ありふれたサヨナラ 投稿者:はなぶさ 投稿日:04月01日(木)23時30分41秒 桜の花の蕾がゆっくりと開きかけた三月が終わりかけた頃、英治君は一人で本 棚を片づけています。段ボール箱に詰めるようにお母さんが言うからそうして いるのですが、時間がかかるだけで、ちっとも進みません。お父さんは去年の 秋にとっくに大阪に転勤していますから、小学校の卒業を待って引越しという わけです。 一階の方からお母さんの声が聞こえます。英治君は階段の上で、しゃがんで何 を言っているのか聞いていると、敏也君から電話だというので、英治君は急い で階段を降りました。二階に残された本は散らかったままで、英治君は外へ出 て行きました。お母さんが怒っていますが、やれやれと思って諦めました。 桜の花が咲き乱れる金曜日、英治君は何もなくなった二階の電灯を消しました。 (とりあえず書いてしまいまいた。オチも何もありません、許してください)