少しだけ

出逢ったときは あたりまえの “出逢い”だと  信じていた
俺の中に とけてゆく 真っ白な雪を見た
俺達は ぬくもりを 肌で感じとっていた
むしろ それは 当然の 成りゆきと信じていた

せまい部屋で 二人生きる 決意は 本気だった
それはあどけない お前との 人生(みち)への覚悟だった
他人としての お前の姿を 信じたくはなかった
少しだけ  時は過ぎ 互いが 歩みだしただけ

おまえとの 暮らしを  少しだけ  振り返るときがきた
出逢った頃よりも  少しだけ  わかりかけてきたから
  
風は 西から東へ 吹いているのに
俺は 西へ向かおうとする お前は 東へ向かう



それは 決して 訣れることじゃなく 知ることと 誰かが言った
愛とはなんて 痛いもの そして 苦しいもの
俺達は 信じてる お互いの 心のうち
失いたくないもの なのに 失うようで恐かった

ようやく お互いが  少しだけ  わかりかけてきたのに
今になって 俺達  少しだけ  わかり直す必要がある
  
風は 西から東へ 吹いているのに
俺は 西へ向かおうとする お前は 東へ向かう

風は 西から東へ 吹いているのに
俺は 西へ向かおうとする お前は 東へ向かう