第33回テーマ館「天使」
天国と地獄 原千円札 [2000/05/19 17:21:32]
「天使ってのはやっぱり天にいるんだよ」
突然彼は言った。長い間何を考えているのかと思ったら……。
「そりゃあ羽根がはえてんだから……天じゃねえの?」
俺は適当に返した。
こいつと付き合っているとどうも調子が狂うのだ。
「じゃあさ、地獄はどっちだろう?」
「………………………」
何でそっちに行くかねえ?
「……さあ、わからん」
「俺は多分地獄は地下にあると思うのよ」
「……なんで?」
「地獄におちるっていうじゃん」
「……あー」
俺は覇気のない声で返事した。
「どうでもいいけどさ、そういうの考えてて疲れない?」
前前から、聞いてみたかったことだった。
この男は何でこんなにいつも疑問があるんだ?
「……面白いからかなあ?」
「……ああ、そう」
そして、長い長い謎がお互いに解けた俺達は、自分の家へと帰るのであった。
……いや。
そういえば、帰る途中で奇妙なものを見た。
あれは、銀色に光って、羽根のようなものを生やして……天使のようだった。
……が。
「おい急げ!」
「は?」
「急げって!」
それの正体は、宇宙人だったそうな。めでたしめでたし。
……こんなオチで読者は納得してくれるだろうか?
(多分ムリ)