第76回テーマ館「朝起きたら…」



朝起きると………… しのす [2010/03/22 06:46:04]


 朝起きると、地球がなくなっていた。



 「ってそんな馬鹿な」
 ショートショートの最初の一行を読んで
さすがに私も文句を言った。
「地球がなくなったら、じゃあ誰がどこで誰に向けて書いてる文になんだ」
 「えーと」宇曽月は頭をかいた。
「宇宙の創造主が他の宇宙人たちに向かって書いてるんです」
 「宇宙の創造主ねぇ」私はため息をついた。

 私はブログで毎週日曜日にショートショートらしきものを書いて公開してるのだが、
最近ネタ切れで困っていた。
 そんな時に友人の宇曽月が「僕が書きましょう、ただし一作につきサイン本1冊で」と提案してきた。
 それではと「朝起きたら」というテーマで書いてもらったが、
あんまりだ。
 「朝起きると、地球がなくなる、ていうのはねぇ」
 「ま、続きを読んで下さい」



 宇宙の創造主はルナに尋ねた。
 「地球がなぜなくなったのだ」
 「わかりません」
 「そんなに近くにいたのに、地球がなくなるのに気づかなかったのか」
 「すみません」
 「うーむ、これは宇宙探偵の出番だな」



 「って宇宙の創造主のくせになんで地球がなくなったのかわからないのか」私はつっこんだ。
「ルナって月のことか。で、宇宙探偵ってなに。ケ○ロみたいじゃないか。
はーっはっはっは」
 「宇宙探偵は金星一恒星って名前なんです」
 「…」
 「で、金星一が水星、火星、木星、土星と尋問した後に
すずめの巣のような頭をかくと推理を話すのです」
 「どんな推理だ」



 「謎は解けた。
地球は温暖化と世界戦争のために真っ黒になってしまった。
その結果実はそこにあるのに、見えていないだけなのです」



 「…」
 「…どうですか」
 「環境問題に鋭く切り込んだ問題ショートショートだな」
 「そうでしょう」
 「ってほめるかっ」


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