口蓋裂の手術

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口蓋裂の手術

口蓋裂の手術は、生後約1年6ヶ月前後、体重10kgになってから行われます。 正常な言語の取得という面からは早期に手術を行う方が良いが、顎の発育の面からは早期の手術は望ましくなく、 両者を考慮してこの時期が選ばれるようです。

口蓋裂の手術は単に上あごにある孔を塞げばよいというものではありません。

口蓋裂手術の大きな目的は、長く柔らかい軟口蓋を適切な時期に作成することにより、 良好な鼻咽腔閉鎖を獲得し正常言語を修得させることであり、同時に顎発育を阻害しないことである。
「口唇裂口蓋裂の総合治療」より

とあるように、口蓋の裂けている部分を塞ぐとともに、食べ物を上手に飲み込めるようにとか、 正しい発音を身につけられるように、などの目的があります。

口蓋裂の手術も口唇裂のときと同様に、まずデザインをしてから、実際に切開や縫合を行います (方法としては、粘膜骨膜弁法、口蓋粘膜弁法、Furlow法、などがあるようです。)。 また、口蓋裂の手術法の中には2度に分けて手術を行う方法というのもあります。

手術では通常溶ける糸を使うため、抜糸は行わないようです。

術後約2週間程度で退院できるようですが、退院後にも注意が必要となります。 手術した場所を保護するため、術後約1ヶ月間は硬いものを食べさせないようにしたり、 鋭利な物を口の中に入れないようにしたり、という注意が必要です。

口蓋裂の手術では、口蓋の粘膜(骨膜)弁を後ろへ移動させるため、 術後も口蓋の前方に孔が残ることは往々にしてあるようです。 ただし、よほど大きい孔(5mm以上の孔)でなければ、言語への影響は無いと言われています。
私の口蓋にも術後それほど大きくはないものの孔が残っていました。 ただ、孔が開いていてもほとんど日常生活に支障をきたさなかったので、大学2年のときに舌弁によって閉鎖するまで、 約20年間放置したままでした。

※鼻咽腔閉鎖機能とは、軟口蓋が動くことによって口と鼻の間に壁を作る機能。 言葉を話す時には、この機能によって言葉が鼻に抜けないようになり、 正しい発音で言葉を話すことができます。 また、飲食時にもこの機能によって、口の中の物を飲み込む際、食べ物が鼻のほうに漏れないようにします。

鼻咽腔閉鎖機能の図


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鼻まゆげ
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