第33回テーマ館「天使」


控訴依頼 ゆびきゅ [2000/05/31 00:22:40]


黎明の幽谷を象る羽根は肉体から投げ棄てられた魂のように神経質に震え肥満の端緒に至る
色欲を象徴する純白の艶やかな幼体を饒舌な偶像崇拝者どものもとに運ぶ。審問官の席につ
いた彼/彼女は異端者どもの口から溢れ出る恐怖と混乱の炎を火刑台の薪に移し自らの脂肪
の油で復讐の悪臭を発する。焦げ爛れた皮膚の粉末は無数の罪深き頭に悔悛の秘蹟として降
り注ぎ彼/彼女の肉深き顔には許しの笑みが貼り付けられる。刹那に偉大な神の影が激昂の
雷鳴とともに世界を飲み込み天使は慣れ親しんだ嘲笑を被告人どもに浴びせ闇の中へと逃げ
去った。

悪戯ッ子世にはばかる。