ゲ・ドーダの「おいしいパスタの作り方」

更新日 2001年07月11日


LEVEL-02 「ペペロンチーノ」。作り比べでわかる。小さくて大きいその違い。


パスタ通の人達に言わせると、
「最も簡単で、最も難しいパスタ料理」とまで言われる「ペペロンチーノ」。

にんにく風味のガーリックオイルと赤唐辛子でスパゲッティを和えただけの、
とってもシンプルなスパゲッティは、そのシンプルさゆえに難しいと言われるのでしょう。

そんなペペロンチーノ美味しさの決め手は「あつあつ」を食べることなのです。

ちなみに、ペペロンチーノって、イタリア語で「赤唐辛子」のことです。



「ある日のペペロンチーノ」 1人分




1.ここでやること

 「ペペロンチーノ」はにんにくと唐辛子を使ったシンプルなスパゲッティですが、パスタ好きの間では「もっとも簡単で、もっとも難しいパスタ料理」などと言われています。
 と、いっても作り方は本当に簡単ですので、ご安心を。

 また、よく言われる話としては、「ペペロンチーノに使用するスパゲッティは1.3mmの細い麺を用いるのが常識」ということもありますが、私個人としては、お好みに合わせて、好きなようにアレンジしても良いかと思います。

 今回は、まず、ペペロンチーノの「一般的な」レシピを紹介します。(ちょっとしたパスタ屋さんが用いているもの。)
 そして、あくまで私見なのですが、「首領Yのアレンジ」を載せておきます。

 すでにここまでクリアしてきた人であれば、ペペロンチーノを作ること自体は全然問題ないと思います。
 それよりも、「自分風」のペペロンチーノのレシピを詰めるほうに興味がいくと思います。

 ぜひ、ペペロンチーノでは、色々なパスタ、色々なレシピを自分なりに研究して、何度も作って、「小さくて、大きい、その違い」を味わって欲しいと思います。
 
 あと、LEVEL−01で紹介した調味料は、ぜひ、揃えておいてくださいね。




2.用意するもの

 今回紹介するペペロンチーノの具はいたってシンプルです。
 ペペロンチーノは「自分で食べたいように、好きに作るのが一番」だと思っているんですが、とりあえず、一般的な説明をしておきます。 



 ・スパゲッティ(1.3mm〜1.4mm 約80〜100g)

 ・ガーリックオイル
   生にんにく 大1かけ
   とうがらし(鷹の爪) 1〜2本
   エクストラバージンオイル 大さじ1杯

 ・塩 小さじ1/4杯(適量)
 ・パセリのみじん切り 大さじ 1杯
   


・スパゲッティ

 ペペロンチーノの場合、一般的には細めのスパゲッティを使いますので、今回は「ディ・チェコ」の10番「フェデリーニ」を紹介します。

 「フェデリーニ」の包みには「太さ約1.4mm」と書かれており、一見、「そんなに細くないよなあ」と思いがちですが、出来上がりは想像以上に細い麺です。
 また、ゆで時間は5〜6分と短いので、ゆでるタイミングに気をつけてください。

 これまで紹介したソースでは、ここまで細い麺を使うことはなかったと思いますので、おそらく、このフェデリーニの茹で上げは戸惑うかもしれません。
 これまで実際にゆでながら食べて確認をしていた人にとっては、どの程度の食感でOKなのか分からないうちに、気がついたらボイルオーバーになる可能性があります。
 フェデリーニの場合、時間を特に気にしながら、早めにゆで上げるようにしましょう。
 






3.作り方

1.とうがらしを輪切りにします。

 とうがらし(鷹の爪)は、お湯で柔らかくもどして、ヘタと種を取り除き、3〜4mmの幅に輪切りにします。
2.にんにくを切ります。

 にんにくはスライスと輪切りの2種類を使います。
 実の真ん中はスライス用に使い、両端はみじん切り用に使います。
3.にんにくの芯を取り除きます。

 スライス用のにんにくは芯を抜いておきます。
 (芯は真ん中に走っている色の違う部分です。)
 つまようじなどを使って、芯を取り除きます。このとき、芯と実の間にある「薄皮」も一緒に取り除きます。
4.にんにくをスライスとみじん切りにします。

 芯を抜いたにんにくは写真のように繊維に垂直にスライスします。
 (幅は1〜1.5mmくらい。あまり薄くしないこと)
 残ったにんにくはみじん切りにします。

 にんにくはみじん切りにする前に、包丁の腹で潰しておくと切りやすいです。
5.鍋ににんにくとオイルを入れます。

 パスタを和えることが出来るサイズの鍋に、にんにく(スライス、みじん切り)とエクストラバージンオイル(大さじ1杯)を入れます。

 (これまで同様、オイルや鍋は加熱せず、にんにくを入れます。)
6.にんにくを炒めます。

 弱めの中火で、にんにくをムラなく炒めます。
 
 にんにくが色づいてきたら弱火にし、焦がさないように気をつけながら、じっくりと炒めます。
 (オイルににんにくの香りを染み込ませるようにします)
7.スパゲッティをゆで始めます。

