第38回テーマ館「こんな一日」



春の光が当たる時 小蘭 [2001/02/16 18:18:18]


キャーーーーーーー!!
私の一日は叫び声で始まる。
ありきたりな、パターン。寝坊する私。
少女マンガのはじめのよう・・・・。
なんて、考えてる場合ではない。
急いで制服に着替える。
昨日の事がウソのようだ。
憧れのあいつに告白した、昨日。
夜、泣いて泣いて泣きとおした。
「あんなに優しかったのに〜」
なんだか、もうスッキリと過ぎた日のことだ。
気合を入れて学校への道を踏みしめていく。
友達に何か言われるか、きまずくなってるかな。
嫌な事ばかりが私の頭をよぎる。
でも、いつまでもそんな事で・・・そう「そんな事」なのだ。
今は、笑って昨日の事を話せる。
そんな、明るい自分が、何だか好きになった。
今まで、自分はダメなやつと思っていた。
でも、これでふっきりがついた。
そう、また新しい恋をすればいいのだ。
新しい恋・・・・・・。
その時、ふいに一滴の涙が頬をつたり、首が冷たい。
「やだ、ちゃんと昨日の夜泣いたのに・・・・。」
涙をこすり、歩き出そうとする。
でも、やっぱり足がすくんでしまう・・・・。
「どうしたの?」
優しい声、暖かい手。
振り返ると、一人の男子学生が立っていた。
女が一番落ちやすいとき、それは泣いてる時だろうか。
大切な人を失って泣いている時。
失恋1日目。
私は、恋に落ちてしまったのだ。

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