新宿区長から首都高への要請

新宿区長から首都高速道路公団に宛てて排ガス浄化の要請書が出されたました.それに対して公団はあいかわらずの煮え切れない回答を寄せています.


12新都計670号   

平成12年9月14日  

首都高速道路公団理事長

 理事長 三谷 浩 殿

新宿区長 小野田 隆  

都市高速道路中央環状新宿線事業に関する

排気ガス浄化対策について(要請)

 日頃より,新宿区政に御理解,御協力をいただき有難うございます.

 さて,標記の件に関しましては,貴公団におきまして排気ガス浄化装置の調査研究が鋭意進められていることと存じます.

 平成2年の中央環状新宿線環境影響評価書の中の環境保全の措置に,道路トンネルにおける窒素酸化物の除去装置について「その技術的可能性について調査研究を進めていく.」と記載されていることもあり,当区から平成9年1月及び平成11年3月に,最適な排気ガス浄化装置を積極的に導入するよう要望して参りました.この間,東京都の道路建設事業において排気ガス浄化装置の設置計画が進められていることはご存知のことと思います.

 このような中,環状6号線(山手通り)建設事業に合わせて,中央環状新宿線のシールド発進縦坑工事の説明会が地元住民に対して行われました.当該地区における首都高速道路の環境対策への計画について,区に対する回答がないまま,建設事業を進めることは大変遺憾であります.

 貴公団におかれましては,再三の要望や環境影響評価書を真摯に受け止め,排気ガス浄化装置の設置などの具体的な検討を進めると同時に,こうした事業の計画を区ならびに周辺区民に対し公表されるよう要請いたします.


首公東建調査一第53号   

平成12年10月3日      

新宿区長

 小野田 隆 殿

首都高速道路公団       

東京建設局長 鈴木剋一   

都市高速道路中央環状新宿線事業に関する排気ガス浄化対策について(回答)

 

 平素より,都市高速道路中央環状新宿線事業に対し,ご理解,ご協力をいただき,誠にありがとうございます.

 中央環状新宿線の喚起所から排出される二酸化窒素の最大着地濃度については,周辺地域に及ぼす影響は極めて小さいと環境影響評価書において評価されております.

 また,建設省,首都高速道路公団,日本道路公団及び阪神高速道路公団では,大都市圏を中心に環境基準の達成が厳しい地域において,換気所周辺の局所対策としての低濃度脱硝装置の技術開発に取り組んでおります.

 平成9年2月から首都高速道路湾岸線の空港北トンネル京浜島換気所で行った低濃度脱硝装置のパイロットスケール実験では,当初目標とした脱硝性能,安全性等について成果が得られていますが,設置スペース,エネルギー,コストのさらなる縮減が課題となっており,いまだに実用化の段階には至っておりません.

 これらの課題の解決に向けて,民間からの技術情報招請における提案を受け,新たなパイロットスケール実験を実施し,技術開発に鋭意取組むと共に,開発状況については,共同開発者と調整しながら,適宜,説明してまいりたいと考えております.

 今後とも,中央環状新宿線事業に対し,引き続きご協力を賜りますようお願い申し上げます.

 

ホームに戻る