夏虫山は五葉山の南にある山ですが、山頂まで車道が通じており、ハイキングや 登山の対象とはなっていません。しかし観光地として良く聞く山なので行ってみ ました。 2万5千図によると、夏虫山から西に2.5km林道が延びてきており、その地点から 北と南に道が分かれています。北側の道は二重線(3〜5.5m)ですが、南側の道は実 線(1.5〜3m)です。北側の道は赤坂峠まで通じていますのでそこから入ることにし ました。 県道193号を大船渡側から行くと、赤坂峠の駐車場のすぐ先を右折します。そこに
は夏虫を示す標識はなく、通行止めの看板があり、嫌な感じがしましたがとにか く入ってみることにしました。残雪が道にかぶっているところがあり、夏タイヤ で通れるかなと思いましたが、何とか通過することが出来ました。 途中、野生の鹿に遇いました。驚かさないようにゆっくり近づいていきましたが、 すぐに逃げていく気配はないようです。道の崖の上にいる親子鹿のすぐ横までき て、親鹿と目が合うと、驚いたように逃げ去っていきました。 越喜来に降りる林道との分岐点に出ると舗装されており、そこから先は舗装され ていました。そこの標識には、今通ってきた道にだけ悪路と書いてあったので、
いま通った道は一般道ではないようです。 さらに南に進んでいくと、途中に綺麗に整備されたキャンプ場がありました。さ らに、大窪山への分岐(鎖で通行止めにしてあった)を過ぎ、地図にあった実線 の道との交差点に着きました。実線の道は舗装された良い道でした。標識はその 道から上がってきたときよく見えるように取り付けてあったので、その道が夏虫 山に来るメインの道と思われました。そこから夏虫山に向かう道は、かぬか平の 中を走るという感じで気分がよいです。 その道の終点は夏虫山のすぐ下にあり、かなり広くなっていて数十台は止められ
そうです。そこは大窪山からの稜線との鞍部になっており、木は全くなく草原の 中にあります。 夏虫山へは緩いわずか数十mの登りで三角点のあるピークに着くことが出来ます。 もちろん三陸の海の眺めはすばらしく、五葉山もよく見えます。観光客らはここ でお弁当を広げて満足して帰るのでしょう。 振り向くと白いドームの建つ大窪山への延びる稜線が気に掛かります。気持ちよ さそうな草原が山頂までずっと続いています。ドームまでそんなに距離はないよ うに見えるので、行ってみることにしました。 駐車場から有刺鉄線で囲まれた中に入ります。中は放牧地で、糞がたくさん落ち ていました。踏まないように歩くのは至難の業で、取りあえず固まりをもろに踏 まないように気を付けて歩きました。 木が全く生えていない、なだらかな斜面なので展望は全く申し分ありません。鉄 塔のある今出山がよく見えます。途中有刺鉄線の柵を越えなければならないとこ ろが何カ所かありましたが、手で針金部分を外して中に入り、また元に戻して進 みました。途中から稜線上に高い金網のフェンスが、大窪山の山頂まで作られて おりました。 フェンスの下でガサゴソと音がしたので、見るとフェンスに絡まっていた鹿が私 に驚いて逃げて行きました。鹿と放牧地を分けるフェンスなのです。しかし、こ ちらの放牧地にも黒い玉状の鹿の糞と見られるものがあるので、こちらにも時々 入ってくるのではないでしょうか。フェンスの向こう側には木が生えていますが、 すべて立ち枯れ状態です。鹿の食害によるものなのでしょう。 30分ほどで大窪山の山頂ドームに着きました。そのドームには、三陸大気球観 測所大窪山受信施設とありました。近くのリアス海岸の突端で、大気球をあげて 大気の様子を観測しているのでその電波を受信する施設なのでしょう。 ここへは、さっき通ってきた林道の分岐からも登れるので周遊コースも良いかも しれません。しかし、牛の放牧の時は、人は通りづらいでしょう。蝮も出るらし いし、生々しい糞を踏んづける可能性もありますので。
日程 | 2002.4.13(土) |
山名 | 夏虫山(なつむしやま)717.2m、大窪山(おおくぼやま)827.3m |
山域 | 北上高地南部(大船渡市) |
コース | 夏虫山←30分→大窪山 |