『テーマ館』 第31回テーマ「2000」
ミレニアムの夜明け 続編 うなぎ 2000/02/12 18:19:01
ミレニアムの夜明け過ぎて。
皆、あの騒ぎを忘れ始めていた。ただ書類を書く時ハタと気づく。
−−西暦2000年2月12日−−
「2000年だよおい」
意味もなく一人つぶやく。なんだか未だに『めでたい』と言った
感覚が残っている。こんなただの数字の区切りに喜びを感じてい
る自分が最もめでたいのかも知れない。
2000年を迎えても、世の中なに一つ変わりはしない。そして
自分も。
しかし2001年は違うだろう。今世の中を動かしてしる大人た
ち。我々の少年時代の憧れは21世紀にあった。21世紀は未来
世界の代名詞であり、空想の世界だった。どんな事も可能になる
未来世界。想像しうる限りの『便利』が実現されると希望を抱い
ていた未来世界。小学生の頃想い描いた、30歳を過ぎる自分が
暮らすであろう世界。当時の子供向け絵本に描かれていたのは、
未来都市を駆け巡るリニアモーターカーや、原子力で動くジェッ
ト旅客機、それに宙に浮いて走る車。そんな世界を想い描いて我
々は生きてきた。子供だった頃の自分は希望に満ち溢れていた。
しかし記憶は薄れ、未来予想図は色あせ、夢世界の20%しか実
現されていない『今』がある。
21世紀を跨ぐ現代の子供たちに、我々はどんな未来世界を示し
て行けばいいのだろうか。
21世紀を目前に控えた2000年。焦りを覚える私達がいた。
Before