遅すぎた再会。　投稿者：２Ｍ 　投稿日：09月12日(日)09時14分48秒
            

      ひとつの恋が終わり・・・絶望と虚無間に支配される男が一人・・・
      その時、既に彼には生きる意思は無かった。
      「死にたい・・・」
      男はどんな自殺がいいか考えた。

        手首を刃物で切る。・・・いたい・・・
        首吊り。・・・くるしい・・・
        海で溺死。・・・溺死体は膨らんで臭いらしいからいや・・・
        飛び降り自殺・・・高い所はちょっと・・・

      男はフと考えた。
      「そうだ、ノストラダムスの予言があたるか見届けてから死のう！」

      そして、運命の日・・・なにも起きなかった。
      「・・・そうだ、風俗に行ってから死のう！」

      次の日、男は最期の快楽をもとめて風俗に行った。が・・・
      「・・・そういえば、明日は前から欲しかったゲームソフトの発売日か、
        ゲームを堪能してからでも遅くはないよな。」

      男は存分にゲームを楽しんだ。
      「・・・もう、この世に未練は無い。大量に睡眠薬を飲んで死のう！」
      男は前々から準備していた風邪薬を大量に購入していて、３００錠ぐらい一気に
      飲み干した。その時、ピンポーンと玄関で鳴った。
      「はい！」
      男はつい癖で返事をしてしまい。玄関のドアをあけた。
      「たかし・・・」
      「きょうこ・・・」
      別れた女だった。
      「わたし、やっぱりたかしがいないとダメ。もう一度わたしと・・・」
      男は女の言葉を最期まで聞けず、その場に沈んだ・・・

      『し、死にたくない・・・』薄れゆく意識の中、男は最期にかなわぬ願いをした。