大沢から黒岩、五葉山

尾根上のダケカンバの林
五葉山登山で一般的なのは赤坂峠からですが、大船渡側から途中にあるの大沢か
ら、黒岩と畳石に登るコースがあります。これらのコースを利用して五葉山を周
遊しようと思いました。

両コースの分岐点付近まで地図には林道が描かれていました。林道入口に着くと、
その林道はかなり荒れており、車で入るのに躊躇しました。1台林道入口に止ま
っており、登山の準備をしていました。それならば私もここに止めて歩こうかと
思いました。奥にも車が1台止まっており、その先は岩が落ちていたりでとても
車は入れないなと思って先に進むと、道はざっくりと削られていました。崩れて
稜線の紅葉
いるところは上の方まで斜面になっており、滑らないように慎重に通りました。

その先は藪でした。これではもう何十年も前に廃道になった林道です。それがま
だ最新の地形図に載っているところがすごい。沢を離れて右側に進むと、鹿よけ
の網があり、そのままどんどん進んでいったら沢から離れすぎてしまい、戻りま
した。途中の赤い印の付いているところから、逆の方向へ登って行くようです。
道は沢に降りると、石がごろごろしていて、元林道とは思えないくらいです。

沢の左岸を進んで行くと、立派な橋が現れます。渡ったところに黒岩への取付点
黒岩を目指す
がありました。その向こうへは立派な登山道が延びており、おそらく地図の破線
の道で、道路を通ったときに見た鳥居のある場所に出るのではないかと思いまし
た。今はこちらがメインの道なのでしょう。

黒岩への道は最初から急坂です。振り返ると出来たばかりの鷹生ダムが見えまし
た。上の方に来てやや傾斜が緩くなると、林床がすっきりした美しい林になりま
す。ブナはありませんが、広葉樹林で、林床には小さな笹しか生えていません。
どこでも歩ける感じで、道もはっきりしたところは少なくなります。赤い印を外
さないように歩きます。
大沢ルートの美しい林

やがて道は地形図と異なり、左にトラバースします。トラバース道が下り気味に
なると、道標の建つ場所に出て尾根上を登ります。帰ってからナビのデータを見
てびっくり、かなり長いことトラバース道と尾根道が近い場所で並行に走ってい
るのです。現地はそんなに急な場所でなく、小さな笹しかないのでもっと近くで
合流出来るはずだと思いました。何でこんな道を造ったのでしょうか。

この尾根道も踏跡程度で草が道を覆っています。赤い印を外さないようにしまし
ょう。赤い印の所に来たら次の赤い印を捜しましょう。必ず見つかるはずです。
大沢小屋

岩が多くなってきて、岩の間をよじ登ると、森林限界に出ます。赤く紅葉した木
々が美しいです。稜線上は紅葉の盛りでした。曇っていた空が登る途中晴れてき
たのでこれは良い天気になるなと期待したのですが、再び曇ってきてしまいまし
た。檜山からの道を合わせ、黒岩を目指して累々とした岩を登って行きます。黒
岩に着くと、雨がぽつりぽつりと降り出してきました。しかし、大したことはな
くこの先も時々降る程度でした。

稜線を通って五葉山へ向かいました。しかし、紅葉も良い時期で、眺めがよい場
地図
所だけにガスの中で残念でした。日枝神社から、石楠花山荘を通って、畳石に降
りました。畳石からは赤坂峠への道と分かれ大沢へ降ります。

こちらの道は、結構利用されているのでしょうか、道ははっきりしています。途
中の林では、まだ紅葉は始まったばかりですが、緑の中に点々と赤や黄色があっ
て美しいです。ミズナラ、ダケカンバやモミジ類を中心とした林ですが、林床が
スッキリとしており、林が全部見通せます。こちらの林床には、芝が生えており、
林床も緑で覆い尽くされています。さながら、洗練された庭園を歩いているよう
で、久々に良いところを歩けたと感動しました。
                                                                かぬか平

日程2005.10.9(日)
山名黒岩(くろいわ)1321.7m、五葉山(ごようざん)1341.3m
地図盛、五葉山
山域北上高地南東部(岩手県大船渡市、住田町、釜石市)
コース大沢林道入口--0:25--黒岩ルート取付点--3:10--黒岩--0:50--日枝神社--
0:10--五葉山--0:50--畳石--1:20--大沢林道入口