六角牛山は早池峰山、石上山と共に遠野三山の一つで、遠野盆地の東に位置し ており、柳田國男の遠野物語にも名前が登場します。名前の由来は、方向によっ ては、大きな牛がむくむくと起きあがるように、ある方向からは頂上部分が6つ の峰の集合のように見える山容から言われる。山の守神「お六神さま」の名前か ら来ている。また、アイヌ語のロックカカイシの当て字とも言われる。さらに、 6人の皇族が住んだという六皇太人(ろっこうし)から来ているという説があり ます。 この山は8年前に登って以来2度目です。遠野より大槌方面に県道35号線に入 り、小水内の六角牛神社の脇から林道に入ります。真新しい砂利が敷いてありま
したが、その後雨水で流されたのが、若干嫌らしいところもありました。 峠の登山口からは目の前に六角牛山の山容がそびえ立っていました。この日は 冷え込み、岩手山でも初冠雪が観測されました。六角牛山の上の方が白くなって おり、この山も初冠雪かなと思い、積もっていてもほんの少しだろうと思って出 発しました。 最初は唐松を中心とした雑木林の道で、作業道のような広い道でした。無人雨 量観測所からは少し道が細くなりますが、整備が行き届いた道がずっと続きまし た。X合目という木の小さな杭が建っていますのでそれを目安にして歩けばよい
でしょう。 ナラやクリの木が多くなってきました。やがて、道も急になり、落ち葉の下の 土が滑りやすくなって歩きにくくなります。その後は、苔むした岩の急な登りと なりました。こちらも滑りやすい。 八合目まで来ると、地面や笹の上にうっすらと雪が積もるようになりました。 これからはまだ誰も歩いていない処女雪の上を歩いていきます。頂上に近づくに つれ、雪はかなり多くなりました。山頂付近の道は、少し藪っぽく笹についた雪 が服にまとわりついてきます。そのまま融けて濡れるのが嫌で、時々雪を払いな
がら行きました。 低灌木の枝には雪が着いており、その白い枝越しに見る下界の紅葉は、滅多に 見られないもので見事なコントラストに感動を覚えました。 この日は冬型で、曇り時々晴れの天気でして、少し強い風も吹いていました。 山頂は、5cmほどの積雪で水たまりは凍っていました。展望は360度で申し分ない ところですが、この日は遠くの方はよく見えませんでした。近くの山として、東 の片羽山の雄岳と雌岳が印象的です。五葉山の台形型の山も見えました。このよ うな天気ですので長くいられませんでした。
帰りには15人位の人と擦れ違いました。結構登られている人気の山なのですね。 登山口の駐車場には着いたときには一台も止まっていなかったのに、私の車を含 めて7台止まっていました。
日程 | 2001.11.4(日) |
山名 | 六角牛山(ろっこうしさん)1294.3m |
山域 | 北上高地中部 |
コース | 登山口(7:55)---(9:30)六角牛山(9:45)---(11:00)登山口 |