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後立山 鹿島槍東尾根 (2002年4月27日〜29日)

メンバー: L中谷、小川、甲谷

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テントサイトの二ノ沢の頭をバックに斜面を登る、中谷さんと小川さん。

 

 

 

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第1岩峰基部

 

 

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第2岩峰

 

 

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第2岩峰を登り切った小川さん。

 

 

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第2岩峰手前のジャンクションに到達した後続パーティー

 

 

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鹿島槍北峰からの剣岳

 

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キャンプサイトの二ノ沢の頭から見た東尾根核心部。ルートを記入した画像はこちら→0205b30_.jpg

 

4月27日
天候:晴れ
タイム:大谷原林道ゲート8時35分、林道東尾根取付き点9時5分、一ノ沢の頭13時5分、二ノ沢の頭14時15分(C)

 AM3時、大谷原の駐車場に着き、テントの中で仮眠。7時30分起床、腹ごしらえをして出発。林道は大冷沢に架かる橋の先にあるゲートまで車で入れたのでそこに車を停める。

 東尾根への取付きは大冷沢沿いの林道を30分ほど歩き、踏み跡と小枝に目印のつけられた土手から山腹を40分程のぼり尾根下部に到着する。その山腹には全く雪が無く、ところどころにカタクリが咲いていた。またウグイスなど鳥のさえずりがしきり無く聞こえる。

尾根下部から一ノ沢の頭にかけては、一ノ沢の頭直下の急斜面を除いて、これといって特徴のあるルートではない。
広い一ノ沢の頭では、すでに4〜5パーティーが幕営の準備をしていた。中には、迫力ある東尾根上部の景色を眺めながらのんびり雪面で湯を沸かしお茶の準備をしている人や、大きな雪洞を掘っているパーテイーもあり、春山の長閑さが漂っている。

 我々の幕営地点は、この人の多い一ノ沢の頭をさけ、さらに一段上の二ノ沢の頭へあげることにして先に進む。
一ノ沢の頭から二ノ沢の頭へかけては今までの広い尾根筋から痩せ尾根へと様相が変る。一ノ沢の頭よりはるかに狭い二ノ沢の頭には3人パーテイーがすでにテントを張っていて、我々はその横を整地してテントを設営する。

 

4月28日
天候:晴れ
タイム:二ノ沢の頭6時10分、第1岩峰基部10時10分、鹿島槍北峰着12時50分、発13時5分、第1岩峰基部15時30分、二ノ沢の頭16時45分(C)

 アイゼンと登攀具を装着して出発する。核心部の第1岩峰まではきつい斜度ののぼりやトラバースの連続でアイゼンを効かしながら慎重に足を運ぶ。しかし雪面は安定しており、しかも天候は微風快晴最高のコンデイション。おまけにピストン行程で軽身のため小気味よく高度を上げることができた。

 第1岩峰基部で我々より30分位先に出発していた、同じ二ノ沢の頭にテントを張った3人パーテイーに追いつき彼らと言葉を交わす。
第1岩峰の登攀は、3人ともアイゼンを着けたまま中谷さんのリードで、小川、甲谷の順にのぼる。50メートルほどでザイルを解き、浮石の多いルンゼ状急斜面を落石を起こさないよう慎重にのぼる。
第1岩峰を越えると、また安定した雪面の斜面やナイフリッジとなり、次の核心部、第2岩峰基部に到着する。

 第2岩峰では完全に岩が露出しているのでアイゼンを外す。また中間にあるチムニーまではホールドのしっかりした右肩のリッジから簡単にのぼれる。しかし、中間のチムニーの乗越しには残置ハーケンにカラビナを掛けて攀じり、そのカラビナを自力で外すことが出来ず、後続の小川さんに回収してもらうという”ズル”をする。

 第2岩峰を越えると、またまた安定した雪面の斜面やナイフリッジとなり、眼下には雪に埋もれたカクネ里など今まで以上の絶景が広がる。そして天狗尾根と合流するコブを越え、ほどなく目指した鹿島槍の北峰に達した。

 帰路、天狗尾根との合流点付近で、途中追い越した3人パーテイーを含め、後続の6〜7パーテイーとすれ違う。彼らのほとんどは鹿島槍頂上から縦走路をたどり冷池山荘にテントを張り、明日赤岩尾根をくだるらしい。そして第2岩峰に取付いているパーテイーが登り切るのを待つため40分ほど雪稜の上で暫し休憩する。その休憩している時、翼で風を切る音が聞こえる近さにグライダーが飛来しその後、荒沢上空を旋回しながら高度をあげ優雅に視界から消えていった。

 第2岩峰のくだりは50メートルのザイルダブルで十分余裕を持てる高さだ、しかし、回収時のザイルの流れが悪く、2段に分けて懸垂をする。その上部でのザイルの回収に祭しては後続のパーテイーに力を貸して頂いた。

 のぼりでザイルを使用しなかった第1岩峰と第2岩峰以外の雪の斜面でもスピードアップを考慮し、躊躇せずザイルを使用した。

 第1岩峰のくだりは、基部にテントを張り、明日鹿島槍を越えるという群馬岳連(太田山岳会)の方々のフィクスザイルを、ご好意に甘え使わしていただき懸垂の時間を短縮させてもらう。

 幕営地の二ノ沢の頭に着いたのは16時45分。ヘッドランプを使用することはなかったが暗闇になる寸前の到着であった。第1岩峰ののぼりでの順番待ちや、帰路すれ違うパーテイーをやり過ごすための時間ロスなどあったが、最高のコンデイションの中、日中いっぱいの行動で楽しくそして充実した一日であった。

 

4月29日
天候:晴れ
タイム:二ノ沢の頭8時30分、一ノ沢の頭9時00分、林道東尾根取付き点11時20分、大谷原林道ゲート11時40分

 日が昇りだしても誰も起きる気配無し。今日も良い天気。テントに日があたり、温かくなってきたので仕方なく起きる。
のんびり朝飯を済ませて、のんびり下山にかかる。一ノ沢の頭より下の樹林帯では往路同様野鳥のさえずりを聞きながらくだる。

下山後はいつものパターンで大町温泉郷の薬師の湯に浸かり汗を流す。

 

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