トップページ → 口唇口蓋裂の概要
口唇裂とは上唇が生まれつき裂けている状態のことをいいます。
人間の顔はいくつもの隆起が癒合することにより形成されていきます。 上口唇・鼻は、妊娠5週〜7週目頃に内側鼻隆起(顔の中央寄りの部分)と その外側にある左右の上顎隆起が癒合して形成されるのですが、 何らかの理由により上口唇の部分がうまく癒合せず、 上唇に亀裂が生じた状態となることがあります。 これが口唇裂です。
口唇裂には、裂の部分が片側か両側か、裂の程度により完全か不完全かなど、いくつかの種類があります。 (ちなみに私は左側完全です)
口蓋裂とは口蓋(口の中の天上部分)が生まれつき裂けている状態のことをいいます。
口蓋は、妊娠7週〜12週目頃に左右の口蓋突起が中央部分で癒合することにより形成されるのですが、 何らかの理由により口蓋の部分がうまく癒合せず、 口の中の天上部分が裂けた状態となることがあります。 これが口蓋裂です。
口蓋裂についても裂けている部分や状態によりいくつかの種類があります。(例えば、硬口蓋裂、硬軟口蓋裂、 口蓋垂裂、粘膜下口蓋裂など)
日本で口唇裂、口蓋裂の赤ちゃんが生まれてくる割合は、400〜500人に1人といわれています。 顔面に発生する先天異常の中では最も高い頻度のものの一つです。 小学校に1人はいるということになりますね。(今は少子化が進んでいるから小学校2つに1人かな)
口唇口蓋裂を発生させる原因はまだはっきりしていないと言われています。
その中で、環境要因(例として、薬、疾患、X線、年齢、など)と遺伝要因とが複雑に絡み合い、 一定の値(しきい値)を越えた場合に異常が発生するというのが有力な説の一つです。 このことから、以下の正しい知識を持っていただきたいと思います。
家系内に患者がいる場合、生まれてくる子供が口唇口蓋裂である可能性は多少高くなると言われています。 その意味では、遺伝の関与は皆無ではないと言うこともできます。 遺伝について疑問や不安を持たれた方は、病院でお話を伺ってみると良いかもしれません。
以上、「口唇裂口蓋裂の総合治療改訂第2版」内に記載されている統計表より。
なお、〔〕内については「口唇口蓋裂の疫学的研究」より。