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1章 |
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Q&A Top |
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香料 |
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Q |
香料の色について教えて下さい |
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一般的に合成香料より天然香料に色の濃いものが多いといえます。 それは天然香料は単一成分でなく、有色の成分を含むことが多いためです。 また本来無色の香料でも、熱、光、酸素などによる化学変化の結果着色する香料もまります。 このような化学変化しやすい香料は製品の安定性や時には皮膚障害の原因になることもありますので配合に際しては充分注意する必要があります。
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Q |
オークモスは樫の木でなく楢の木に着生する苔が原料という説がありますがどちらが正しいのでしょうか? |
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OakmossのOakは日本の楢、樫のどちらにもあてはまらない木なので混乱がみられますが香料協会では樫をあてています。
ちなみに松や杉など他の樹木に着生する”トリーモス”というものもありますが、品質は少し劣ります。 |
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Q |
製法によって揮発性が異なることはありますか? |
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単体香料の揮発性はその物質の性質ですから製法が違うことで異なることはありません。
しかし、天然香料のように多数の成分で構成されているものは、製法により組成が異なることがあり、その場合は当然匂いが違ってきます。
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Q |
香料の揮発性と香りの強さ、キツさには関係がありますか? |
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揮発性は時間と共にどれだけ蒸発してなくなるかであり香りの強さと関係はありません。 だた、香りの印象とは関係があり、揮発性の高い香料は”軽い”、揮発性の低い香料は”重い”傾向(例外もある)があります。
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Q |
香料(特に合成香料)は人体に害を及ぼすものではないでしょうか? |
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天然香料は安全、合成香料は危険という間違った認識の人も少なくありません。 天然香料であれ、合成香料であれ、香料は化学物質ですので人体に対する安全性は確保されねばなりません。 国際的な安全性基準としては1973年に設立されたIFRA(イフラ:International Fragrance Association)の基準があり、この基準を満たしていれば一応安全ということになります。 IFRAはRIFM(リフム:the Research Institute for Fragrance Materials Inc.)の皮膚刺激、感作性、光毒性などの試験結果を尊重して使用制限、使用禁止などの自主規制をしています。 IFRAの基準は全ての人に対する安全性を保証するものではありません。 基準を満たしていても、人によっては、障害を引き起こすことがあります。 肌に異常を感じたら直ちに使用をやめるべきです。
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Q |
ベルガモットにの「ベルガプテンフリー」とか「フロクマレス」というものがありますがなんですか? |
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ベルガモットに限らず、かんきつ類は多かれ少なかれ”フロクマリン類”を含みこれには光毒性があります。 これを除去(フリー、レス)することで安全性を高めたグレードがあり、調香にはこちらを使うのが普通です。 ただし安全性は常に濃度との関係ですから入っているから危険と短絡的に考えるべきではありません。
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Q |
香料の溶剤にはどんなものがありますか? |
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一般的に香料は水には溶けない親油性物質です。 ほとんどの香料はエタノールに溶けるので香水は香料のエタノール溶液となっています。 しかしエタノールによく溶けない香料もあり、DPG, TEC, BBなどが補助の溶媒として使われます。
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Q |
香料や香水の組成としてでてくる D.E.P とはなんですか? |
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香料の溶剤です。
DEPやDBPなどフタル酸エステルの一番の用途は合成樹脂の可塑剤ですが、無臭で香料との相溶性が良いので、溶解性の向上目的や稀釈、増量目的で頻繁に用いられました。 「用いられた」と過去形になっているのは最近、その環境ホルモンとしての問題点が指摘されたので、ほとんど使用されなくなりました。
現在、香料の溶剤としては、TEC(トリエチルシトレート)、DPG(ジプロピレングリコール)、BB(ベンジルベンゾエート)などが用いられます。 |
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Q |
きんもくせいの香料はどんなものですか? |
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きんもくせい(Osmanthus)は中国では桂花とよばれ、花の溶剤抽出によるアブソリュートがつくられますが生産量はわずかです。比較的簡単な処方で安価な調合香料がつくられるので好んでトイレの消臭剤や芳香剤に用いられます。主な処方成分はPhenylethyl
alcohol、Linalool、Citronellol、Terpineol、γ-Undecalactone, cis3Hexenyl alcohol、Ionon などです。 |
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Q |
シベット香料について |
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シベットはエチオペアに生息する雌雄のCivet Cat(霊猫)にある一対の分泌腺から採取します。集めたパールイエローのペーストは有機溶剤で抽出され、さらにアルコール処理されてアブソリュート香料となります。香水への応用は隠し味としてさまざまな香水に、微量、用いられていますが、花香の拡散性や保留性を高める効果がある貴重な香料です。 私の経験では、ジャスミンがインドールで豊になるように、ローズはシベットで豊になるように思います。シベットが配合されている名香としては、ミスディオールなど、アンバーノートを感じるシプルまたはオリエンタルタイプの香水に配合されているようです。フレコ講座で解説する名香ではイザティスが代表的でしょう。 |
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Q |
動物性香料の採取方法について |
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「ムスク」麝香鹿の雄の下腹部には性誘引物質を分泌するための蜜柑大の袋(香嚢)がある。これを切り取って中のゼリー状の物質を処理して得る。
「シベット」麝香猫の肛門付近にある分泌線から耳掻きのようなもので集めたペースト状の物質を処理して得る。
「アンバーグリス」抹香鯨の体内にできる結石のようなものが排泄され、海に浮遊しているものや海岸に打ち寄せられたもの、あるいは捕鯨で得たものを処理して得る。
「カストリウム」海狸は雄、雌ともに肛門近くに香嚢がある。 この中のクリーム状の物質を乾燥させたものを処理して得る。 |
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Q |
香料はなにに溶けますか? |
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一般的に香料は水には溶けない親油性物質です。ほとんどの香料はエタノールに溶けるので香水は香料のエタノール溶液となっています。しかしエタノールによく溶けない香料もあり、DPG, TEC, BBなどが補助の溶媒として使われます。 |
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Q |
アロマテラピーのエッセンシャルオイルと香水に用いる香料(精油)は同じものですか?同じであるなら、香水にもアロマテラピー効果が期待できるといえますが・・・。 |
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だいたい同じ香料(精油)が用いられます。 だから香水にもアロマテラピー効果は期待できるといえるかもしれません。 ただ、アロマテラピー効果そのものは、民間伝承的にいわれているもので、科学的に証明されていないことが多いので、その点は承知おく必要があります。
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Q |
単離香料にはどんなものがありますか? |
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代表的な例としてボアドローズオイルからリナロールが単離されます。もちろんリナロールは単離だけて製造されるのではなく、アセチレン、アセトン、イソプレン、ピネンなどから合成されます。単離香料は合成香料とは、若干、香りが違うので調香に際しては目的に応じて選択されます。
リナロール以外にはシトロネラオイルからシトロネラールやゲラニオールが、クローブオイルからオイゲノールが、ミントオイルからメントールが単離されます。 |
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Q |
天然香料は品種や産地や製法などにより香りが違うそうですが、合成香料は同じですか? |
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合成香料は単一化学組成のものなので基本的には同じですが、メーカーにより合成法の違い、不純物の量、濃度などが異なるため、若干の違いが生じます。 |
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Q |
シッフベースとはなんですか? |
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アルデヒドが窒素化合物と反応してできる生成物をいう(Schiff Base)。
代表的な例としてヒドロキシシトロネラールとメチルアンスラニレートがある。
チュベローズ、オレンジブロッサムの調香に用いられ、香水ではアナシスアナイス、プアゾン、オスカーデラレンタ、ルルなどにみられる。 |
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