うまそうな餌に釣られてうっかり 家の中に飛び込んでしまった 気が付いたら入り口は閉まっていた 召使いは勝ち誇った様な顔をして 僕を見ている こうしておけば僕のかわいい顔を 激写できるとでも思っているのか? 浅はかな奴だ 巷でやってる猫の日のコンテスト なんぞに応募するつもりだな | ||
取り乱すな、落ち着くんだ このガラス戸のすぐ向こうは 自由の世界だ なんとか脱出する方法を考えるんだ 頭を使うんだ! う〜む、う〜む | ||
頭!! そうだ、頭だ・・・ 隙間に頭をねじ込んだら開くかも | ||
頭がでかくて ねじ込む隙間もないやい! | ||
脳味噌がいっぱいあっても 名案が浮かばない・・・ きっとお腹がいっぱいだからだ じっとしてれば誰かが 助けてくれるかもしれない しばらくこうしていようか | ||
映画なんかじゃ美女がお色気振りまいて 敵の目を眩まして脱出するっけ 美猫が悲しそうな表情をしたら 逃がしてくれないだろうか・・・ | ||
それでもダメなら素直に降参するしかない お願い、出して〜! 結局は写真嫌いの僕の前に 召使いのもくろみははかなくも 崩れ去ったのだった 猫の日は大人しく過ごすのが一番だ! |