第43回テーマ館「境界線」



感覚と境界 はなぶさ [2002/01/09 23:23:54]


実際にそこになくても、明らかに私たちは感じている存在とい
うものがあります。海を空から見下ろすと、海の中よりも海の
表面に映る美しい光に目に入ってきます。海とは何なのかを考
えさせる光景です。海とは水ではないようです。逆に海の中に
潜って空を見上げると、水面が鏡のように輝いているのに気が
つきます。海の中から空を感じるとは、空気を感じるのではな
く、やはり水面を感じています。

私たちには感じられない質について感じます。人が感じられる
のは質が違うものの境界線だけです。本質については何も感じ
ることはできないのではないかという、ちょっと悔しい気持ち
も感じます。

幻影のようなものが人にとっての実在であるとは、人の存在さ
えも何か別の存在の影、あるいは境界線の表れなのかもしれな
い。そう思ったりもしています。

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