第67回テーマ館「誕生日」



彼らの会話、気づいた事実 是雪 [2007/10/28 01:19:53]


「あーあ。どうせこいつらクリスマスは恋人の季節ーとかつってやりまくってんだろう
なー」
「まぁ、いいんじゃねぇの?w日本も少子化だしさwがんばって貰ってw」
「オレも少子化対策に貢献してーよw」
バカみたいに下品なネタで笑ってる友達(と、思いたくはないが実際に友達なのだ)の話
をBGMに外を見ると、クリスマスの時期が近づいてきていると街を彩るイルミネーシ
ョンが告げている。
きらびやかなイルミネーションに祝福されているかのように待ち行くカップルが身を寄
せ合っている。
それなのにオレと来たらいつものメンバー(男ばっかりだ)とMマークのバーガーショッ
プでだらだらと時間を潰している。
くそっカップルなんか滅んでしまえ!と悪態をつきながら12月24日に生まれてこん
なくだらないイベントを作り上げた異国の神を恨む。
まぁ、彼に罪はないわけだけど。
どうせ、今年のクリスマスもこいつらとワケわからんくなるまで飲んでバカ騒ぎをする
んだろうと、未だ下ネタで盛り上がってる奴らに視線を戻す。
「そーいえば、お前この間誕生日だったよな」
唐突に話をふられた。
「この間っていつの話してんだよオレの誕生日は1ヶ月前に終わりましたですよ?」
「だっけかぁ?いつだったか覚えてねーやw」
なんと友達がいのない奴か。こいつの誕生日プレゼントなんか買ってやらん。ま、やっ
たところで男同士でプレゼントの交換なんて寒いだけだけどな。
「おう。9月26日ですよ。しっかり覚えとけよな〜?w」
「いやだよw何で彼女でもねーお前の誕生日覚えとくんだよwきもいよw」
軽い笑いが起こる。
そこで、ふと一人が何かに気づいたようにオレに話しかけた。
「なぁ。9月26日?」
「ん。って言ってんじゃんw26日ならなんかあんの?w」
「いやぁw逆算したらさぁだいたい12月のクリスマスシーズンに浮かれてできたガキ
って事になんね?w」
その言葉に全員がオレの誕生日から10月10日を逆算し始める。
あぁ…確かにそうかもしれない。
そうかもしれないって言うかそうだ…。
「うわぁーーーーwお前の親父とお袋この時期に頑張っちゃってたんだぁw」
「言うな!ショック受けてんだから!!」
「あ、でもさぁwこれで一つ納得したわw」
「何が?」
「聖夜ってお前のな・ま・えwクリスマス生まれでもないのにおかしいを思ってたんだ
よなーw」
「うっわ、本当だwwww」オレの名前で大盛り上がりする友人共を尻目に頭を抱え
る。
オレは今後、絶対クリスマスなんて楽しまない。っていうか楽しめない。



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