベア 右=大っきなベア 名画シーン 左=サウンド・オブ・ミュージック 右=風とともに去りぬ
- いろんなベア達を見て、心も和んだところで、お土産ショップへ。所狭しと並ぶ、テディ・ベアのグッズの数々。そんな中で、1つ、私の関心を引いたものがあります。それは… 今年って、テディ・ベアが誕生してから100年になるのですね。かのアメリカのセオドア・ルーズベルトにちなんで生まれたテディ・ベア、その100周年の記念限定モデルというのがあるのです。その名も何と、「Macintosh」。寄しくも、Appleが発売、業界のトップを行く(?)パーソナル・コンピューターと同じ名前とは、Macな人にとっては、実に感慨深いものですな。結構、可愛らしいし、じぃっと見ていると、買うて買うて、と言うてるようで、どうしようかとさんざん悩んだ挙句、…買っちゃいました。(^^; 命名「マっくん」ということで。(そのまんまやんか。^^;)うちにあるPowerBookと同様、たっぷりと可愛がってあげることにしましょう。うふ。
- 土産の後は喫茶コーナーでお茶にします。ここのケーキがまた、美味しいんですね。ベアの像の並ぶ庭園を見ながら、ほっとするのでした。
喫茶店のテーブルの上にもベアが。
- テディベア・ミュージアムを出て、駅の方へと歩いて行きます。途中、「ステンドグラス美術館」があったので、ちょっと覗いてみます。手作りのオリジナルの作品ばかりが並んでいる、小さな工房といった感じのところです。ステンドグラス等の壁掛けや、細かなアクセサリーなど、いろいろと並んでいます。奥の方には、売り物ではない、大きな作品(お城の模型とか)が展示されていたりして、見ているだけでも、結構、楽しいものです。妻たちはここでも熱心に見入っていて、アクセサリーを何点か買っていました。綺麗なものです。
- ぶらぶらと歩きながら、10分足らずで駅に到着します。駅ビルの中で最後のお土産タイムです。ここの駅ビルって、結構、大きいのですね。いろんなお店が並んでいて、どれにしようかと迷ってしまいます。中でも興味をひいたのが、魚屋さん。やはり、伊豆は魚が美味しいですからね、こういうお店があるのですね。店先で、試食と言うて、お客さん自身で魚の切り身を網で焼いて食べる、なんてのがあったりして、私達もつい、焼いてみてしまいます。焼き立ての魚はとっても美味しいものでした。…なんてことをしながら、職場等への土産を買ったのでした。
- 13:05 伊豆高原発。踊り子号に乗り込み、帰路につきます。もうちょっと長くいてもよかったかなという気もしますな。名残惜しいです。
踊り子号
- 13:49 熱海着。私達はここで下車。妻の家族の皆さんともお別れです。あっという間の3日間でした。別れが惜しまれてなりませんな。
- 14:00 熱海発。新幹線に乗り、西へ向かいます。
- 14:39 静岡着。熱海からはこだま号だったので、ここで乗り換えをします。
- 14:51 静岡発。ひかり号に乗り込み、ようやくほっとします。
- 17:01 新神戸着。ふぅ、帰ってきました。外を見ると生田川沿いの桜が、…まだ咲いてないですねぇ。伊豆ではあんなの咲いていたのに、こっちではまだなんですね。今年の春が東の方が早かったのでしょうか。タクシーを拾って、家へ向かいます。
- 17:30頃 帰宅。我が家へ帰ってきました。今回の旅行もいろんな思い出ができて、いいものだったと思います。特に妻にとっては、久しぶりに家族とも会えたわけですから、余計に実りのあるものだったのではないでしょうか。そして、今年の夏はちゃんと帰省しなきゃいけないな、と思うのでした。普段は離れているからこそ、機会を作って、親とかにも会いに行くようにしなきゃいけないのでしょうね。そんなこともふっと考えさせられた旅行でもありました。