少女ーミーナから君へー　投稿者：GreenRacoon 　投稿日：04月29日(木)20時19分51秒

      夜更けに隣で眠っている君の顔を見る。
      よく眠っている。疲れちゃったのかなあ。
      眠る前にふたりでよく運動したから。くすくす。
      眠っているとまるで少年みたいだねー。
      起きているときは結構かっこつけているのに。
      でも君は明日、この島を出ていっちゃう。
      この島にバイトに来た君とはじめて出会った時。
      なんだか胸がどきどきした。
      好きだなんてはじめは気づかなかったけど、話しかけたくて必死だった。
      君が絵が嫌いだと言っているにもかかわらず、絵のことを話した。
      だってあたしは絵を描くことしかできないから。
      髪も短いし、女らしくないし。
      絵しか得意じゃないから、公園で絵を描くことでみんなにみとめられていると思っていた。
      君にもみとめてほしかった。
      でも君は私自身が好きだと言ってくれた。
      かわいい、と。
      嬉しかった。
      やっと好きなことがわかったのにバイトが終わって、君はこの島を出ていちゃう。　
      あの公園で君に会うこともないんだね。
      こうやって会うことも。
      泣いたあたしに君は戻ってくると言ってくれた。
      その言葉を信じて、君との想い出を胸に明日からもあの公園で絵を描いて生きていこう。
      笑顔のままで。きっとがんばれる。
      起き上がっていたら肩が冷えちゃった。
      少し眠ろう。君の隣で。
      一緒にいれば寒くないと言った君の隣で。
      その暖かさが伝わってくる。
      よく眠って、そうしたら・・・
      明日はきっと微笑んで見送れる。