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雑記 − 私の周りの何やかんや (5/5/2000) |
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TOURIST(4) − シンセン往復記 |
| ●初めてのシンセン |
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実はシンセンに行ったのは今回が初めてです。香港には何度も行っておきながら、シンセンに足を伸ばさなかったのは、正直言ってシンセンという場所に興味がわかなかったからでした。しかし、「香港にはない大規模な書店がある」という話を聞いて考えが変わり、行ってみようという気になったのです。 今回はさいわい、香港在住の同業者で、日ごろメールで情報交換している貞松謙一郎さんにご同道いただきました。貞松さんは広東語・北京語の通訳・翻訳者で、マスメディアの取材や商談の通訳など幅広い分野で活躍されています。(貞松さんのホームページはこちら)今回は道中いろいろ助けていただきました。あらためて感謝申し上げます。 |
| ●混みあう車内 |
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さて、1月下旬の金曜日昼過ぎ、MTR(地下鉄、尖沙咀→九龍塘)およびKCR(九廣鉄路、九龍塘→羅湖)利用という最もポピュラーなルートでシンセンに向かいました。KCRは、平日の午後だというのにかなり混んでいました。なぜかというと、香港の景気が悪くなってから、シンセンは香港人のお買い物エリアと化したからだそうです。香港に比べれば物価がだいぶ安いので、シンセンまで出向いて野菜などの食料品から日用品各種にいたるまで、いろんなものを買い込むのだとか。 私が香港に住んでいた十余年前を思うと、にわかには信じがたい話です。当時は景気が上昇のさなかにあり、「シンセンなんて田舎くさくてダサい(←って死語?(笑))」という空気があったように思います。 しかし、今は虚を捨て実をとる人が多いためか、KCRの車内は、ちょっと揺れれば立っている人の方がぶつかり合う程度には混んでいました。貞松さんいわく、車内はスリが多発するので要注意、また、KCR終点の羅湖駅の降車ホームは特に気をつけるべし、とのことです。実際、羅湖駅に降りてみたら、砂時計の砂が真ん中のくびれでなかなか落ちないのと同じような感じで降車ホームに人の流れが悪くなる場所があり、いかにもスリが目をつけそうでした。 気をつけたほうがよいという話が出たついでに書いておきますが、羅湖駅前の商店の両替(副業として無免許でやる、いわばヤミ両替)も、危ないそうです。ニセ札をつかませたり、「俺のところで換えないとひどい目に遭うぞ」と両替を脅迫したりする輩がいるとのことです。ニセ札は、台湾に偽造組織があって比較的大量に出回っているようです。実際、その後行った『書城』のレジには、「ニセ札没収」のはり紙がありました。実際に没収されるケースがあるということなのでしょう。 |
| ●ビザをとる |
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羅湖駅の改札を出ると、すぐに香港側のイミグレーションがあります。ここでまず出国手続(正確には「国」ではありませんが、日本語の習慣にそって「出国」「入国」と記述します。)をします。かなり多くのゲートが開いていたので、スムーズに出られました。次は中国側のイミグレで入国手続をします。 香港と中国の境界には橋があり、中国側のイミグレに行くには、そこを歩いて渡ります。「特別行政区」(香港)と「経済特区」(シンセン)という一見似たような名前の場所を結ぶ橋ですが、実態はいかに違うかを、その橋を渡ってから痛感することになりました。 ビザの発給窓口。シンセンだけの滞在なら、ビザは申請したその場で発給してもらえます。ガラスの向こうに座っている数人の係員は、男女を問わずみな仏頂面です。何かそんなに不愉快なのか、顔に表情がありません。ルーティンな仕事をいやいややっているのが、明らかに見てとれます。そして、係員が私のパスポートを返却する際、ポイっと投げてよこしたのを目の当たりにした時は、ひと昔前の中国を思い出してなつかしささえ覚えました。 ひと昔前とは、私が天津に留学していた1980年代半ばのことです。当時、改革開放路線がまだ始まったばかりで、国有経済が主体だったので、「市場での競争」はほとんどありませんでした。商品とは「店側が客に売ってやるもの」、という売り手市場的感覚がまだ強く残っていたようで、店員がつり銭を客に投げてよこすという、日本人にしてみればきわめて不遜な行為は決して珍しいものではありませんでした。 市場経済化が進んだ中国で、その不遜はすっかり影をひそめたのかと思いきや、あるところにはあったのです。改革開放の先鋒とも呼べる役割を担ったシンセンにも。しかし考えてみれば、お役人の仕事に「不遜」が感じられるのは当然なのかもしれません。ビザを出してくれ〜、とお願いしている見ず知らずの外国人に、ビザを「発給してやっている」エライ人たちなのですから。 |
| ●書店 |
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入店するとまず、1階の入り口で貴重品以外の荷物をすべて預けるしくみになっています。万引き防止のためなのでしょう。日本人的感覚からすると、荷物を預けるなんて、自分が「万引き予備軍」だと思われているようであまりいい気分ではないし、万一預けた荷物が破損したり行方不明になったらどうするんだ、という心配もしてしまうのですが、まあ「郷に入っては郷にしたがえ」なので、素直に預けました。もっとも、ひと昔前のように閉架式で、店員にいちいち「あの本棚にある本を見せてくれ」と頼まねばならなかった頃に比べれば、「自選」式のほうが、荷物を預ける手間を差し引いても格段に便利です。 店内はゆったりしています。本棚の本棚の間が狭くて、人がいると通れない1車線通路の書店が日本には多いですが、ここは3〜4車線くらいあります。本棚の本も、取り出すのに困るくらいびっしり並べていることはなく、隙間があったり、同じ本が数冊いっしょに並んでいたりします。現時点では、商品の数に比してハコがやや大きすぎるのかもしれません。それでも、私には十分に来店に値する店でした。 |
| ●イミグレ大混雑 |
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書店での買い物を済ませた時点で、午後4:00を過ぎていました。次のアポがあるので、すぐ香港に戻らねばなりません。この時間帯、買い物にきた香港人が帰宅するピークでもあります。 イミグレーション混みそうだなあ、という予感が果たして的中してしまいました。中国側の出国手続きは比較的スムーズに行ったのですが、香港側の入国手続きにはやたらに時間がかかりました。 香港の住民とそれ以外の人では入国手続のフロアが異なります。ならば、非住民の手続きはスムーズに行くのかと思いきや、すさまじい人数の行列ができていました。(もちろん、香港住民のフロアも相当混んでいたようです。) 自分の番が来るのをひたすら待っていましたが、なかなか進みません。並びながら観察したところによると、「中国内地」の人の審査にやたら時間がかかっている模様です。ただし、「中国内地」の人でも香港への通行証を持っている人は、専用の窓口があるのですぐに手続きができます。実質的には、通行証保有者イコール特権階級だそうです。 「中国の家族連れは審査に時間がかかるから、なるべく家族連れが少ないところに並ぶべし」という貞松さんのアドバイスにしたがって、少ないところに並んだのですが、もはや審査の遅さはどこも同じようなものでした。 結局、入国手続きを済ませてKCRに乗り、香港でのアポの場所にたどりついたら1時間の大遅刻でした。香港特別行政区の担当者に、中国内地とそれ以外の外国人の窓口を別にするよう要請したいものです。担当者がこのページを読んでいるとはとても思えませんが……(笑)
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YAKO, Kimie(C)2000-2002