第33回テーマ館「天使」


闇と光〜天使と悪魔〜 鸞鏡 [2000/05/26 00:15:16]


君の翼に包まれて。僕は見果てぬ夢を見る。
どこまでも続く青い空。浮かんでいる雲は君の翼のような白。
飛んでいる鳥の鳴き声に耳をすます。
段々と雲が鳥の周りに集まり、鳥は雲に囲まれて見えなくなる。
風が吹き、雲が流されると君が現れる。
”あの鳥は君だったのか”妙に納得する僕。
美しい、とても美しい昼間は君の時間。
君の白い翼と、輝く太陽の笑顔。

でも君の時間はいつしか終わる。永遠に続くものなどなにもない。
君が翼をたたんでしまう時が来る。その後は僕が目覚める。
夢の世界から抜け出して。現実の夢を追う。
どこかにあるはずの僕の夢を追う。
追い求めながら、黒い翼で君を包む。世界を包む。
僕の黒い翼で世界は闇になる。
でも君だけは僕の闇に馴染まない。体を丸めて光り輝く。
闇の中で君はひっそりと輝く。
君のたたんだ翼からは光の粒子が飛び散る。
闇の中で寂しい人間達は君の光にうっとりする。
でもその光に触れられるのは、いつでも僕の闇だけ・・・
混ざり合うことのないものどうしだから
僕らは触れあうことができるのだ・・・