第33回テーマ館「天使」


帰ってきた夕食万歳! romagori [2000/06/13 01:14:29]


「さて、今日はなんと天使の料理を作るそうですが、
先生これはどういった料理なんですかね?」
「古来から美味しいものを食べたときは"天にも昇る気持ち"になると言われます。
そう言った意味で今日は極楽行き間違いなしの夕食を作りたいと思います」
「なるほどー よく分かりませんが、とりあえず美味しい物に間違いはないみたいです。
それではまず人参を千切りにしまー・・・」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
そう言って先生は鍋を台の上に持ち上げた。
「この鍋にもう完成した料理が入ってます! さっき私が作ってたの見てたでしょ!?
料理はなぁ、冷めないうちに食べないと旨くないんだよ!」
・・・・・・・静まり返るスタジオ。
(・・・段取り無視かよ)

「・・・そ、それでは、試食でぇす」

そして鍋の料理を皿へと移し、テーブルへと運んだ。
だが皿の上にのっていた物は、どう見ても普通の炒飯のような物であった。
「先生、おいしそうな料理なんですが・・・、これのどの辺が天使なんでしょうか?」
「どの辺がって、これは普通の炒飯です。これから隠し味を入れて、初めて完成します」
「ああ、なるほど」
「これはどこの家庭にでも探せば一袋くらいある白い粉です。 これで極楽にいきます」
そう言って先生はふりかけでも掛けるかのようにサッと袋の封を切り、粉をふりかけた。
(・・そ、それって、まさか)
「えーっと・・・、ちなみにその袋は何処のお店で幾ら位で買えるんでしょうか・・?」
「買える場所ですか?それはちょっと言えませんが、最初の内はタダだと思います」
「・・・・・・・」

その日の夜、日本の食卓には天使が舞い降りたそうです。(幻覚の)
以上夕食万歳でした!スタジオお返ししまーす!