エクスカリバー 投稿者:北尾 投稿日:09月12日(日)01時06分00秒 私の死、それは世界の破滅を意味する。 私に死は許されない。 鍛えぬかれた我が身は、いつしか宝剣へと姿を変える。 私の意志とは離れたところで。 己を鍛え、その時を待つのが我がさだめ。 岩に突き立ち、天を指し、 主人の出現を待ちつづけるのが我がさだめ。 生きるでも死ぬでもない姿で。 ああ、平凡な死を迎えられたら。 万人に分け隔てなく訪れる死の手が、私のもとにも差し伸べられたら。 「死にたくない」とは、死を約束された者の戯言だ――その者なりの辛さもあろうが。 いったいどちらがよりしあわせか。