バイパス開錠について
いったいバイパス開錠とは何なのか、Q&A方式でお答えします。
Ql:テレビではモザイクがかかっていてよく判らなかったが、どのような手口か?
Al:シリンダーのリングを持ち上げ錠前と扉の隙間から工具を差し入れ、錠ケースの
開口部から内部部品を駆動させて解錠する手口です。自動車で言えば、ドアと
ガラスの隙間から工具を入れて解錠するようなやり方です。
Q2:誰にでもできるのか?
A2:錠前の構造を良く知っている者が、専用の工具を使い、練習して習熟すれば解錠
できます.
Q3:テレビでやっていたように、リングが持ち上げられる物は簡単に解錠できるのか?
A3:リングが持ち上がるもの全てが解錠できるわけではありません。解錠できる錠前は色々なシリーズのうち一部の種類のみです.
Q4:特定のメーカーの物なのか?
A4どこのメーカーにも、この方法により解錠できる種類があります。
Q5:対策は?
A5!会社によって異なりますが、美和ロックでは平成13年11月以降の出荷分から
順次この不正解錠に対する対策品に切換え、現在では全て対策済みの製品で出荷しています。
Q6:この手口を使った犯罪による被害は発生しているのか?
A6:現時点では、この手口を使った犯罪の発生は警察もメーカーも1件も確認していま
せん.
Q7:欠陥品ではないか?
A7:欠陥品ではありません。犯罪から居住者の生命・財産を守る事を目的とした錠前を作るメーカーと、それを破ろうとする窃盗犯等は、常に競争関係にあり、ある時では破られなかった物が研究されて破られるようになり、それを上回る物をメーカーが開発するという歴史が錠前の世界では繰り返されています.このことはピッキング問題も同じです.製造販売していたその時点では妥当性を持ったレベルの商品でしたが、時を経て研究し尽くされ解錠が可能であると判った時点では、直ちに改良を実施して行くと言う方法でしか対応できません.もちろん、錠前メーカーとしては日々研究し対策を実施してはいますが、現在製造・販売している製品がいつの時代にあっても完璧で
あり続けることは大変国難です。従って、これは欠陥品ではありません.
Q8・最近ピッキングの問題で、CP−Cシールのついたシリンダーと交換したばかりなのに、それでも安心できないのか?
A8:ピッキングはピッキング専用工具を使って、鍵穴を直接攻撃し、正規のキーを使わずに解錠する方法で、CP−Cの認定シリンダーは、その攻撃に対し強いシリンダーです。今回の方法は、鍵穴とはぜんぜん関係ない所からの攻撃です。
Q9:開けられないようにするにはどうすれば良いのか?
A9:テレビでは外からシリンダーと扉の隙間に、隙間を埋める板状のスペーサー(輪っか)を見せていましたが、外から付けたものはどうしても外からはずされてしまうので、確実な対策にはなりません。この不正解錠方法への対策としては
@錠ケースを対策済みの物に取替える。
A今の錠ケースにある穴を対応部品で塞ぐ。という方法が確実です。しかし、テレビでは一つの不正解錠方法だけを見せていましたが、実態は他にも色々な方法があり上記対策をしただけでは万全とはいえません。詳しくはお話できませんが、郵便受口やドアスコープから内部サムターンをまわす方法もありますし、
バールでこじ開ける手口も増えています.
どの不正解錠方法に対しても、窃盗犯に侵入しようという意図を起こさせない1ドア2ロックが有効な対策です。
B安心するには1ドア2ロックをお奨めします.