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  <<<<<<【メール講座】日本固有の領土「北方領土」>>>>>>
                        谷 和樹
 NO. 1_________________________★☆★彡

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■■■■■1 「北方領土問題」の歴史的経緯(その1)■■■■■■
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(1) 小渕・エリツィン会談と細川・エリツィン会談

 昨年11月、小渕首相がロシアを訪問した。
 エリツィン大統領と会談して次の合意に達したという。 

┌──────────────────────────────┐
│1北方領土問題の解決を目指すため「国境確定委員会」を設ける。│
│2ロシアの強い要望で、北方領土での共同経済活動に向けての委員│
│ 会設置。                         │
│3旧島民が北方領土を訪問しやすくする。           │
└──────────────────────────────┘

 1993年10月にはエリツィン大統領が来日している。
 細川首相と会談し、合意事項を「東京宣言」として発表した。
 「東京宣言」では北方領土の対象として択捉、国後、色丹、歯舞の島
名を挙げた。
 つまり北方領土問題とは上の四島のことであることを確認したことに
なる。
 さらに解決の基礎として次の二つを明記した。

┌──────────────────────────────┐
│1両国が合意した諸文書                   │
│2法と正義の原則                      │
└──────────────────────────────┘

 わずかではあるが、新たな前進として期待される。
 北方領土問題とは具体的にどのようなものなのだろうか。
 日本の敗戦後50年以上が経過するが、それが今なお解決されていな
い。
 常に両国首脳の会談に含まれる懸案事項となっている。
 これはどういうわけなのか。
 このM講では、北方領土について、少し突っ込んで考えてみたい。

(2) 領土問題

 ア 近代国家

 木村汎氏は近代国家を次のように定義する。

┌──────────────────────────────┐
│「近代国家とは、主権的領域国家である」           │
└──────────────────────────────┘

 すなわち、次のことを基本的な前提として成り立っている。

┌──────────────────────────────┐
│1一定の地域を領有する。                  │
│2その地域内で排他的で自由な統合を行うことが認められる。  │
└──────────────────────────────┘

 上の前提が壊れる時、つまり領土問題が深刻になるのは主に次の2つ
が原因である。

┌──────────────────────────────┐
│1国家的な威信(ナショナリズムの問題)           │
│2具体的な利害関係                     │
└──────────────────────────────┘

 領土が拡大すれば、それを起算点とする領海も拡大する。
 排他的経済水域、漁業専管水域が増大する。
 航行の自由だけでなく、資源もからむ。
 大陸棚や深海底に眠る水産資源。
 石油・ガス・鉱物等の天然資源へのアクセスが容易となる。
 この典型が近年の竹島・尖閣諸島をめぐる問題である。

 イ 竹島・尖閣

 竹島は島根県の行政区域である。
 この領有権問題は1952年の李ラインからはじまる不法占拠が発端
である。
 そこに「大和堆」という好漁場がある。
 これを日韓両国の漁船が操業できる暫定水域にどう含ませるかの問題
がからんだ。
 1953年当時、韓国政府は領海十二カイリを宣言した。
 一方で、竹島周辺で島根のイカ釣り漁船のだ捕を続けていたのである。

 また、尖閣諸島は海底の石油資源を狙う争いである。

 ウ 北方領土

 さて、ようやく北方領土である。
 北方領土問題は戦後処理の不手際が生んだ争いである。
 しかも、漁業安全操業、日本船舶拿捕、旧住民の墓参など様々な問題
を含む。
 たとえば産経Webには次のような記事がある。

┌──────────────────────────────┐
│ 北方領土の周辺海域はカニやカレイなどの好漁場だった。   │
│ だが、昭和五十二年以降、旧ソ連の主張する二百カイリ経済水域│
│に組み込まれて日本漁船は締め出された。           │
│ 北海道と北方領土の間を走る「日露中間線」の北海道側のみが操│
│業エリアとされ、資源枯渇で水揚げも年々減り続けている。   │
│ ロシア側への「越境操業」も頻繁に行われたが、ここ数年はロシ│
│ア国境警備隊の銃撃も辞さない強硬な取り締まり体制が続き、二の│
│足を踏まざるを得ない。                   │
│ 第一管区海上保安本部警備課長の中島敏は「領土の政治的問題は│
│ともかく漁業者に自粛を求めるしかない」と無力感をにじませる。│
│ 逆に日本領内でのロシア船の操業は大手を振ってまかり通ってい│
│るという。                         │
└──────────────────────────────┘
(この項続く)
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第1回ここまで

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