 このタイミングでスパゲッティをゆで始めます。
 今回の「フェデリーニ」の場合、お湯はたっぷりめにし、塩加減は強めにします。
 (水2リットルに対し大さじ1杯強)

 また、必ず時間を計ります。(出来れば次回のためにも記録を取りましょう)
 
 ※今回は4分30秒で上げてみることをお勧めします。
8.鍋にとうがらしを入れます。

 にんにくが色づいたら、とうがらしを入れ、さっと炒め合わせます。
 (ちょっとだけ強火にし、にんにくを焦がさないように木ベラで混ぜ合わせます)

 とうがらしに軽く火が入ったら一旦、火を止めます。
 (火を止めた後も余熱でにんにくがこげないように、しばらく木ベラで混ぜ続けます)
9.塩を加えます。

 鍋の温度が落ち着いたところで、用意しておいた塩を振り入れます。
 また、このとき、オタマもしくは計量スプーンを用意しておいてください。
10.湯で汁を加え、塩を全体に行き渡らせます。

 塩を入れたらすぐに、湯で汁(40〜50cc)を鍋に入れ、木ベラで全体を混ぜ合わせます。
 湯で汁で塩を全体に行き渡らせ、スパゲッティと和わせるときに、味が行き渡るようにするのがポイントです。
 
 ひと混ぜしたら、中火でちょっと煮立てます。
11.スパゲッティの固さを確認します。

 ゆで始めから4分経過した段階でここまで来ていればいいんですが。

 トングでかき回しながらスパゲッティの固さを確認します。
 この段階で、「これじゃちょっと固いのでは?(食べられなくはないけど)」という状況だと思いますが、ここから一気にソースを完成させ、スパゲッティをゆで上げます。
12.パセリのみじん切りを加えます。

 ソースを一煮立てしたら、火を止めてパセリのみじん切りを加えます。
 (火は止めておきます)
13.軽く、ひと混ぜします。

 火を止めたまま、木ベラで軽くひと混ぜします。
 (パセリをソースに散らします。)
14.スパゲッティをゆで上げます。

 4分30秒ちょうどを狙い、スパゲッティを一気にザル上げします。
 ザルに上げた後、水を切りますが、あまり外気に当てて冷まさないようにし、トングなどで「さくっ」と一かき混ぜする程度にしておきます。
15.お皿を温めておきます。

 毎度のことですが、ペペロンチーノは「あつあつ」がキーワードになりますので、お皿は盛り付けるギリギリまで温めておきます。
 (水気はしっかりと除去します)
16.エクストラバージンオイルを一滴らしします。

 好みによりますが、エクストラバージンオイルを、スパゲッティを和える直前に一滴らしします。(風味付け)
17.スパゲッティを鍋に入れます。

 スパゲッティの水を十分に切ったら、ソースの入った鍋に一気に入れます。
 (火は使いません)
 菜ばしを用意しておき、即座に和えられるようにしておきます。
18.手早くソースを和えます。

 木ベラと菜ばしを使って、ソースを手早く和えます。
 このとき、パセリがスパゲッティに均等に絡むように鍋の底のソースを木ベラで取りながら混ぜ合わせます。(あまり外気に触れないように、熱を維持します)
19.器に盛りつけます。

 お皿が熱く、水分が除去されていることを確認してから盛り付けます。

 ※すぐに食べましょう。


4.レシピのアレンジ

 上記のレシピをそのまま作った場合、食べてみたら「あまり美味しくない」と感じたかも知れません。
 と、いうのは、今回使ったパスタ「フェデリーニ」は、数あるリングパスタの中でも相当に茹で上げの難しい麺だからです。
 フェデリーニは太い麺と異なり、アルデンテを意識して固めに茹で上げてしまうと、それこそ食感は台無しになります。
 特にペペロンチーノは「麺の仕上がりと「ソースの仕上がり」」がダイレクトに出るスパゲッティです。
 ペペロンチーノでは、麺がソースの味をダイレクトに表わすため、塩のバランス、辛さのバランス、そしてにんにくの風味がはっきりと分かります。

 「ペペロンチーノは本当に難しい」。これはよく言われることですし、私もつくづく感じています。
 しかし、「難しいから上手に作れない」というのではなく、多少、作り方を変えてでも「自分の食べたいペペロンチーノ」に仕立て上げたいと思います。

