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前穂高岳北尾根 (2002年9月28日〜29日)

メンバー: L中谷、澤田、西名、甲谷

 

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5・6のコルから奥又白と徳沢方面

 

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3・4のコルから。眼下の涸沢に、涸沢小屋と涸沢ヒュッテのふたつの山小屋が見える。

 

 

 

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3峰の最終ピッチ

 

9月28日

天候:雨
タイム:上高地9時、涸沢14時30分

 沢渡の駐車場で朝、目を覚ますと本降りの雨。この前の9月14日、北岳バットレスに臨んだがこの時も雨で途中断念。
きっと我々のメンバーの中に雨男がいるのだろう。「だれだ! 雨男は」。

 この雨では気乗りがしない。しかしリーダー中谷さんの闘志に引かれて上高地を出発。
横尾あたりでは一時ほとんど雨もあがり以降の回復を期待したが、本谷橋から涸沢までの行程はまたまた本降りの中となる。

 ともあれ、今日の幕営地涸沢に着きテントを設営する。
今日一日の行動中、中谷さんは雨具を着ず、傘で雨を凌いだの対し、ほかの3人は撥水性素材の雨具を着用した。
テントの中で濡れ具合を比較してみると皮肉にも雨具着用の3人はずぶ濡れなのに対し、中谷さんはほとんど濡れていない。
以前より、撥水性生地の防水性や蒸れに対する有効性に疑問を持っていたが、今回はその疑問を増幅させることになった。

 夕方よりほとんど雨も上がり、明日の天候回復を期待する。




9月29日

天候:晴れ時々曇り
タイム:涸沢5時40分、5・6のコル7時15分、3・4
のコル8時45分、前穂頂上11時10分着、同11時50分発、上高地16時

 朝目を覚ますと雨は完全に上がり青空も広がってきた。どうやら雨男の呪縛もそれ程強い物でも無いようだ。昨日の雨で濡れた服も乾き、さらに秋の乾いた空気の中、爽快気分で5・6のコルを目指す。

 涸沢を出発した頃は、まだ穂高の主稜線は低い雲に隠れていたが5・6のコルに着いた頃より、雲は高く上がり主稜線が見渡せるまでになる。
5峰から4峰の大雑把な岩場を浮き石に注意しながら登り、順調に3・4のコル到着する。

 3峰が北尾根の核心部。4年前の6月以来2度目である。トップ中谷、次いで澤田・甲谷・西名の順番でザイルをつなぎ、1ピッチめを左側に大きく廻り込むようにスタッカットでのぼる。その1ピッチめを2番手の澤田さんが取付いているときに、後続の2人パーティーが追いついてくる。彼らとは、今日好天に恵まれたことや、我々の目の前を戯れるように飛びかうホシガラスの事などについて言葉を交わす。

 4年前はまだ残雪期だったので冬用のプラブーツでのぼったが、今回は快適にのぼるつもりでフラットソールを持参し、他のメンバーより楽をさせてもらう。そして3峰の頭まで4ピッチに小さく刻んでのぼる。

 3峰の頭でザイルを解き、2峰の短いくだりは安全を期して再びザイルを使用した。そして最後の頂上直下右側を周り込むようにして頂上に達した。

 頂上でお茶を沸かし、休憩していると3・4のコルで出会った先ぼとの2人パーティーも元気に到着し、あらためて自己紹介を交わす。と・偶然にも彼らは我々が勤める会社とは同一業界のひとであることがわかり、意気投合し山頂で一緒に記念写真を撮る。

 そしてあと一日掛けて、奥穂から西穂へ縦走するという2人パーティーと頂上で別れ下山開始。2ケ月前の重太郎新道日帰り往復から比べれば、気温も適度に低くラクチン。上高地へは余力を持って到着。

 

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