15.私鉄電車の面白さ
都営地下鉄新宿線 岩本町(2004/09/09) |
国鉄本線モノが趣味の基本だった私だが、あまり熱心ではないとはいえ私鉄電車も好きなジャンルだ。
とりわけ最寄の西武鉄道や、かつて沿線に住んだ京王帝都にはちょっとばかりの思い入れもある。 私鉄電車の魅力といったら、大量増備で標準化された国鉄形にはない独自の個性といったところだろう。 20m3ドア車・冷房車にはダブルパンタの西武、18m車のみで高加減速を誇る京急、 付随車も電動車も中間車には全てパンタ台を装備した京王、編成内の装備機器は全て2組を基本とする東急など 関東私鉄だけでも、上げれば枚挙に暇がない。 通勤で毎日利用する都営新宿線でも、その規模の割にと言っては失礼だが魅力ある編成がある。 10-000系の試作編成がそれだ。 両側を固める4両は1971(S46)年に試作車として三田線に投入、1978(S53)年に新宿線へ移り新製された中間車を組込み。 1988(S63)年には1段下降窓の2両を組込むなどを経て、今に至る8両編成。 窓枠や方向幕位置、車体断面までもバラバラで編成美とは無縁のこの編成も、私鉄電車の魅力を存分に発揮している。 そんな10-000系も、いよいよ秋にはデジタルATC化に伴う置換えがはじまる。 乗り入れ相手の京王6000系も、じきに9000系へ代わってゆくのだろう。 保守管理には標準化が一番の近道だが、こと趣味としてみたとき鉄道車両は「あくまで交通システムの一部」であり その趣味における未来は、なんら保障されていないことをつくづく痛感するのであった。 掲載:2004/09/11〜 |