「カジカムキセツ」　　　by 　はなぶさ


      外で遊ぶことが好きな英治君にも外に行きたくない季節がやって来ました。
      銀杏の木が黄色くなり過ぎて、既に多くの落葉が其処此処に落ちて、更に
      色を変化させています。英治君は年中半ズボンで過ごすから、この季節も
      元気に遊ぶと思われるけれど、そうではないようです。

      英治君の今年の余暇利用法は大好きなお絵描きではなく、思いの通り立体
      を組み立てられる合成樹脂でできたブロックです。英治君には二度目の流
      行になる訳です。英治君には初めての記憶かも知れませんが。

      ある日、英治君が「宇宙戦士の基地」を作っていたら、敏也君から電話が
      掛かって来ました。敏也君は英治君にテレビゲームをやりに来いと誘って
      います。でも作りかけだったので今日は止めとくと伝えました。また今度
      誘ってねというのも忘れずに言いました。敏也君は新しいゲームを買った
      から面白いよと言って電話を切りました。英治君もそのゲームが面白いと
      知っていました。

      夕方までブロックで作った基地は、何処と無く「中世の騎士の城」になっ
      ていました。そして付け加えた「宇宙怪獣」も「羽のあるドラゴン」のよ
      うな感じになってしまいました。

      敏也君のゲームはどんなゲームだったのでしょうね？

                                                                      
(投稿日：12月03日(木)23時11分05秒)