 ここでは、「自分にとっておいしいペペロンチーノ」のためのアレンジの方向を(あくまで私見ですが)紹介したいと思います。

 

1.スパゲッティの選択

 今回使用したディチェコの10番「フェデリーノ」は掛け値なしに「難しいパスタ」だと思います。
 (この下に9番があるが、これは「カッペリーニ」なので、ペペロンチーノに使うことはないと思います。が、これもアルデンテに茹でるのは相当に難しい。)
 ただ、ディチェコのスパゲッティはどれも相当においしく、特に11番(スパゲッティ1.6mm)のコシの強さは「さすがディチェコだっ」と感じます。
 しかし、現実問題、スパゲッティはおいしく茹でられてナンボですから、麺の銘柄と太さを見直してみるのも方法です。

 まずは、「自分流ペペロンチーノ」の麺の太さを考えてみます。
 特に日本人の場合、スパゲッティは「太い麺」のほうが好まれるため、ここは表示1.7mmの国産品を早めに茹で上げてペペロンチーノに使ってみるのも一つの方法です。
 (個人的にはオーマイの1.7mmを7分茹で上げした状態が好きなのだか。)
 
2.にんにくとオイルの選択

 にんにくはペペロンチーノにとって唯一の具になります。
 理想はスライスしたにんにくが強いキツネ色に仕上がっていながら、みじん切りのにんにくは焦げていない状態なのですが、これがなかなか難しく、また、オイルににんにくの風味が上手く移っていない場合も、やっぱり物足りない味になります。

 そこで、あらかじめ「ガーリックオイル」を作っておくのも方法の一つです。
 ここで言う「ガーリックオイル」は、にんにくのスライスを漬け込んだオイルのことで、最近では市販品の状態ですでに出来上がっているものもあります。
 また、みじん切りの生にんにくとともに、乾燥にんにく(LEVEL−01で紹介した調味料)を細かく砕いて、風味を増す方法があります。

 また、エクストラバージンオイルの銘柄を色々換えてみても良いでしょう。
 
3.パセリの投入タイミング.

 今回のレシピで上手にパセリを麺に絡めることは出来たでしょうか?
 上手く絡めることが出来なかった場合、パセリが固まってしまい、見栄えが悪くなることがあります。
 今回のレシピではパセリがお湯で溶かれますが、いっそ、スパゲッティとソースを混ぜ合わせるときに振り掛けるのも方法です。
 この方法であれば、パセリのことを考えずにソースを和えることに専念できます。
 (私は個人的にこの方法が好きです。)
 
4.ゆで汁と塩

 ペペロンチーノの直接の味は塩です。
 ですから、この塩加減さえ上手く決めてしまえば、とりあえず食べられるスパゲッティになりますので、邪道中の邪道になりますが、スパゲッティとソースを和えるときまで、塩と湯で汁を入れず、和えている途中で「塩入り湯で汁」を加えて味を整えるのも方法です。

 要は、湯で汁を別皿にとっておき、そこに塩を強めに溶かし込んでおくのです。
 そして、スパゲッティを和えているときにこのスープを足しながら味をみていけば、とりあえず塩気は調整できます。
 



 今回のペペロンチーノはいかがだったでしょうか?
 作り方が簡単なペペロンチーノは、その簡単さゆえに、細かいレシピ(麺の太さとか、使用する調味料)が一般的な「決まりごと」となっているようです。

 そのため、今回は「(おそらく)一般的なレシピ」を紹介しましたが、個人的には、「自分にとっておいしく作る」ことが一番大切なことのような気がします。
 ペペロンチーノでは「にんにく」「とうがらし」「塩」「パセリ」、そして「オリーブオイル」だけが「使用できる調味料」とされていますが、隠し味にアンチョビソースをちょっとだけ入れてみたり、タイム(ハーブ)を振ってみたりしても、良いように思います。
 (たとえ、それがペペロンチーノと呼べないとしても、それで良いと思います。)

 ペペロンチーノは手持ちの材料だけで簡単に作れて、しかも飽きのこないスパゲッティです。
 ぜひ、色々とアレンジをして、ペペロンチーノの「小さくて大きい、その違い」に挑んで欲しいと思います。

 ちなみに、首領Yの「私らしく」なレシピは、「4.レシピのアレンジ」のとおりです。

 次は、ペペロンチーノの基本を使った簡単なスパゲッティ、「しめじのバターしょうゆスパゲッティ」です。
 ペペロンチーノで用いた「ガーリックソース」をベースにしたキノコ・スパゲッティです。
 引き続き読んでいただければ幸いです。

LEVEL−12にいく!






LEVEL−11 「ペペロンチーノ」。作り比べでわかる。小さくて大きいその違い。



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