遠い死 はなぶさ [2005/07/05 12:49:26] 梅雨というのに雨が降らない6月だった。土の上に植物たちの死骸が 並ぶ日々だった。暑い季節に死を迎えた気持ちを考えた。太陽に見守 られて、暖かい大地に抱かれて眠るのなら幸せだったのか。 7月に入り遠い親戚からの訃報が届いた。子供の頃にしか会っていない 遠い親戚だが、幼かった私を笑顔で見つめてくれたことを憶えている。 だから、胸の片隅が冷たくなった。 どこかのだれかが私の死を見つめてくれるのなら、その時が来ても 寂しくないのかもなあ、と思ったり。今は気付いていないだけで、 誰かの胸が痛ませるのだろう。 今は気付いていないけれど。 戻る