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剣岳 本峰南壁A2リッジ(2001年8月11〜13日)

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前剣付近一般ルート上


 

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剱沢キャンプ場と剣岳本峰

 

 

 

メンバー: L中谷、和田、澤田、甲谷

8月11日
天候:晴れ
タイム:室堂8時40分、別山乗越11時05分、 剱沢キャンプ場(C)12時00分

 扇沢駅から朝一番満員のトロリーバスやケーブルカーを乗り継ぎ室堂8時30分着。心配していた天気も晴れ。
今日は雷鳥沢へ一旦くだった後、別山乗越を越えてキャンプ場のある剱沢までの短い行程である。入山初日の行程が短いのは気分的に楽だ。
雷鳥沢から別山乗越までの登りも途中1本立てて、難なくこなす。

 剱沢へ到着し、先着のテントでほぼ満杯状態のキャンプ場にわずかにあいていた平地を選び、テントを設営する。
その後のんびり外で昼食をし、くつろいでいると次第に天気は下り坂そして少し雨が降り出す。



8月12日
天候:曇りのち雨(午後より雷雨)
タイム:剱沢キャンプ場(C)4時50分、 平蔵のコル7時30分、 南壁A2基部8時00分、 剱岳山頂10時35分、 剱沢キャンプ場(C)15時00分

 夜中寝ている最中、テントを叩く雨音がうるさい、それに一般ルートに毛の生えた程度とは言うが久し振りの登攀である。緊張で少し寝不足気味。

 A2リッジへの取り付きは別山ルートを剣岳本峰直下、平蔵のコルまで行き、そこから東側のガレたルンゼを下ればすぐである。天気が良ければ平蔵のコルから容易に確認することもできる位置にある。
取り付きまでのルンゼのくだりでは、残雪を予想してアイゼンとピッケルを装備に加えていたが全く雪は無く、ただの邪魔な荷物で場違いな装備となってしまった。

 取り付きのガレ場で登攀の準備を開始。天候は相変わらずぱっとせず、今にも雨が降りそう。登攀中の雨を覚悟して取り付く前に雨具を着る。
 オーダーは中谷・甲谷、澤田・和田の2組に別れて登攀開始。1ピッチ目は3級程度というがほとんど垂壁、しかも初っ端のスタンスがチョット上にある。中谷さんが登り、わたし、そして澤田・和田組が登る。
 1ピッチを何とか登ると、気持ちも落ち着く、その後はつるべでのぼり、せんえつながら私もトップを交互に登らせてもらう。

 天気が良ければきっと良い景色が望めるだろうと考えるほどのゆとりが出てきた3ピッチ目。
上にいた澤田さんから「ラーックッ!」のコール、と同時に上から凄まじい音と共に大きな岩が2個、和田さんと私を目掛けて落ちてくる。大きい方は途中でリッジのラインを外して右側の谷底へ、しかしサッカーボールくらいの小さいヤツは真上から向かってくる。これまでかと思ったすんでのところで、大きくバウンドし頭の上を越えていった。寿命が縮まった。だから岩登りは嫌いだ!

 そして4ピッチ目は右側の側壁をトラバース気味に斜上、5ピッチ目は快適なリッジ。核心部全5ピッチを攀じりきり、頂上へ続くガラ場をザイルを解き、各自思い思いのコースをとり満員状態の頂上へ行く。全員揃って握手を交わす。簡単な岩登りルートとはいえ一般ルートでは味わうことの出来ない満足感を感じる。だから岩登りは止められない!

 今回の登山計画書ではA2登攀の後、A1も連続登攀の予定であったが天候もぱっとしないので私と和田さんは辞退しそのまま剱沢へ下ることにさせてもらう。
中谷さん澤田さんは計画通り更にもう一本A1を登ると言い、頂上でのんびりする我々をおいて先に下り出す。

 和田さんと30分くらい頂上で休んだ後、二人で弥次喜多道中宜しく下山。途中、一服剱あたりから雷鳴と本格的な降雨。A1を攀じっているであろう中谷・澤田パーテイーが心配。

 剱沢キャンプ場に着きテントの中で中谷・澤田組みの帰りを待つ。雨が小降りになった18時ころ、元気に二人到着しホットする。話によるとA1の登攀は雨で相当難儀した様子。お疲れさまでした。


8月13日
天候:快晴

 目を覚ました頃の曇天も、日が昇るとほとんど快晴。昨日登ったA2リッジもハッキリ見える。和田さんとわたしは本日下山。中谷さん澤田さんは今日、八ツ峰4峰劒稜会ルートを登攀の後明日下山。

 中谷・澤田組を見送った後、前2日間では雲とガスで見えなかった剣岳の雄志を見返りながら帰路につく。

 

 

 

 

 

  

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